見出し画像

【イベントレポート】ROSCAFE TECH NIGHT #1 〜今、CTO / VPoEに求められる事とは?〜

皆さん、こんにちは!
ぶっちゃけ系エージェントROSCA広報のSahoです。

本日は、先日開催されました、ROSCAFE初のオフラインイベント「ROSCAFE TECH NIGHT #1 〜今、CTO / VPoEに求められる事とは?〜」のイベントレポートをお届けします!

ROSCAFE とは?

ROSCAFE とは?
エンジニア専門エージェント「ROSCA」が送る、テック業界を中心にさまざまな方面で活躍されているプレイヤーの方々とエンジニアのこれからの未来について考えるコミュニティとなります。

今回の登壇企業

・株式会社マイベスト
・株式会社ココナラ
・株式会社ゆめみ
・jinjer株式会社
・株式会社エニトグループ

今回の会場は株式会社マイベストさん!
とってもおしゃれな会場で第一回目を開催できたことを嬉しく思います。
当日は40名近い方にお越しいただきました!

トップバッターは株式会社ゆめみ、よーたんさんです!
以下、LTの内容を要約しています。
それでは、さっそく見ていきましょう!


LT1:渡部陽太(よーたん)株式会社ゆめみ 技術担当取締役




先日ゆめみでCTOをしています渡部と申します。
まず最初にゆめみのご紹介をさせてください。ゆめみのミッションは「アウトソーシングの時代を終わらせる」というものです。
最近、DXという言葉もよく耳にするようになりましたが、自社サービスを展開されている企業様のコアなビジネスの部分を内製化していく、その部分が私達のビジネスモデルとなっています。

ご支援の幅については開発、保守運用にとどまらず、改善やグロース、全領域をカバーできるようになっています。この部分はそれぞれの企業様に合わせてご提供しています。

今CTOに求められている事とは


今回ROSCAFEに登壇させていただくにあたって、改めてこのテーマについて考えてみました。セキュリティ、生成AI、コンプライアンス、そしてエンジニアの採用についても、皆さん本当に苦労されている部分が多いかと思います。

では、そんな多忙な逆にCTOが渇望していることは一体なんなのでしょうか?

CTOには癒しが必要と考えました。
ということで私から皆さんに癒しを提供します。


(会場は可愛らしいわんちゃんの画像が表示され、不思議な空気に…)

こちらは僕のおうちのちくわ君(チワワとポメラニアンのミックス)です。かわいいですよね〜。そしてこちらはもなか君(チワワとトイプードルのミックス)

僕の奥さんが、ハムスターに癒やされたいという人だったのですが、なぜか気がついたら子犬をお迎えしていました。
ということでCTOに求められるのは癒し。そしてかわいいは正義!なのですが。。変な空気になってしまいましたね。。
そろそろ本題に入っていきたいと思います。

背景




弊社の代表ですが、何でも日本一を目指したいと言うような人で、Qiitaの日本一だったり、日本一採用にコミットしている会社を目指したりだったりというような感じです。

そんな代表から「次はConnpass日本一だ!」という声があがり、私のミッションとして降ってきたんです。日本一を目指すことにはさまざまな意味があるのですが、そのひとつに採用に関するものがあります。

新卒採用というものは、学生さんのタイミングに合わせて動くものになるのですが、中途の採用に関しては、いつどのタイミングで始まるかというのはなかなかわからなかったりします。Connpassで定期的にイベントを打つことによってエンジニアさんと多く接点を持つことができます。
そんな中、私のConnpass日本一を目指す旅が始まりました。

今日お話しすることは、connpass日本一を目指す組織立ち上げ体験談です。 この組織を運営していく中で起きる組織とリーダーシップの変化。 そして、あることをきっかけにメンバーに迷いが生じます。 この迷いに対して、私が決めず、未来も語らず、対処したところ、うまく行きました。 これが私にとって非常に興味深い体験でしたので、今日はこのお話を皆さんにシェアしたいと思います。


