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「燻製しおり」ができるまで

2013年11月4日発行 ロウドウジンVol.7 所収

 特集テーマの「燻製」にあわせて、文学フリマ来場者には必須ともいえるオリジナル栞の制作し、購入者にプレゼントすることに決めた。題して「燻製栞」である。どんなものができるのかわからないけれども、子どもに人気の文房具といえば香り付き文房具。ウケないわけがない(断言)。

 早速、今回の自作燻製器でご協力いただいたcervezamanaさんにご連絡差し上げた。氏も紙の燻製は初めてだというが、快諾いただけた。

 2013年11月1日。燻製栞づくりがはじまった。金曜日深夜の燻製作り。近所住民の迷惑を考慮して、燻製器には自治体指定のゴミ袋がかぶせられた。選択されたスモークチップは「リンゴ」「サクラミックス」の二種類。

 今回の特集内容ではあまり触れなかったが、燻製の製造にあたっては「温度」と「時間」が二大パラメータになる。煙の温度によって燻製は「熱燻」「温燻」「冷燻」に分類される。特に「冷燻」というのは、スモークサーモンなどが代表的だが、一度高温になった煙を冷ましてから燻製させるため、技術的な難易度も高い。

 今回の燻製栞にあたっても、その調整のに難航した。まずは温度を変化させて、うまく紙を燻製にできる温度を探す。60度で試験してみたところ、煙いばかりでうまくいかない。温度を40度に下げ、チップの量を増やしてみるもうまくいかず。そのような試行錯誤もまた、手作り燻製の醍醐味だという。


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 そんなこんなで無事、燻製栞は完成した。制作の様子は、随時、氏のTwitter(鍵付きアカウント)で実況され、大きな反響を呼んだ。しかし、一点だけ誤算があった。燻製の煙で鼻をやられてしまい、どの程度栞に燻香がついたか、途中からよくわからなくなってきたそうだ。飲酒の際には高い酒を早めに飲め、の原理である。その成果は、ぜひみなさん自身の鼻で確かめていただきたい。

 ちなみに本企画が好評だったあかつきには、第2弾、第3弾として「反社会人の脇汗の匂い付き栞」「反社会人にモテるフェロモン付き栞」などを検討している。乞うご期待。

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