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モノの豊かさでは満たされない「何か」について ~2020年の振り返り~

「結果を出すことが全てではない。お金が全てではない。では人間は何を求めるのが本質的なのか?心の豊かさにつながるものは何なのか?」

以上のような、資本主義的な世界観とどう向き合うのか、という問いが2020年の大きなテーマだったように思う。

変化を強いられた2020年の記録として残しておこうと思い、じっくりと書き進めた。

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2020年を振り返ってみる。


1月は海外渡航するためのクラウドファンディングから始まって、1ヶ月東南アジアを渡航した。何もないところからひとりで考えて、60人以上の方に支援いただき実現させることができた。

今振り返るととても恥ずかしいタイトルをしているけど、とにかく必死だったのが現れている。


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そのあとコロナウィルスに生活全体が飲み込まれる。始まる予定だった研究室での生活も始まらず、孤独感との戦いだった。

大学では、部活動やサークルの勧誘活動できなくなっていることを知って「自分にできることはないか?」と問いを立てた。

そこでオンライン上で勧誘ができるWebアプリを作って、新入生のために掲載してほしいです、と50以上の団体に声をかけた。

結果的に1000人以上のユーザーに使ってもらうことができて、少しは大学の役に立つことができたのかなと。簡素では合ったけれどWebアプリが完成した瞬間の高揚感は忘れられない。


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大学院入試が迫る8月。もともと一つ一つの決断に悩みすぎてしまう方で、「進路をどうするか?」は答えが出ていなかった。

全体の8割は大学院に進むような学部なので、「本当に自分が選んだ選択なのか?周囲に流されてはいないか?」という問いと戦っていた。

ぼくは6歳から14年間卓球漬けの生活を送ってきて、強烈なプレッシャーに悩んできた。できていたことが突然できなくなるスポーツ精神障害「イップス」も8年間経験した。

そこに対して何かできることはないか?という想いがあった。悩んできたからこそ今悩んでいる人にできることがあると考えて、スポーツでメンタルに悩む選手をサポートする活動も始めた。

卓球×イップスの情報は本当に少ない。「周りに理解者がいない、わかってくれる人がいない」という悩みを少しでも解決できれば良いと思って、10人以上の方から連絡をもらって話を聞いた。

やってみてわかったのは、そんな簡単に悩みは拭えないということ。解決できるかもしれないと期待を持たせてしまって、余計に問題を深めてしまったのではないかと思ったときもある。

学びがありながらも反省もある時間だった。


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10代のころから、メンタルヘルスや孤独感というところに強い関心があった。なぜこんなにも孤独なのか、頑張りたくても頑張れないのか、そういう問いが常にあった。毎日、考えに考えてきた。

そういった関心を持ちながら、soarというWebメディアに出会った。記事を読み進めていく中で、これまで見ていたものとは違う「何か」を感じた。

「すごく似ている人たちだ、自分だけの悩みじゃなんだ」と気づけた瞬間だった。今思えば、自分だけが抱える悩みなんてないと思えるけれど、当時は今ある悩みは自分だけだと思っていた。心から思っていた。


大学院を休学することを決めて、soarのインターンに応募した。ここでもやはり「悩んできたからこそできることがある」という想いがあったからだ。

11月からインターンとしての活動が始まった。中の人になって改めてsoarの広がりや意義を感じる瞬間が多くあった。これからこれから 、ということばかりだけど、尊敬できるチームで2021年も歩めることがとても幸せだ。


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インターンが始まると同時に、はじめての東京生活が始まった。

"10代から20代にかけての苦労や努力は、これから何度も力になってくれると確信している。"

2ヶ月経った今、本当に来て良かったなと思えている。地元にいるときには出会えないような人と出会うことができて、視野が広がる瞬間がとても豊かで。寂しい瞬間もあるけれど、これは必要な寂しさだと思える。

変化を強いられた2020年だったけれど、それに飲まれないぐらい考えて、学んで、反省できた1年だった。


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冒頭の問いをもう一度示す。

「結果を出すことが全てではない。お金が全てではない。では人間は何を求めるのが本質的なのか?心の豊かさにつながるものは何なのか?」


この問いに対する、ぼくの考え方は以下の2つだ。

・主体的な行動で自己実現していくこと
・周囲と深い関係性を築いていくこと


主体的な行動で自己実現していくこと


主体的な行動は、以下に当てはまるものと定義している。

・自分の中から生まれた価値観に従うこと
・エネルギーを使うこと
・苦労すること
・めんどくさいこと


これまでの経験を振り返っても、2020年も経験を振り返っても、最も豊かだった時間は「主体的な行動」をしているときだった。これは14年間の卓球生活を離れたときに、心から気づいたことで。

苦労しながらも努力すること、何かにエネルギーを注ぐこと、没頭することほど豊かな時間はないと思っている。

それはとてもめんどうで、やりたくないと思う瞬間もたくさんある。それでも、それに向かうことは自分を成熟させることができる、とても価値があることだと思う。


表面上は同じ行動でも、自分の価値観に従って取り組んでいる場合と、外部からの動機で取り組んでいる場合では、全く楽しさが違う。「勉強をしなさい」と言われた瞬間に、楽しくなくなってしまうあれだ。

文化祭や部活動の思い出が強く残っているのは、苦労しながらも主体的に行動したからだ。自分がしたいと思ってエネルギーをぶつけたものは、必ず心に刻まれるようにできている。

結果ではなく、主体的に取り組んでいる時間そのものが、自分自身を豊かなものにしてくれると考えている。

取り組む物事の大小は関係がない。どんなに小さなことでも、興味を持ってみて、エネルギーを注ぐことは楽しいものだ。


2020年はいろんなことに手を出して、ぶれているように見えるけれど、僕のなかで一貫しているのは「主体的に行動できた」ということだ。

これだけは絶対的な確信をもって言うことができる。


周囲と深い関係性を築いていくこと


これも14年間の卓球生活で、心に刻まれていることだ。

チームメイトとぶつかり苦労しながらも、それが信頼に変わっていく。

楽しいものだけを共有する関係性ではなく、相手と話していると安心するような、信頼できる関係性に、心の豊かさがある。

深い関係性を築いていくことは簡単ではないけれど、心の奥の奥で繋がっているような、そんな感覚が好きで。


孤独感に悩んできた自分にとって、今年は関わる人と深くつながることができた1年だった。クラウドファンディングでも海外生活でも、上京してきてからも。

もちろんうまくいったことばかりではないけれど。


フロムの「愛するということ」に、好きな一文がある。

"愛は行動であり、人間的な力の実践であって、自由でなければ実践できず、その実践を強制することは絶対にできない。"


周囲と深い関係性を築くことはとても主体的な行動である。

想像力と知性を持って他者と関わることはエネルギーを使う。めんどくさいこともある、苦労もする。でもそのなかに、人生の豊かさがあるはずだと信じている。


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モノの豊かさでは満たされない「何か」とはずっと向き合ってきて、ようやく納得のいく答えを出せた気がする。

「主体的な行動」と「周囲との深い関係性」

2021年もこの二つの価値観を持ちながら、進んで行けたらいいなと思っている。

2020年いろんなところで関わった方々、本当にありがとうございました。来年も楽しむぞ。




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