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小名浜~北茨城 常磐沖のアブラボウズジギングについて※2023年9月釣行追記



伊豆以外のアブラボウズジギングの話ってあんまり聞かないですわよね?

わたくし今回は小名浜沖にアブラボウズジギング行ってきたのでそのことについて書こうと思いますわ。
アブラボウズジギングというとイメージされるのは冬季の荒れる伊豆半島周辺の海で水深800m前後。
潮がガンガンに効いた海域で800~1500gくらいのダンベル並みのジグで攻める、という一部の変態マゾ筋肉向けの釣りとして認識されてるのが現状。(実際はそこまで変態向けではないんですけど…)
多くの人は釣っては見たいけど寒い重い深い、の三重苦で二の足踏んでいるといったのが実情ではないかしら。
そんな方々の為にもっとライトなアブラボウズジギングが有るというのを今回は紹介していきますわよ。

常磐沖アブラボウズジギングの経緯

小名浜~北茨城の周辺のいわゆる常磐沖でアブラボウズが釣れるのは深海釣りガチ勢の間では古くから有名でしたわ。
ただいかんせんジギングという釣り自体が深海専門の船宿に浸透してないことが多く、ジギングはできなかったのが実情でしたわ。
(わたくしも昔何件か問い合わせて断られた経験あり)
それが昨今のスロージギング流行でジギングという釣りが認知されはじめ、そこに常磐沖のアカムツブームが重なり常磐でもアカムツやタラ狙いの中深海ジギングが普及。
そこからアブラボウズ船でもジギングが乗れるようになった経緯がありますわね。
なのでまだまだ常磐沖のアブラボウズジギング(と他のジギングの釣りものも)は発展途上(船の流し方とか色々)といった感じもありますわね。

ライトなタックルでも挑戦できる常磐沖

常磐沖で攻める水深は比較的浅い400~600m前後で、行程にして港から3時間くらい。
季節も冬だけではなく要望次第で周年出船なので、比較的温かく穏やかな環境でも釣りができますわ。
個体数が多いのか結構数が釣れアベレージは15kg~40kgとアブラボウズにしては小さめ。(ただし50kgオーバーはしょっちゅう、時には2m100kgオーバーも上がるので油断は禁物)
ちなみに同じポイントで地方名コウジンメヌケ(いわゆる俗称ベニアコウ、和名で言うとオオサガやヒレグロメヌケの総称)が混じるのでそちらも裏ターゲットとして密かな人気がありますわよ。

使用タックルはそれらを踏まえて600~1000gくらいまでをしゃくれるスロー用ロッドか張りの強いロッド。
リールはラインはPE2.5~3号を最低1000m巻けるもの。
リーダーはフロロ18~20号を2ヒロくらい。
ジグは600~1000gくらいのジグに刺さりの良い大型アシストフック。
これらをベースに各人の好みでベストを探してみるのが良いと思いますわよ。
夏以外は黒潮の影響が少ないので1500gとかそういうジグじゃなくても底は取れることが多いですわね。
真夏はさすがに黒潮がモロに入って3枚潮4枚潮なんてことになり、1500gのジグでも釣りにならない時があるみたいですけど。

ちなみにこれらのタックルをすべて新品で揃えようとすると…
ロッド 50,000~80,000円
リール 60,000~130,000円
ライン 12,000~15,000円
ジグ  1本4,000~6,000円 これらを少なくとも5本
アシストフック等 1セット2,000円×少なくとも5本
つまり最低でも15万円前後はかかる計算になりますわね…
中古かロッドを自作したりして節約しましょう!