立ち上げ期


Connpass日本一を目指す立ち上げ期として取り組んだことは、一緒に取り組んでくれる仲間集めと集客できる企画づくりです。しかし、最初のころはSlackで声をかけてみてもなかなか一緒に企画をやりたいという人が集まらず、企画に関しても過去の成功体験から考えては見たもののの、狙いすぎた感があったのか、いろいろと反省する点が多かったです。

その後は、方針を大きく見直しました。
仲間集めに関しては、社外コミュニティで活動しているメンバーに直接声を掛けました。彼らは外で活動しているくらいですから、こういった勉強会そのものが好きなんですよね。

また、集客に主軸を置いていたところから、参加するメンバーの関心のある学びの場になる勉強会へとシフトしました。
僕自身は、全体の仕組みづくりに集中することになりました。

成長期



初期のメンバーが始めてくれた勉強会が定期的に開催され、開催数がどんどん伸びていきました。僕が取り組んでいた仕組み化も功を奏し、だんだんと人も集まるようになってきました。ここから他社さんとのコラボレーションも始まり、新しい人達が加わることによって好循環が生まれてきたなという実感がありました。

しかし、全体像が把握できなくなってくるということも発生し、またここで方針の変更を行いました。

勉強会ごとに主体的に推進するオーガナイザーを任命しました。あえてこのような名前をつけることでメンバーがそれぞれリーダーシップを発揮しやすくなりました。
成長期のまとめとしては「好循環サイクル・独立分散」というものがキーワードになっていたかなと思います。

そんな中、とある事件が起きました…。

今年の5月にとらのあなラボさんと共同開催した「勉強会の勉強法」というイベントなのですが、この参加者が800名近くとなり、YUMEMI.growにとどまらずこの大バズリに社内がざわつきました。

振り返りを実施して出てきた声は


・1000人規模のイベントをやりたい
・毎日勉強会やりたい

というものだったのですが、一部のエンジニアからは「1000人規模のイベントをやりたいのに毎日勉強会やりたいのは矛盾してるよね」という指摘もありました。

ここで、YUMEMI.growのミッション、ビジョン、バリューが必要になってくるなと気づき、そして今までの自分の解像度の低さに向き合うこととなりました。

具体的にやったこととしては、メンバーの価値観や、YUMEMI.growの価値の棚卸しです。また、自分たちのやりたくないこと、失敗はどういう状況なんだろう?という、ネガティブスペースという手法で自分たちの大切なものをあぶり出すということを実施しました。

ここで出てきたYUMEMI.growのバリューがこれです。
「自らも学ぶことを楽しみながら、エンジニアの学びの場を提供する」
たとえ集客がうまく行かなかったとしても、今日は学びの多いイベントだったねと振り返られるようにしようと、価値観を定義しました。

「私たちはこれを大事にしよう」という価値観を定義し、多くは決めず、語らずというようにやってきたのですが、意外とこれが良かったんですよね。

だがしかし、日本一までの道のりは非常に長かったです。。
というわけで、日本一を達成するためにも、ぜひ、ゆめみのConnpassに登録してもらえたら嬉しいです!

LT2:村上正敏 株式会社ココナラ 執行役員 VP of Engineering






ココナラの村上です。本日はよろしくお願いいたします。
ココナラにジョインして、縁あって執行役員を任されることになりました。現在は75名のエンジニア組織を管轄しています。

ココナラは複数のサービスを運営しています。主なサービスはスキルマーケット、テックエージェント、法律相談になりますが、全てに共通しているのは「スキル・知識・経験に焦点をあてたマッチングサービス」というところです。

スキルマーケットに関しては、スキル版のアマゾン、メルカリをイメージしていただくと分かりやすいかなと思います。モノの世界はたくさんのものがありますが、スキルの世界はこれからかなと思っていて、その部分を先駆けてやっていこうと思っています。

例えば、イラストを書いてほしい、占いをしてほしいなど、そういったものはモノと違い、形のあるものではありませんがそれを求めている人もいれば提供したい人もいます。それらを実現するプラットフォームになっています。商品カテゴリはプライベートからビジネス領域まで多岐に渡り、今後はあらゆるスキルを扱い、1000カテゴリを目指していきたいと思っています。


