「恋」されることと加害について

※性被害の話が出てきます。読むかどうか判断する際には、ご自身のお気持ちを大切にしてください。

恋愛っていまいちよくわかんない。
執着心も性欲もあるけど、恋愛って言われると正直、うーん。
そもそも好かれたことしかないし、「このクマノミ欲しい」と「この人と付き合いたい」の間に私の中で温度感の違いは無い気がする。（アロマンティックな気がする）
誰かとパートナー関係になるにあたって私が気にすること。他人の気持ちを尊重できる相手かどうか。自分が低身長で声も高く華奢めな見た目をしているので、「支配しやすそうだな」と思って舐めて近づいてくる輩もそこそこいる。そういう輩はいつか絶対対象の首を絞めに来るので半径一メートル以内に入れちゃいけない。
殺されなければ大丈夫。

人に想われるのって全然楽しくない。
下手したら殺されるから、殺されないように逃げる。もし職場の同僚に好かれたら離職を検討する。
恋愛って全然楽しくない。
なんで世間でそんな楽しそうに恋愛ソングが流れてるのかよくわからない。ずっと恋愛以外の曲をきいていたい。
恋って暴力的だと思うし、そんな良いものに感じない。さじ加減を間違えたらすぐ加害になる。「好きだから」って理由で相手が望まないことをして良いわけじゃない（それをデートDVや性暴力と言う）。というフェミニズムの論理を世間一般の共通認識にしたいのに、Instagramのリールで流れてくる今人気の歌（乃紫の『初恋キラー』）では曲の最初から「意地悪は少年のI love you」と歌われている。そんなわけないじゃん。

中学とか高校とかの時に、書店とかカフェとかで初対面の社会人風の人に好意を告げられたことがあった。あれは暴力だったんじゃないかな。
それぞれ制服を着ていたり、返却された定期テストを広げて勉強していたりしてたのに、つまりこっちの歳がわからないわけないのに。「電話番号教えてください」ってしつこく粘られた。「一目見てドキッとしました。歳は離れているだろうけど、付き合ってください」とメモアプリに打ち込まれた液晶画面を見せられた。
当時は女性蔑視的価値観を内面化していて「惚れられることは女としての価値の証明」だと思っていた。だから嬉しく思う、べきなのに、何故か怖かった。怖かったからその後その書店にもカフェにも行ってない。行かないうちにどっちも潰れた。
今ならわかる。彼らは私を見て「まだ子どもだから、好意を告げたらワンチャン靡いてくれないかな」と舐めていた。右も左もわからない子どもから性的搾取しようとして。
じゃなければ、人生経験をたくさん積んで人格の厚みで魅力的になった大人よりも、まだ何も知らない子どもを狙うはずがない。

そういう人は沢山いた。
それこそ、「いつか刺されて殺されるんだ」と私が未来を悲観する程度には。
痴漢もストーカーもナンパも付きまといもすごくすごく多かった。「可愛いから仕方ないよ」「隙が多いのがいけないんだ」と誰に相談してもそんな返事ばかり。誰も助けてくれなかった。

今、私は24。
子どもから性的搾取したい人達からしたら「とうが立ちすぎている」。ここ数年痴漢も嫌がらせもストーカーも受けてない。
でもそれは私が「地獄」から抜けただけで、その地獄は多分今もある。
今も、「子どもだから抵抗できないだろう」って狙われて、子ども達が暴力の餌食に。

たまに加害者の現在を想像する。
全員逮捕されて欲しい。
いつも京成幕張から京成津田沼の間で痴漢してきた人。電車のドアが開くと同時に全力疾走で逃げて、最後まで捕まえられなかった。
京成津田沼から京成大久保の間の満員電車でスカートの中に手を入れてきたおじさん。思いっきり蹴り上げて威嚇してから振り返ったらあまりにもありふれた普通の善良そうなおじさんでびっくりしちゃった。遅刻したくない＆目立ちたくないから連行できなかったけど、今ではそのことを後悔しています。駅員に突き出せば良かった。私が無理でも、周りの大人達が、異変に気付いて捕まえてくれればよかったのに。
いつも京成稲毛から乗ってきてずっと太ももを触ったり後をつけたりしてきたストーカーくん（同級生）は元気かな。噂では他校の生徒にも手を出して学校でも問題になったけれど成績がそこそこ良かったから無罪放免されたらしい。ほんとかな。
　一時期京成千葉駅の前の信号で風俗の広告入りティッシュを配ってた人たちがいたんだけど、制服を着ているのに半ば強引に押しつけてきたあの人は今なにしてるのかな。

全部列挙しようとしたけど飽きてきた。もっといっぱいいる、全員逮捕されて欲しい。絶対に反省してないしなんなら逮捕されていないことに安堵しているタイプの奴らだと思う。悔い改めて欲しい。
ただの子どもを子ども扱いせず搾取の対象にしたこと。
普段は忘れて生活してるけど、たまに何かのきっかけで思い出してしんどくなる。人格を尊重されなかったこと。モノ扱いされたこと。

それで私の価値は下がらないけれど、気持ちは普通に削れてる。はーしんど。