常磐沖の釣り方について

基本的な釣り方についてはもう伊豆の方とかでプロフェッショナルな方たちが確立してるので詳しくは書きませんけど、何点か違うところがあるのでそこだけ書いていきますわよ。
伊豆沖の崖と根の複合エリアと違い、常磐沖は比較的フラットなエリアに根が混じってくるポイントが多く根掛も少なめ。
駆け上がりも攻める時もあるけど駆け上がり事体の勾配も緩やかで、目まぐるしく水深が変わるようなポイントもないですわ。
なのでしゃくって上げてきても10mくらいまででそこからまたボトムに落とすという感じ。
たまにポイントを入れ替える目的で30mくらい上げてそこから落とすのもあり。
ちなみに船長に言わせると、「重りが底切るとほとんど釣れないから多分そんなに餌追っかけて食ってなさそう」な魚なのでとにかくボトムをねちねち攻めるのが重要。
ただ日によっては上ずっている時もあるので臨機応変に。

あとは流し方について。
餌と乗り合いの場合はジギングの釣座は基本的にトモかミヨシ。
ジグを一番最初に投入してちょっと走り、距離を取ってから餌投入という順番。
走る分かなり糸が出るので、水深より糸が出ても油断せず底取りに集中しましょう。
底が取れたら速やかに糸ふけを取って糸が立つように調整していきますわ。
この時に船長と糸の向きなどコミュニケーション取りながら調整するとストレスなくできますわね。
それと回収時は電動が大体10分くらいで上げてくるので、手巻きで自信のない人は船長に一言言っておいて少し早く回収指示を出してもらうようにすると周りにも迷惑が掛かりませんわよ。

ヒット時は回収指示を待たず各自で巻き上げ。
この時周りの人と声かけあいながらラインの出る方向や祭っていないかを観察すること。
でないと船べりでもたついて最悪バラシや、船底やクロスしたラインのスレで高切れなどにも繋がるのでご注意を。
とにかく深海釣りは周囲とのコミュニケーションを取って、お互い釣りができるように配慮する事を重要視してくださいね。

なお船長の裏ワザとして一つ。
昔重いタラジグに巨大タコベイトと餌付けてやってみたら普通に餌釣りするより釣れたらしいのであくまで参考までに…

実釣編

ここからはわたくしの実釣記録
初挑戦は昨年9月。
天気も海も比較的よく出船するもやたら潮が早く、餌の500号重りですら底が取れず当然1000g程度のジグでは歯が立たず。
1流ししてアブラボウズをあきらめちょっと浅いメヌケポイントに行くも、そこも潮が早くて釣りにならず結局2投して早上がりし撃沈。

2回目は昨年年末。
快晴ベタナギの絶好の環境で出船するも、ポイントまであと10分という所で海況が大荒れになりUターンして6時間の遊覧で終了。
途中マグロがいっぱい跳ねててすごかった(小学生並みの感想)

そして今回5月に3回目。
前日まで危惧された天候も朝には予報より良くなり、朝3時に集合して3時半には無事出船。
道具を固定してキャビンに入り3時間寝ながら移動。
6時半になり完全に明るくなったころポイントに近づきタックルをセットして投入準備。

今回のタックルは以下の通り。
ロッド お嬢様ハンドメイドロッド フォルネウス
(使用ブランクはMATAGI TR60スピードピッチ)
リール オシアジガー5000HG改造品にPE3号1200m
リーダーはフロロ18号3ヒロをSCノットで接続
ジグは気分次第で800g~1000gくらいまでを色々


見た目はかなりライトタックル,
ごついのはリールだけ

当日は船長含め7人の大所帯だがジギングはわたくし1人のみだったので、気を使ってもらいトモから大ドモまで広々使わせてもらいながら開始。
1投目は水深480~500mくらいまでのなだらかなかけ下がり。
だがここは少し潮が早く、ジギングはもちろん餌釣り組も流され気味でノーヒットで回収。
船長判断で移動し、2投目は500mの根交じりのほぼフラットエリア。
船長曰く根回りはかなり熱いので気合い入れてとの指示。