VPoE(開発担当役員)の役割


ここから本題に入りたいと思います。まずは現在の私の役割についてお話をしていければと考えています。


よくあるのが、技術にこだわりすぎて会社が成長しない、というものだと思うのですが、それは私の中での美学に反すると思っていて、やっぱり成長させてなんぼだろうと考えています。その時に大きく分けられるのが「攻め」そして「守り」です。

「攻め」についてお話します。企業が成長してくると、企画をする人とエンジニアリングをする人は別々になってくることが多いです。エンジニアリングも技術の力を通じて売上に貢献させていきたいと思っています。一方で「守り」としては現在75名エンジニアがいるわけですが、当然ながら多くの技術課題が出てくるわけです。ここを解決しながら、バランスをとってやっていきたいと考えています。

役割について(具体例)



役員レベルになってくると必要になってくることで、非常に重要視しているのがリスクレビューです。最近ですと、個人情報の取扱についてすぐにニュースになったり、弊社の場合はDDosの攻撃を受け、ダウンしてしまうとサービスの信頼に関わります。

このようにさまざまな経営リスクというものはつきものなので、作ったあとに取り返しがつかない、ということではなく、作る前にしっかりとレビューしていくということが大切だと考えています。

技術マネジメント


ココナラでは現在、10年ぐらいサービスの運営をしていますが、当然ながらそれに合わせてレガシーも増えてくることになります。その際にレガシーを取っ払って全てを新しいものに、ということは現実的ではありません。今は3年計画ぐらいで戦略を立てていたりします。


組織マネジメント


エンジニアの評価制度を新しくし、他社の事例を参考にしながら取り入れました。採用面では、75名それぞれの得意不得意、そして目指したいところは異なってきますので「こうあってほしい」というものを会社が押し付けるのではなく、ひとりひとりとの1on1をマネージャーと連携しながら大切にするように意識しています。


ここで、いじられ役…と書いたりしていますが、新しい人達は経営層を怖がったりする人も多いわけです。飲み会などでフランクに話しかけることはもちろん、Slackbotのアイコンを私にしてもらったりなど、絡みやすい関係値を作る、ということも意外と大事なのではないかなと思っています。


経営目線の技術選定


新しい技術を取り入れる時の技術選定として、自分はどのような観点で見ているのかという点をお話していきたいと思います。
自分自身の失敗の経験からお伝えできるのは「ノリで決めない」ということです。エンジニアが新しいからこれを取り入れたい、やりたいと言い出したものを採用しつづけた結果負債が溜まってしまうということが現状としてあります。

ある程度の勢いは大切ではありますた、中長期目線で考え、技術選択を行っていくということは非常に大切だと考えています。ガイドラインを決め、レビューをし、複数のメンバーで判断をするということを行っています。

新しい技術を取り入れたいということは、現状何かしらの課題があるということになりますが、実際にそれを解決することができるものなのかどうかという背景を確認することが大切です。技術としては問題がなくても、実際に運用する人がいるのか、できるのかというところも見落としがちなポイントかと思います。

こう聞くと、新しい技術を全然取り入れられないんじゃないの?という声もあがりそうですが実は色々と導入してきた経緯があります。これらはメンバーがボトムアップで追加したいと言ってきたものを私がレビューしたものになります。


採用戦略とポリシー


採用に関しては、今までも反省点が多く、急成長する時というものは人が不足しがちです。そのため、工数要員を採用するという傾向になってしまいます。そうすると、最初はいいのですが段々と時間がたつにつれてやっている人たちは受け身になってきてしまいます。

多くの人が新しく入ってくる中、ジュニア層の方たちだけでは成り立たないので、どんどん引っ張ってくれるような人が必要になってきます。しかし、そのようなベテラン層というのは、なかなか採用が難しかったりします。

仮に採用が出来たとしてもお互いに納得のいかない状態では不幸になってしまうだけなので、面接をしっかりと強化していくことも大切にしています。実際の具体例としては全エンジニアの持ち回りでテックブログを始めました。

