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何かを成し遂げなくても特別でなくても生きていられるよ(ネタバレ含む感想)

  アメリカンアニマルズ、すごく好きなタイプの映画だった。

  予告から想像してた内容とはかなり違ったけど面白かった。多分、この事件についてあまり知らないほうが驚きがあって楽しめるかも。

  内容自体はアメリカの中流階級にいる大学生たちが大学に保管されている12億円相当の書籍を盗もうとする話で、実際にあった事件を元にした映画だ。

  この監督さんが、バカをちゃんとバカとして撮ろうとしていることにすごく好感が持てた。登場する犯人みんなバカなんだよ。しかも小心者のバカ。みんな計画が上手くいかないし、失敗すると想像はできてるくせに計画を止めない。実際のその時に取れる自分の行動、その後に周りに起こること、誰を傷つけてしまうのか、そこまでは想像が出来ていない。
  あの大きい肉を盗んでいたときのキラキラを大きな事件を起こせばさらにキラキラに出来るんじゃないかと考えてるんだろうけど、大きな事件が及ぼす影響については想像できてないんだよ。
「何かを為して特別になりたい」というのは誰だって思う気持ちで、青春映画お決まりの台詞だけど、それがこの映画の中では「何もしなければ良かった」に変わってしまうところが、どこまでも悲しい。

  この映画は実話ものにしては珍しく実際のインタビューと映画の映像を交互に流しながら、時には混在させながら撮られていて、犯人たちが当時の自分と対話をしているようになっている。それが犯人たちのセラピーになっているように感じた。
  この映画によってみんな反省すべきところが見えてくると良いと思う。多分事件を起こした最初のときってそれが見えてなかったんだろうから。

  それと最後に、パンフがめちゃくちゃオシャレです!このパンフがなんと900円!?正気か!?札を出させてくれ!!

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