ここでは船長の読み通りそろそろ根という所で餌にヒット連発。
大体20~30kgのアベレージサイズが次々上がってくる。
わたくしもジグを底から切って一旦竿を置き隣近所のギャフ入れに忙しかったですわよ。
ギャフ入れを終えて釣座に戻りプレー再開。
フォールを入れて底を取り直すと底に着く前に糸ふけがあり、とりあえず5mくらい一気に巻き合わせを入れて聞いてみると明らかな生命感。
そこからはひたすら巻き上げて回収。
基本的には深海ザメと同じでとにかく重く、頭を振ったりたまにドラグを出して少し走ってみたりを繰り返しながら上がってくる魚なので焦らずひたすら巻く。
300mを切ると糸も完全に立ってきてダイレクトに魚の重量がかかるので、ここからは船の上下を利用したストレートポンピングでさらに上げる。
200mを切ると光が届くのか、魚もひと暴れしだして一旦膠着状態に。
ここでも焦らずテンションを保ち、魚が落ち着いたら巻いての繰り返し。
ようやく魚が見え始めリーダーを入れて船べりに。

流石に疲れてギャフ入れ出来ないので隣の人に入れてもらいランディング。
船長見立てで25kgあるかないかぐらいのギリギリアベレージサイズ、ファイトタイムは25分くらい。
3回挑戦しようやく顔を見れた魚に感無量でしたわ。
ちなみに今回の使用ロッドでのファーストフィッシュなので2重の意味で感無量。

太い太い…太いぜ…!

 それはそれとして
とりあえず2~3枚写真を撮りすぐ処理して血抜き桶にぶち込み、次の流しに備えてタックルをチェックし待機。
3回目も同じポイントを流すも何やら潮の流れが変わってしまい、一名底を取れない人が糸を出しまくり絡みまくり。
船中巻き込んだスッゲーガンギマリなヤバ祭りになり終了。

4回目も同じ場所から少しずらして流してプレー開始。
ボトムを刻みながらしゃくっていると重みが。
すかさず巻き合わせを入れると何やらひたすら重く根掛り。
なんとか四苦八苦して糸を切ると、ノットの真ん中から教科書通りの切れ方でとりあえずメインラインは無事で一安心。(ジグとアシストフックの計5000円分は海の藻屑と消えましたけれど)
周囲の餌組も根掛が頻発し、そのうち一人は深海の付着生物やなんやらが大量に絡まった巨大な網の残骸を引き上げて終了。

5回目はラストの一流し。
投入前に船長から「最後は餌付けてやってみろ」ということで餌を付けて投入。
いつも通り底を取ってしゃくっていると5分くらいでドスンと明確なアタリ。
流石餌はすげーなと思いながらファイト開始。
しかし同じようなペースで巻き上げてきて残り100mという所で重みが抜けてフックアウト。
やっぱり不正はいけませんわね~と船長と笑い合いながら最後の一流しは終了。

12時には帰る準備をしてキャビンに入りそのまま爆睡しながら帰港。
大体1流し1時間くらいの教科書通りのアブラボウズ釣りって感じでしたわね。

最後に

意外とやってみれば何のことはない常磐沖のアブラボウズジギング。
道具も糸巻き量さえ何とかなるリールがあればロッドは何とかなる。
水深も800mなんてのではなくアカムツの延長くらいの感覚で出来るので今までやってみたいけど…と思っていた人も挑戦できるんではないのかしら?
とりあえず為せば成る為さねば成らぬ何事も精神でやるといいですわよ!
皆様まずはやってくださいまし。

※2023年9月釣行分追記

2023年9月
1年以上ぶりにアブラボウズジギングへ行ってきました。
それより前も何回か計画していたけど悉く天候不順で中止。
今回やっと出れたので早速ヤッてきましたわ。

当日のタックルは
メインタックル
ロッド お嬢様ハンドメイドロッド Abyssal Warks1
(使用ブランクはMATAGI TR54 スーパーフリッカーナイン)
リール キャプチャ60HGにPE3号1200m
リーダーはフロロ20号4ヒロをSCノットで接続

サブタックル(前回と同じ)
ロッド お嬢様ハンドメイドロッド フォルネウス
(使用ブランクはMATAGI TR60スピードピッチ)
リール オシアジガー5000HG改造品にPE3号1200m
リーダーはフロロ20号4ヒロをSCノットで接続