また、今日のような社外イベントへの登壇や勉強会の開催、社内の交流会の強化を行っています。まずは仲良くなるということ、仕事から離れた交流ということも大切に考えています。


もともと、弊社にはエンジニア専門の評価制度というものがなく全ての業種に共通した評価制度のみとなっていました。ところが、エンジニアから「技術力が評価されていない」と多くのクレームを受けることになり、整備を進めることとなりました。

まずは、エンジニアのグレード整理を行いました。役割を詳細化し、FACT(成果物)をベースにすることで評価の際に「この部分はしっかりやれているけれど、ここはもう少しだね」ということがしっかり見える化されるようになったので、非常に進めやすくなりました。報酬レンジの公開も行い、このポジションの場合はこれくらいになる、と目で見えるようにし、納得感のある内容を考えながら作ってきました。


強みと弱み


今回の登壇にあたって、私自身の強みと弱みはどんなところにあるかを改めて考えてみました。会社のフェーズによって自分の役割が変化してきたなという実感があります。どういうことかと言いますと、エンジニアがまだ20名前後の時にジョインしたのですが、そのときは現場のリードで私自身がプレイヤーとして進めていましたが、人数が多くなるにつれて複数のプロジェクトをまとめたり火消しに回ったりということが多くなりました。

現時点での強みは、弊社には多種多様なさまざまな方がいますから、その方たちと接する時の対話力、コミュニケーション力というものが自分の強みではないのかなと考えています。

逆に、弱みの部分でいくと、ココナラのエンジニアリングというものはまだまだ発信力が強いとは言えないので、しっかりと多くの方に知ってもらう機会を増やしていきたいと考えています。


今後の課題


20人から今、70人と組織が増え、ここから更に100人規模となったときにまた新たな役割のあり方というものを考える必要があるのかなと考えています。大変になってくるなと思いつつ、今非常にワクワクしています。


LT3:坂水健一郎 株式会社エニトグループ 執行役員グループCTO





エニトグループの坂水と申します。本日はよろしくお願いいたします。

まず弊社の紹介をさせていただきます。エニトグループはマッチングアプリ「With」と「Omiai」を運営するマッチングテックカンパニーです。「With」はシリアス系国内シェアNo.2の価値観を重視した恋人探し、「Omiai」はシリアス系国内シェアNo.3となっています。

エニとグループの規模ですが「With」と「Omiai」あわせて1,800万人規模の会員数となっています。累計のマッチング数は2億となりました。

私達は「自分らしくいられる人と生きる幸せを世界中へ」ということをビジョンとして掲げています。これを達成するために必要なミッションとして「恋愛における価値観を追求し、最適な縁を提供する」ということをもとに活動しています。

この表にはいわゆる「出会い系」も記載されていますが「出会い系」との大きな違いは24時間の監視システムの導入や、第三者による安全性認証も行われている点です。それによりテレビ広告の配信も可能となりました。


組織編成


開発チームのご紹介をさせていただきます。プランナー、デザイナー、アプリエンジニア、バックエンドエンジニア、QAがそれぞれの役割を担っています。

サービス開発チーム、開発基盤の2つに分かれており、サービス開発チームは「Omiai」のアプリ全般の開発業務、新規機能の開発や改善を行っています。開発基盤チームは「Omiai」の技術全般の統括を行っておりアーキテクチャ設計や開発プロセスの改善の役割を担っています。


CTOという立場のあり方


今までもいくつかの企業でCTOという経験をしてきました。そこから見えてきたことを元に考えた役割というものについて考えてみました。

①技術とビジネスの橋渡し
②複雑な状況での舵取り
③会社のステージに応じた役割

CTOは組織の状況に応じて適切な役割を担い、柔軟性と適応力が求められると考えています。グローバル企業のCTOの時は国際的な展望が求められましたし、スタートアップのCTOをしていた時は早い成長とリソースの最適化に焦点を当てることが重要になっていました。


経営目線での技術選択


技術選択がビジネスに与える影響というものは計り知れないと考えています。

そのため、ROIとリスク管理のバランスが非常に重要になってきます。新しい技術について深く知り、リスクを最小限に、そして価値を最大限にすることが求められます。弊社のように複数の異なる要素を持つ環境で技術選択を行う場合、統合性と共通の価値を見つける必要があります。


