ドラゴントレーニング恋愛編17
こうやって、デートの後日談を書くときは、やはりその恋愛が続いているときに書くべきなのだろう。
終わった恋愛のことを書くのは正直しんどい。
正直しんどいって、番組が昔あったよなああ。
そういえば。
まあ金田一もまたやるからいいか。
まあ。
重い筆を持ち上げて書くとしますかね。
昔の恋愛を振り返るのもまた、次の恋愛のために生きることでしょうから。
あることがきっかけで、
遠出のドライブをやる話から、急に近場の大きめの市内の公園での花見に変わった。
カフェにも行きたくないようだ。
それぞれパンとか食べ物を買って、公園に集合という。
なんとも、萎える話を持ち出してきた。
それでは、お持ち帰りできないではないか。
わたしは焦りながら、カフェのテイクアウトを一緒に買って、
公園で花見と昼食を済ませた後、市内の桜をあちこち見て回りながら、
ドライブしようという方向へ、軌道修正した。
そして、当日。
こんどこそ、お持ち帰りプランを考えて、ホテルに誘うまでの会話の流れ、
なるべく早い段階で、ボディタッチをおこない、エロい空気を作っておく。
公園の花見を終えて、苦肉の策だが、桜の見える場所に車を止めて、
告白を済ませ、キスもして、さっさとホテルに向かう。
誘い方も、相手の性格を考えて、変にぼかしていうより、
直接的に言うか・・・
それともその場の雰囲気がある程度盛り上がっているなら、
おたがい良い歳なので、スマートに「どっかで休憩しない?」
と切り出すか。
近くのラブホや、ビジネスホテルも調べまっくたし、事前に車を走らせて、実際にルートを走り、入り方、料金、支払い方法も頭に入っている。
そして、いざホテルに向かった時のグダの崩し方も、ネットで勉強した。
そうやってプランニングは十分すぎるほど行った。
本当はドライブの予定だったから、そのプランも完璧に仕上げていたし、
先々週の週末に実際そのルートを車で走った。
目的地に決めていた桜スポットが、あまり桜の本数が少なかったので、少し遠回りになるが、他の桜で有名な観光スポットも回る計画だった。
まあ、今回は白紙になってしまったがしょうがない。
彼女に会えるならば、究極のところ...
何処でもいいのである。
そして当日。
待ち合わせ場所の彼女の家に近いらしいスーパーの駐車場に着いた。
目の前にも桜の木が一本あった。
予報では雨だったが見事に晴れた。
しばらくして、彼女が走って向かってくる。
車の中で待っていた私に気づいて、急に止まる。
「あ、こっちの車だったんですね」
どうやら、彼女は隣のわたしの車によく似た車めがけて、走ってきたらしい。
まあ、時間は過ぎていたけど、そんなに慌てなくても...
と思う。相変わらずの天然っぷりである。
「どうも。げんきでしたか?」
「ええ、元気でしたよ。そちらは?」
「はい、なんとか。でも前の職場でクラスターがおきたらしくて...」
まあ実際はどんな会話をしたのかは、正確には忘れてしまったが、
その今のご時世らしい、クラスターのことや、ダンスの身近な人限定の
お披露目までの、悪戦苦闘の話をしてくれた。
しかし、彼女は、走ってきたからだろうか。
まったく落ち着いていない。
そして、めちゃめちゃ緊張している。
対人恐怖症だった自分が、逆にその様子を見て落ち着いてしまうほどの
焦りようである。
本当は、車の中でさっさと、軽いエロトークをして、
今日はお持ち返りしちゃうよーみたいな。
こちらが、人並みにエロいことを示したかったのだが、
まったくムードを作れそうになかったので、さっさと近くのカフェに行くことにした。
車で5分くらいか。
少し坂を上ったところに、いつの間にか出来ていたカフェに向かう。
しかし、めちゃめちゃ人が多い。
電話したときには、昼頃くれば余裕でテイクアウトのフルーツサンドとか、
買えますよー的な雰囲気をだしていたのに。
ほぼ、お目当てのサンドは売り切れ状態。
彼女に何を食べるか確認しないうちに、取り置きを頼むわけにもいかなかったし、まあしょうがないんだけど。
と、なんとなく料金を見たら、お高い感じだった。
「うーん。ここはやめときましょう」
彼女のほうからNGが出てしまった。
車に戻って、公園に行く途中のパン屋へ寄ることになった。
そして、そのパン屋も結構人が多かった。
まあ、市内で一番人気を誇る系列店だったし、覚悟はしてたのだけど、二人の予想をはるかに超えていた。
「多いねー。さすが○○(パン屋の名前)だねー」
でも、私も結構パン好きなので、パン屋さんトークが弾んだのは良しとしよう。
パン屋に入る前に、彼女の服をもう一度眺めて、一応褒めた。
しかし、こんかいのはちょっと手抜きかなあ...