ジグは気分次第で800g~1000gくらいまでを色々

深海用ハンドメイドスローロッド第2弾とキャプチャ60HG
ロッドはカタログ上は長さ以外前作と似たスペックだけど実際はやや強め

実釣記録


前日夜10時には港に到着し仮眠し午前2時には出船。
気温も海上なので高くなく過ごしやすい条件で釣行できましたわ。ポイントはいつも通りの港から3時間ほど走ったところで5時には到着。
時化前の凪で海も穏やか。

その日はアブラボウズジギングが初めての方2名とわたくし含めジグが3名。餌釣りは船長含め4名の総勢7名でスタート。
最初の流しは600~650mくらいの崖の根。
餌は右舷に4名固定でミヨシから先に入れ、その後移動して右舷左舷トモからジグを入れて探っていると餌は早々にヒット連発。
20~40kgくらいのアベレージサイズが取り込まれるもジグの方は一人は根掛り、わたくしともう一人はノーヒットで終了。

1流し目から反応がいいので2投目はすぐ同じ根に流しなおし。
今回は高切れの人が抜けてジグ2人がミヨシに移りジグ→餌の順に投入。
今回も餌は反応が良く早々に全員ヒット。
好調の餌をしり目にジグの反応はなし。
探る水深を広げたり逆にねちねち底を探ってみるもダメ。
もう一人の方は船底で高切れしていったん休み。

3流し目は根掛で休みだった人が復帰してジグ2人から入れさせてもらって同じ根へ。
餌は終始好調で今回も全員ヒット。
餌はベタ底より上が反応がいいと聞いて上気味に探っていると待望のアタリ。
慌てず巻合わせを入れてファイト開始するも150mくらい巻いたところでフックアウト。
ただ魚の反応があって気合が入り4投目に気合が入りましたわ。

4投目はジグ3人でミヨシから→餌の順で投入。
今回も上気味で探っているとかなり上で2回目のヒット。
今回も落ち着いてファイトに移行してじわじわ寄せ開始。
魚の動きはほぼ前回と同じ。
巻くほど糸が立って重量感が増すし首を振る回数も増える。
たまに走るけど10m以上走るわけでもなし。
なので無理のない範囲でストレートポンピングでぐいぐいあげて20分くらいでギャフ入れ。

流石に1度釣ってる魚なのでそこまで思い入れはないと思ってたけどやはり上がったら最高や、気が狂う。

前回よりちょっと大きい30kg前半くらい
ギャフ入れの際にジグの重みで口が壊れてしまったのが残念。

生涯2度目のアブラボウズ。
今回は前回のように疲労困憊という訳ではなく、船に上がった後は普通に魚持ち上げれたので体が慣れたか道具が進化したのか不明。
残念ながら他の二人はヒットせずで終了。

あげたアブラボウズを血抜きしたりしていると船長からアナウンス。
本来は6流しやるはずだったけど、船倉が魚で一杯になり入らなくなってしまったため次の5流し目で終了。
最後はどうするか迷ったけど、これ以上釣れてもそもそも自分のクーラーにも入らないし休憩がてらちょうどいいと思い最後はお休み。
餌の人の竿の動きを見せてもらいアブラボウズの動きを勉強したり、色々経験できましたわ。

なお5流し目も餌は絶好調で全員ヒット(一人は2本バリに2匹)。
とにかく終始釣れ続けましたわ。
ジギングの方も1度ヒットさせたけど100m上げたところでバレてしまった模様。

その後釣り仕舞いをして移動を開始したところで時間を見るとまだ9時半。実釣時間は4時間半で、釣れすぎて早上がりというアブラボウズでは珍しい1日でしたわ。

今回も無事釣れたアブラボウズ。
やはりアブラボウズまみれで釣りまくるのは最高や、一緒にやろう。
伊豆と比べて周年行けるというのも魅力ですので、何としてもアブラボウズを釣りたいという人は行ってみるのを検討してはいかがでしょうか?
乗ってしまえばあとは釣るしかないので、まずは道具をそろえて行って為せば成るをしましょう。




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