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はじめに

薔薇の花環

薔薇は、その花言葉にもあるように愛や美の象徴であることはよく知られていますが、その他にも、秘密、不可能(青い薔薇)、女性の麗しさ、恋愛、儚さ、時の移ろい、狂気などとも連想される(1) とも考えられており、数多くの物事の象徴となっています。

美術史家の若桑みどり(1935-2007)は、ある絵画に描かれた薔薇の花の意味を探る中で、「一つのイメージが個人を超え、時代を超え、洋の東西を超えて、いわば普遍的な象徴となって人類に共有されているのを知った。」(2)と、薔薇の象徴性の普遍性を述べています。

このように薔薇の象徴性には多様性や普遍性があると考えられます。それは、人類の歴史や文化の多様性や普遍性を表すものであるとも言えるかと思います。

また、薔薇はその魅力や利用性の高さから、育種技術、香気成分に関する研究、薔薇と関わる際の心理学的効果に関する研究など、科学・技術面でもその対象とされています。

以上から、薔薇を通して人類の歴史、文化、科学、技術などを知ることができると考えられます。

「薔薇の花環」では、薔薇に関するこれらの情報の収集や発信、考察をしていきたいと思います。


バラを追求しようと思ったとき、それは園芸学や植物学に浸らなければならず、世界史にも通じなければならず、化学・生物学にも精通しなければならず、各国語も必要となり、絵画・音楽とも無縁ではいられず、まさに園芸文化いや文化の真髄であるといえるだろう。

野村和子. 文化としてのバラ. 恵泉女学園大学園芸文化研究所報告 : 園芸文化. 2005, vol. 2, p. 63–70.


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参考文献

(1) 濱本秀樹. 薔薇の象徴空間. 渾沌 : 近畿大学大学院総合文化研究科紀要(Chaos). 2020, no. 17, p. 83–102.

(2) 若桑みどり. 薔薇のイコノロジー. 東京, 青土社, 2003, 384p., ISBN4-7917-6036-0.

(3) 野村和子. 文化としてのバラ. 恵泉女学園大学園芸文化研究所報告 : 園芸文化. 2005, vol. 2, p. 63–70.

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