見出し画像

山ガール3


予定はキャンセルされた。

ということは、私と会うことよりも大切な何かがあるのである。
しかし、彼女はその予定については何も語らなかった。
これ以外にも、疑わしいことはこれから多々起こってくるのだが、それについては別の機会にまとめようと思う。

今は、目に見える形で相手が終わりを提示してくるまで、
信じるしかない。と考えている。
信じれるか、疑ってしまうか。
結局それは、自分の心の強さによる。

変更案として彼女のほうから出されたのは、お祭りの予定。
(毎回、会う時何をするのかは、彼女のほうから提示してくるし、私はそれに合わせるようにしている)

しかし、雨模様っぽい。
だから、映画でも行こうかという話になった。
そして、キャンプ好きな彼女に合わせて、ゆるキャン△でも行こうかと。

しかし、急にこの映画の予定も、コロナの感染拡大が不安だという理由で断られてしまった。
2回目のキャンセル。
アニメは嫌いかなと、嫌な予感はしていだのだが。
流石の私も、半切れ気味になって、すぐにコロナは収束しそうにないから、しばらくは会わないでおこう。
と、こちらから関係を切った。

そして、数日経ち。

他の女性とも、マッチングしていた人は居たのだが、この山ガールに集中しようと思ってまとめてブロックしていた。

そのせいか、会える相手もいないし、やはり勿体なくなってきて、こちらから、お詫びと、なるべく工夫して感染対策万全にして、会おうと誘い直した。

場所や移動手段、人混みを避けて、など、彼女が納得する形にすれば、自分もそれに合わせると。

ダメ元でLINEしたのだが、予想を裏切る返事がきた。

それは・・・

天気が回復していたので、山登りに行かないか?というもの。
真夏ではあるけど、早朝登山なら少しは涼しいのではと。
そして、会う予定を断った本当の気持ちを教えてくれた。
1回目は話が盛り上がり、とても楽しかったそうだが、
2、3回目と、あまり私が楽しそうではなく、自分も仕事で疲れていたから、
あまり楽しめかったと。
その上で、コロナの感染者数が増えたので、
会いたく無くなったと。

2.3回目と、会っても楽しそうではない、と言われた私。

いや、めっちゃ楽しかったよ!
表情に出ないんだよ (涙)

と、会ってから抗議するつもりで臨んだ4回目。

今回は初心者でも登りやすいハイキングコースに二人でいくことにした。

待ち合わせは、現地。午前8時集合。
遠方だったので、高速も使いながら、30分は早くつくける様に家を出た。
ちょうど、登山口の公園でトレランの大会が行われていた。
駐車場は満車に近い。
暫く車内で待っていると、赤い登山服を着込んで、重そうなザックをからった
中年女性がウロウロしていた。
まあ、他にもこれから山に登る風の熟年カップルや、トレランの参加者など、
朝早い時間にしては、人が大勢いた。
彼女から到着したというラインが届き、売店の前で待っているという。

私は当初、白のスポーツTに、黒のジョガーパンツという軽装。
しかし、トイレで自分の格好をチェックすると、明らかに
乳首のまあるいラインが透けている。
透明のニップレスは貼ったのに、意味ねーじゃん。

急いでグレーのユニクロT着替えた。

そんなことしている間に時間はなくなり、急いで売店前に行ったところ、
先ほどの、赤い登山服を着た女性が立っている。
顔はフェイスマスク?
中東の女性のように顔半分を覆う、あの布に似たマスクをつけているので、
全く顔は見えない。
周りを見渡しても、他に女性らしき人はいない。
しかし、この人、かなりやばいオーラを出している。

今から、数百メートル級の山々を登らなければない。みたいな、
ある種の悲壮感が漂う感じ。
緊張感も半端ない。

かなり声を掛けずらかったのだが、人違いだったら謝ればいいし。
と、意を決して挨拶すると、スマホに落としていた目線を上げてくれた。

あ、彼女でした。

初心者向けの軽い山に、かなりのガチ装備で現れた彼女は、

さすが、登山サークルに入っているだけのことはある。

ゆっくり二人で山に入る。
まだ早い時間だし、人もあまりいない。
登山口とはいえ、結構、車で登ってきているので、標高も高いせいか、
かなり涼しい。
彼女の思った通りのコンディションだった。


