【イベントレポート】ChatGPTで未来をつくる!話題のノーコードツール企業2社の新たなチャレンジ
皆さん、こんにちは!
ぶっちゃけ系エージェントROSCA広報のSahoです。
今回のnoteでは、5月29日(金)に開催されました、ROSCA株式会社が運営するコミュニティ「ROSCAFE」主催のイベント「ChatGPTで未来をつくる!話題のノーコードツール企業2社の新たなチャレンジ」についてレポートさせていただきます。
また、今回のイベントを参加者の方がレポートしてくださっていますので、こちらもあわせてぜひご覧ください。
それでは、さっそく見ていきましょう!
このnoteでわかること
ROSCAFE とは?
今回の登壇企業
登壇者のご紹介
今回のモデレーター
LT1:瀬川 伸一 株式会社ペライチ 執行役員CTO
最初のLTは株式会社ペライチ 瀬川様に発表いただきました。
以下、LTの内容を抜粋しています。
ペライチのカスタマーサクセスについて
ペライチは「世界一のカスタマーサクセスを作りたい」という意気込みがあり、しっかりとユーザーと向き合っていきたいと考えています。そのため、例えばオンラインでの個別相談、オフラインでのワークショップやセミナーなど、ユーザー向けの施策の充実化を進めるとともに、ユーザーのビジネス成長を支援する様々な取り組みを進めています。
その取り組みの一環として、4月に調達した資金を採用コストに充てることで、開発組織を拡大し、機能開発がよりスピーディーに行える体制になってきました。一方、ペライチの機能が増えるにつれて、サービス全体の把握が難しくなります。このままでは、ユーザーの課題解決に多くの時間を要するなど、我々が実現したいカスタマーサクセスを妨げる恐れがあります。
AIを活用した取り組み
上記のような問題が起きていることもあり、今後は時間をかけるべき質問にしっかりと対応をしていきたく効率化のためAIを導入しました。社内ではSlackをメインに活用していまして、ペライチの機能について調べて回答してくれるbotというものを作りました。これを利用してナレッジの補助や業務の効率化を試みています。
botの仕組みについては、ペライチの社内のナレッジをクローリングしたデータベースをLlamaindexというデータのハブになるツールを利用して作っています。Slack内で検索をかけたときに「この質問の場合このナレッジ、ヘルプページを見れば良いのではないか」という提案、そしてナレッジの内容を要約してわかりやすくする機能を持たせることでユーザーの助けになるようにしています。
AIを利用して見えた課題
AIを利用してこのようなbotを作って見えてきた課題がいくつかあります。
これらの改善のため、AIへの問い方を変えてみたり、社員同士でSlackのリアクションや星の数を付けて正確度を記録したり、定期的にカスタマーサクセスと開発側で使用感をヒアリングしたりしています。AIが間違えることはつきものなので、人間がリカバリーできる情報を出すこと、とにかくトライ&エラーを重ねることが重要になってくるのかなと思います。
今後について
社内の情報を学習させるだけではなく、ペライチ以外のビジネスに役立つ情報も答えられるようにしたいと考えています。AIの出す回答が安定してくるとエンドユーザーの方にも確かな価値提供ができるのかなと思っています。
【株式会社ペライチの採用情報はこちら】
LT2:株式会社ヤプリ 北村康裕 株式会社ヤプリ開発ディレクター/ノーコード総研所長
続いてのLTは株式会社ヤプリ 北村様に発表いただきました。
以下、LTの内容を抜粋しています。
アプリ×ChatGPTを検討する上での前提知識
ChatGPTは「創作」人間は「手直し」の役割と考えています。以前は構想を練るといった部分でかなり時間を要していたかと思いますが、AIを取り入れることで制作プロセスの工数を大幅に削減することができるようになりました。
ChatGPTの用途として、何を生成してもらうのかというところをしっかりと抑えておく必要があります。
これらをSaaS製品などに落とし込んで、機能として昇華させていくというのがよくある流れかと思います。弊社ではOpenAIのAPIを用いたSlackのワークフローを作成しました。
Promptを書かない工夫
弊社ではアプリのプッシュ通知をAIに作成してもらう仕組みを導入しました。
弊社のお客様はマーケティングや営業担当の方が多く、そのようなIT専門担当ではない方にプロンプトを書かせるということは非常に難易度の高いことだと考えています。
NotionAIのように、プロンプトを書く必要がなく、指示用ボタンなどの工夫ができる方法がベターだと考え、今回の例として挙げさせていただきました。
ソフトウェア×ChatGPTで重要なこと
