二者択一の性別記入欄が私をぶん殴ってきますが。
突然だけど、私は性別記入欄が嫌いだ。
履歴書とかバイトの契約書とか受験とか、大切なシーンで必ず必要になる、おまけみたいな男か女かにマルを付ける記入欄。
中学生とかの頃の私はよく、男女の間の「・」にマルを付けたりしていた。反骨心。
従いたくない、書きたくない。どうして答えなくちゃいけないの。
うまく言えなかったけど、なんか、その制度が嫌だった。
性自認が女でも男でもない人がいることを知った
私が「実は自分は男でも女でもないのかもしれない」と思い始めたのは、高校卒業するかしないかの時に津田沼の丸善で、こわごわとジェンダーの本を手に取ったとき。
私は高2の時点でもう自分が女性のことも恋愛対象にすると気付いて、なんとなく自分が俗に言うLGBTのBなんだってことだけふわりとわかっていた。でもそれ以上は知らなかったから。
自分のことなのに自分で知らないって、こわい。
もっと自分を理解しようと思って、最初は買ったんだ。
そこで、多様な性のあり方が出てきた。
ノンバイナリー、デミガール、アセクシャル、マーベリック、ジェンダーフルイド、ポリアモリー、モノガミー、パンセクシャル。
そこで、男か女じゃなくても、別に良いんだと初めて知った。
じゃあ、どちらでもないな。
自分は女じゃない、生き物だ。という思いが唐突に浮かんできた。
でも最初のうちは、「自分の勘違いで気のせいじゃないかな?」と思っていた。
私は性的被害を受けたことがあって、その被害直後の私は、風呂場で鏡と向き合う度に、髪がうっとうしく感じられて仕方なかった。
「女みたいだ」と見る度ぞっとする。だから、ハサミでざくざく切っていた。
急に変えるのは髪を肩以上にしたことがなかった私には怖かったから、ちょっとずつ縦にハサミを入れて。結局最終的には美容院で「ジェンダーレスな感じにしてください」と、初めてバリカンを入れてもらいに行った。
それに、自分は女性じゃないと思っても、スカートは好きだった。可愛いし、似合うし、男でも履くし、性別に結びつくと感じない。
口紅を付ける日もたまにあった。
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