彼女の服装は、赤のレインコート、黒い登山メーカーのズボン。
登山靴。
そして大きなザック。
(後で重さをチェックさせてもらうのだが、5キロくらいはあると思う)
中はほぼ水。2リットルのペットボトルと、500mlの凍らせたお茶。
それをチューブに繋いで、ザックから出さなくても飲める仕様にしていた。

とにかく、水分をたくさん摂らないとダメなようで、
このくらいは飲み切るという。

そして、白いチューリップ帽子に先ほども触れた黒のフェイスマスク。

まあ、簡単な登山でも、重い装備を付けることで、訓練になるそうだ。悟空かよ。

登山を誰かと一緒にするのはかなり久しぶりなので、私もテンションは高めだった。

一緒に山を歩きながら、いろんな話もできた。
狭い道を歩いて行くので、ある意味、個室のような。
二入だけの時間を持てるのでプライベートな話もしやすかった。

例えば、

Q.結婚願望があるか?
A.ある。けど焦らないようにしている。

三十になる手前にかなり婚活を頑張ったらしい。
結婚相談所にかなり投資もしたそうだ。
しかし、登録者同士の相性よりも、成婚を急ぐ姿勢に、次第に信頼できなくなったとのこと。
地方なので、登録者の絶対数も少ないし、紹介して貰える人の数も少ないのだろう。

Q.前の恋人と別れたのは何年前?
A.5年前

何が原因かとか、詳しいことは聞かなかったのだが、うまくいかなったらしい。
ちなみに私はちょっとしたテクを今回使うことにした。
3年前に彼女がいたという、嘘をついた。

これは、40過ぎにもなって、誰とも付き合ったことのない、
という異常性を一旦伏せるためである。
つまり、童貞を隠す。

しかし、その嘘は、空想の元カノの個人データを
常に引き出せるようにしなければならないし、
その上で一貫性をもたさなければならない。
非常にリスクは大きいのだが、とりあえず、試してみた。

まあ、会って行くうちに色々不慣れさでバレそうだけど。
それはそれでしょうがない。

まずは仲を深めることが先決。その後、話しづらいプライベートのことを語っていけばいい。

Q.登山サークルで出会いはないのか?
A.それが縁で結婚する人はいる。

現にサークルのリーダー夫妻はそれが縁で結婚したそうだ。
新しく入ってきた男女(両思い?)の応援はしているそうだが、
彼女自身の話は聞けなかった。

このような恋愛話をしていると、やはり自然と彼女の欲望も高まっているようで、
彼女の性欲を感じる。

あ、わたくしめ、エロい蛇の妖怪に取り憑かれているので、
ある超常的な能力に目覚めてしまっています。
相手の生き霊。特に性的欲求に特化したものを感じることができるのね。
こんなこと書くと、いきなり話にリアリティがなくなりそうなので、嫌なのだが、
蛇の霊に取り憑かれていることも、私の大事なアイデンティティーなのです。

詳しい話は、心霊話になってしまうので端折るが・・・
つまり、相手の性欲が高まっているのが、感覚的に分かるのである。

まあ、蛇の言うことなので、信憑性はないんだど。

例えば、二人で歩いているときに、向こうから、
トレランのオネイサン(ホットパンツで超薄着!で超スタイル良い)が走ってきたときにも、
彼女の生き霊は、私を抱きしめるような動きをしていた。
私以外の女に気を向けないで!みたいな。

…まあ、妄想と言われたらそれまでだけど。

休憩地点で、日焼け止めを塗り忘れたことを伝えると、女性用だけど、貸してもらった。持ってきているけど、山登りの時に悠長に塗り直したことはないとか、
私の場合、日焼け後は赤くなるのではなく、いきなり黒くなるから良くない。
とか、放っておけばずっと喋っている。
本当におしゃべりが好きな人。

ここで気になる事が。山道歩いている最中、素人の私は何度か足を滑らせてバランスを崩しかけたことがあった。

普段1人で登っている時は、ほぼそんなことはないのだが、会話しながら歩くと集中力が落ちてしまうのである。

でもそれが結構、彼女には響いているようでガッカリするような雰囲気にはなっていた。

やはり同じレベルのガチ登山家がいいんだろうねえ。

声が高くてとても綺麗なことを褒めると、
カラオケも友達とコロナ前はよく行っていたとのこと。
それがキッカケで、下山後、カラオケに行くことになりました。

その辺は4の方に書きますよー。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?