アプリ・ソフトウェア×ChatGPTを考えたときに重要となってくるのは
この2つだと考えました。これを踏まえた上でSlackのワークフローを作成してみましたので、実装した仕組みについてお話していきたいと思います。
アプリPUSHのタイトル、文言を作成する仕組みを構築
Slackにて文字列を入力するとzapierというサービス連携ツールに送られるようになっています。zapierからOpenAIのAPIを叩いてもらい、その結果がSlackに通知されます。5パターンほど生成結果が出るようになっているのですが、そこから人間の目で最適な文言を最終的に選んでいます。
今回の検証ですが、弊社で運用している「土井善晴の和食」という献立アプリのプッシュ文言をこの機能を利用して設定するということを実際に行いました。
Slackのワークフロー
プッシュ通知生成用フォームに情報を入力します。今回のアプリは献立のアプリですので料理名や、料理名を形容する言葉(サクサクとした、しっかり煮込んだ)や季節のワードを入力することもできるようにしています。サブミットするとOpenAIにリクエストが投げられ、回答が返ってくるようになっています。
この内容よりももう少し文章を増やしたい、絵文字が欲しいとなった場合はボタンを押すとさらに回答の種類が増える「おかわりプロンプト」的なものも用意しています。
結果
実際にこの機能をアプリの運用担当者に使ってみてもらったところ、文言やコピー作成が最大60分から20分に削減されるという結果になりました。
今後の予定
yappliとは別にyappli CRMという製品がありますので、こちらでCRMのメール文言を作成したり、パーソナライズされたプッシュの文言を作成したりなど、今後いろいろとできることがあるのかなと思っています。
最後にChatGPTをまだ試していないという方もぜひ、この機会にやってみてはいかがでしょうか。
【株式会社ヤプリの採用情報はこちら】
トークセッションタイム
LTの時間は以上となり、イベント後半はChatGPTに関するトークセッションを行いました。
以下、テーマごとにトークセッションの内容を抜粋しています。
セッションテーマ① : ChatGPTを導入する際の課題と解決策について教えてください。
ヤプリ北村さん:ChatGPTを導入する際によく言われるのが「セキュリティは大丈夫なの?」というところだと思います。やり方は2種類あると思っていて、
まず自分で使ってみて「こんなに効果があるものなんだよ」となると興味を持ってくれる人が多いですね。(笑)もちろん勝手にいろいろ進めると怒られてしまいますのでしっかり相談をしてからにしたほうが良い場合もあります。
ROSCA鈴木:ありがとうございます!セキュリテイ面で懸念されるリスクというのがまだ見えてきていないところがあり…ヤプリさんの中での想定をお聞かせいただけますでしょうか。
ヤプリ北村さん:ひとつは個人情報の入力についてでしょうか。社内の情報やお客様の連絡先などを入力してしまうと、その内容がモデルの学習に使われる可能性があります。
皆さんがお使いのChatGPTの画面には、「履歴を残さない場合は学習に使わない」という設定が可能です。APIを利用する際は学習には使われなかったかと思いますので、気になる場合は規約を確認してみたり、ChatGPTの裏に仕込んだAzureのAPIを使うなどの工夫をされると良いのではないでしょうか。
ROSCA鈴木:なかなかChatGPTのリスクやセキュリティ対策について詳しく聞くことがなかったので、こういったお話はとても貴重ですね。ありがとうございました。それでは、瀬川さん、いかがでしょうか。
ペライチ瀬川さん:はい。ペライチではお問い合わせの対応にChatGPTを利用していますので、お客様とのやりとりの内容を学習させて、更にモデルの学習に利用しています。その中で、個人情報や機密情報にまつわる部分は聞かないようにということを徹底しています。
また、誰かが個人で勝手に機密情報を入れてしまったということが起きてしまうと問題になってしまいますのでお客様の問い合わせ用とは別に、社内用のbotを作ったりしています。
ChatGPT側で機密情報の謝入力を防ぐという機能はないので、それぞれが入力内容に注意を払うというルールは敷きつつ、学習されないAPIを使うルートでやっていこうということにはなっています。あとは、オープンなチャンネルでやってね、というところでしょうか(笑)
ROSCA鈴木:確かにそうですね。システムの面だけではなくオペレーターへの教育や運用というところに目を向けることも大切ですね。ありがとうございました。
セッションテーマ② : ChatGPTが生成する応答の品質を向上させるためにはどのような工夫が必要ですか?