と思わせるほどのしわしわのワンピース。
ワンピースそのものは、パンツルックよりも男性としては嬉しいんだけどもさ。
まあこの手抜きも、彼女の心情を思えば無理もないことだったんだけどね。
彼女は、前回私が、イヤリングを褒めたことを覚えていて、それがとても嬉しかったと言っていた。
やはり、お気に入りのものだったらしい。
この時、すこし彼女をいじるトークをしてみたのだが、彼女は混んだ店の中で、挙動不審気味にきょろきょろしだした。
あんまり彼女は弄らないほうがいいのかもな、とこれ以後普通の会話になる。
s気味に攻めて、感情をグラつかせるテクは、出来なくはないのだが。
あまり慣れてはいないし、やらないなら、やらないほうが楽である。
いじったり、攻めるのもまた、営業トークなんだろうなあ。
てきとーにパンを買って(この店のパンはどれもうまい)
100円のホットコーヒーも貰って、いざ、公園へ。
桜の開花シーズン。
普段の10倍くらいの人がいた。
駐車場も臨時の場所も埋まっていて、もはや公園の敷地内に車を誘導する始末。
まあ、長い公園を歩かずに、いきなり桜のある広場へショートカットできたのは良かったが。
行きに買っておいた100均のレジャーシートを後部座席から取り出して、
パンをもって、ボディーバックをもって、コーヒーをもって...
二人とも手荷物が多い。
彼女はコーヒーを地面において、荷物を整理した。
私はそれが終わるのを待って、彼女にコーヒーを持ってもらった。
敢えて頼みごとをしたほうが良い。というネットの知識である。
紐男のやり方だが、まあ使えなくはない。
そして、いざ。
二人で歩きだしてから、念願のお手々お繋ぎタイム!!
と思いきや、彼女の手を触ろうと、腕を伸ばすと、
私に手に当たった途端、彼女は手を引っ込めてしまった。
???
何が悪かったのだろう?
あまりにも唐突すぎたか。
まあ、人も多いし、荷物が多くて彼女も落ち着かないのだろう。
ここは、落ち込まず。次のチャンスを待つべきであろう。
どこに座ろうか、と。
しばらく歩きながら、桜を見ながら、場所は決めよう。
と、蔓延防止が出ているのにもかかわらず、
我々は座って行うお花見を敢行しようとしていた。
だから、恋愛もうまくいかなかったのかもなあ。
今回、泣く泣く、カフェも長距離ドライブも断念したわけだが、
むざむざ転んでただで起きる私ではない。
ならば、お花見にレジャーシートを引いてご飯を食べるという彼女の提案に乗りつつ、
接近のチャンスにしてしまおう。
と、少し小さめの一人用か、カップルサイズのレジャーシートを広げた。
彼女が別のものを持参していたら御破算だったが、それはなかった。
というか、自分から提案していて持ってこないというのも、どうかと思う。
忙しくて準備している暇なかったのかねえ。
オモシロイ人だ。
まあ、結果オーライだけども。
目の前に、見事に満開の桜の木が立ち並ぶ。
そして春の強めの風が、桜の花びらを散らしてくれて、非常にいい雰囲気。
こんなちゃんとした花見をするのは、本当に何年か振りだ。
二人で座って、それぞれの食べ物やらを広げる。
やはり具体的な話した内容は覚えていていない。
彼女のダンスのお披露目の話を聞いて、その後、動画を見せてもらった。
接近のチャンスと、顔を近づけると、
「好きに拡大してみていいから」と、スマホを渡されてしまう。
何故か、彼女は途中から、見切れてしまっていなくなった。
どんだけオチキャラなのか。
衣装が古いもので、皮膚が荒れて大変と、顔を見るけど。
マスクをしているので、よくわからない。
私はそんなことないよーと、ヨイショトークを自然としていた。
あんまり、イジリトークは控えて、素で話していた気がする。
勢いで彼女のネイルを褒めながら、手を握ったりは出来た。
この至近距離が、非常に良かった。
一緒に写メも撮った。
彼女がトイレに行ったので、話に夢中で食べる気がしなかったパンに齧り付く。
彼女は、パンを少ししか買っていなかったので、もう食べ終わっていたようだ。
動画を撮ったり、周りの桜に改めて視線を向けていると、彼女が戻って来る。
シートが小さすぎるのか、彼女は座りかねていた様で、まあ、いっぱい話もできたし、
そろそろ戻ろうか。
という話になった。
歩く途中、しきりに自分の皮膚が弱いこと、すぐ肌荒れしてしまうこと。
食べ物に入っている添加物や、化学物質に弱くて。たまにデドックスのために、
ファスティングなどもしているらしい。
肌荒れには、あんまり断食しないほうがいいとか、ネットで書いてあったけど、どうなんだろうね。
結構友達から聞いた話を鵜呑みにするタイプなのであんまり、情報の確かさを感じられない。
車の中に戻り、そろそろ告白できる様な雰囲気に持っていくために、スキスキトークを展開したが、
急に彼女が、話題の方向転換をしだした。
お互い婚活中であること。
彼女は、まだ婚活を始めてから、時間が取れなくて私しか会ったりしたことがない。
私も4回もあってくれる人は初めてだったが、彼女から聞かれて嘘は言えず、
婚活パーティーにもまだ行っていることを、正直に話した。
(言って仕舞えば前の日にも行っている)
しかし、お互い付き合っているわけではないので、それを咎め合うことはできないし、
婚活をしている中で、お互いのベストな相手と判断できた時に、交際を申し込めば良い。
そんな話になった。
私は、告白するつもりだったから、ベストは彼女だよ。
と、明言したのだけど、なんとなく流される。
つまり方向性的には、お断りの方へ。彼女は話を進め出した。
考え方や、価値観の違いもあった。
それについては長くなるので割愛するが。
どうやらそれが引っかかっているらしい。
結婚したら、家族なるわけだから、やはり考え方が合わないと
判断されたのなら、致命的なのだろう。
結局、その後は何を話しても、その話題になり、どうしようもなくなった。
まあ価値観の不一致はどうしようもない。
私は、じっくり考えて欲しい。という提案をしたけれど。
その後のドライブも、やはり話題が踏み込めなかった。
もう一箇所、桜の綺麗な公園に行ったけれど、
そのころは、私も疲れ果てていた。
女性と長時間会うことに慣れる耐性もつけなきゃなと。
散歩している時、自分の外見が変わったことを褒める様な話をしてくれたのだが、
お断りする後ろめたさの、代償の様にしか聞こえなかった。
前に、異性として自分と付き合う気があるのか、という内容のLINEを送ったのだが、
それについては、はっきり言ってくれて良かったと、好意的だった。
なら、これからもはっきり言っていくよ、と返すと。
アタフタして「今ぐらいでいい」と念を押された。
まあ、はっきり言われるのも、正直しんどいよね。
お後がよろしい様で。
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