ROSCA鈴木:プロンプトの精度をどう高めていくか、またどのように学習をさせていくのかというところは皆さん非常に気になるポイントかと思いますのでぜひお聞きしていきたいと思います。では、瀬川さんからお願いいたします。
ペライチ瀬川さん:AIが学習した内容の質が悪いと、当たり前ですが質の悪い回答が返ってきてしまいます。元の情報の精度を高めること、そしてプロンプトの書き方については例えば「ここからが質問です」「あなたはカスタマーサポートのコンシェルジュです」など、色々な情報を付け加えることで答え方が変わってきます。
工夫についてはまだわからないことも多いですが、思いつく全てのものを試してみるということをやっています。
ROSCA鈴木:ちなみに、お話を聞いていて、オペレーターの方と連携してPDCAを回していくことが重要になってくると思ったのですがその部分の改善についてはどのように行っているんでしょうか?
ペライチ瀬川さん:「欲しかった回答が返ってこなかった場合はこのような聞き方をしてみたらどうだろう?」というようなやり取りをすることがありますね。週に1度ほどミーティングの場を設けて、改善や機能追加を行っています。
ROSCA鈴木:ありがとうございます。オフラインだったり、アナログなコミュニケーションも含めて、こういったやりとりは重要だなと感じました。北村さんにもお伺いできたらと思います。いかがでしょうか。
ヤプリ北村さん:プロンプトの書き方にもベストプラクティスが存在します。多くの方が研究し、論文にまとめたものや実践してみた内容がブログやSNSなどで広まってきています。例えば英語で入力をしてみたり「ステップバイステップ」と入力をする、などですね。
私のエンジニアの知人に、お父様がお医者様という方がいるのですが、その方も問診票をChatGPTに作ってもらったそうです。その際もウェブ上で見つけたベストプラクティスをプロンプトに加えることで、患者さんが使用できる適切なものが出力されたそうです。
まず検索して、とりあえず試してみる。というだけでも全く違うと思いますので、ぜひ取り入れてみてほしいと思います。
ROSCA鈴木:ありがとうございます。「ステップバイステップ」と入力するのは、初めて聞きました。
ヤプリ北村さん:段階的に考えていくと精度が上がっていく、というものですね。
ROSCA鈴木:ありがとうございます。プロンプトを書くことが難しい人でもどう運用していくかというところをLTを聞きながら考えたのですが、NotionAIについてのお話を改めてお伺いできますでしょうか。
ヤプリ北村さん:プロンプトを書かなくても、巷にある様々なツールを使えばリクエストを出すことができます。なぜNotionAIが優れているのかという点ですが、答えを得るための選択肢がたくさんあり、ボタンで簡単に選んでいくことができるところですね。
ROSCA鈴木:今回のイベントで初めてフォーカスが当たったツールでしたので、これをきっかけに私も調べて実践してみようと思います!ありがとうございました。
さいごに:参加者様からの質問
ROSCA鈴木:イベント前に取っていたアンケートにて、このような質問が来ていましたのでさいごにお二方にお話を伺いたいと思います。瀬川さん、北村さんいかがでしょうか。
ペライチ瀬川さん:今後、このようなことができないかと考えているものでお話をすると、ペライチではページのキャッチコピー、ディスクリプションをAIが考えてくれる。というものを検討しています。やはりここでもプロンプトの書き方が重要になってきますので、そこをクリアできれば良いサービス、製品として活用できるんじゃないかなと思っています。
ヤプリ北村さん:UXライティングについて改めて調べてみたのですが「ユーザーがサービス、商品を利用する際によりよい体験を得られるよう必要な情報をわかりやすく伝えるライティング手法」とありました。我々の事例ではないのですが、まさにこれではというものを見つけましたので共有させていただきたいと思います。
ECサイト開設の「BASE」、スキルマーケットの「ココナラ」さんをご存知でしょうか。どちらも商品を販売する機能があり、その中に商品詳細のページがあります。我々もそうですが、アプリの文言を考えてくださいというのはなかなか簡単ではなかったりします。特にこのサービスを利用されている個人事業主の方、副業で取り組まれている方はそのようなライティングスキルがない方もいます。
ここをアシストするための機能が備わっているのがこの2社だと思いました。BASEさんに関しては商品詳細ページ以外にも、SNSでの発信やメールにも対応している機能があるということで、実際に言葉通りのUXライティングを体現していると感じます。
おわりに
今回はノーコードを通じて社会に価値提供をされている2社様に登壇いただきました。どちらの企業様も共通していたことは、ユーザーのためにどのような工夫をすれば必要な情報が得られるか、様々な実践をされていること。
私達の生活に欠かせないツールとなりつつあるAIが、今後どのように展開されていくのか非常に楽しみになる会でした。
いかがでしたでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
また次回の記事でお会いしましょう!
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