採用戦略とポリシー


エンジニアと長期的な関係を築くためには、CTO自ら関与することが必要と考えています。以下、4つのポイントをあげてみました。

①カルチャーへの整合性
 …技術スキルだけではなく、組織のValueに共感し、チームに貢献できるこ 
 とが成功の鍵

②多様性の尊重
 …異なるバックグラウンドを持つエンジニアはイノベーションの鍵。

③技術の魅力提供
 …エンジニアが興味を持つ最新の技術トレンドを採用し、魅力的な機会を 
 提供する

④カジュアル面談への積極的な参加
 …CTO自らカジュアル面談に参加することで候補者との距離を縮め、候補 
 者自身からの関心も引き出す


エンジニアの評価制度


複数の要員に基づく評価制度を設け、成果物のみならずコミュニケーション能力やリーダーシップなども評価する仕組みをとっています。
Value評価というものを設け、会社のカルチャーやValueへの適合性、組織の成功に関与しているかというポイントも重視しています。

また、フィードバック文化を取り入れることでエンジニアの成長を促進するようにしています。このような施策が、エンジニアのスキルアップ向上に大きく関わってくると考えています。



強みと弱み


自分自身の強みと弱みについて考えた時、技術トレンドに関する興味と理解、そして早い段階でエンジニアからプログラムマネージャーに転身し、常に新しいアイデアや技術の追求を行ってきました。開発に関する統括的な知識が備わり、プランニングやQAなど各段階で理解し挑戦する力もつき、マネジメントも経験することでプロジェクトの効率化という面でも力をつけることができたと思っています。

一方、その過程で実際のコーディングや技術スタックを維持することが難しくなってしまった点が自分の弱みであり、これからの課題にもなっていると感じています。


LT4:高村 亙 jinjer株式会社 CTO プロダクト開発本部 本部長




jinjierの高村です。よろしくお願いいたします。
初めにjinjerについてご紹介させていただきます。jiinjerは人事関連業務の効率化を支援するクラウドサービスです。統合型のデータベースで人事、勤怠、給与、経費など、人事関連のデータを一つのマスタデータに統合しています。

自社内開発体制によるバージョンアップで法改正やニーズによりアップデートを行っています。データが一つにまとまっていることで、ダッシュボードから全て管理ができるようになっています。また、リアルタイムで最新の従業員情報が溜まるようになっています。サービス開始から現在約8年経過し、18,000社にご利用いただいております。


開発体制


企画・開発2つの組織から構成されています。
開発組織のマネジメント組織はCTOとVPoEがおり、開発の現場に関してはテックリードとプロジェクトマネージャーが担当しています。
下記はjinjerの開発チーム指針です。

プロダクトに自信を持とう
責任と裁量を持とう
主体的に動こう
周囲を積極的に頼ろう
失敗を恐れずに飛び込もう

組織づくりに関しては、ティール組織を意識しています。
トップダウンで業務を進めるのではなく、各メンバーがフラットな関係で、自発的になることを目指しています。


CTOの役割


現在は自分がVPoEとCTOを兼任する形になっていますが、今後は今のマネージャーや新しく入ってきたメンバーにVPoEを任せることができたら良いなと考えています。

私自身の考えるCTOの役割は以下です。

「技術」×「人・組織」×「事業・ビジネス」

これらをまとめて成功に導いていく必要が考えています。


自分がCTOとして意識していることは、新しい技術の導入に対して自分自身もハンズオンしてプロトタイピングに加入しています。エンジニア目線で会話しながらイノベーションを起こせる意識づくりを重視しています。

また、コミュニケーションは組織づくりにおいて欠かせないと考えており、ストレスなく働いてもらうために1on1を充実させたり、ランチ会を設けたりなどしています。

jinjerは常にプロダクトとして進化をしているので、緊張感を持ち続けているメンバーがほとんどです。ここに対して、私自身の失敗体験をユーモアを持って伝えることで失敗を恐れずに取り組んでもらえるように心掛けています。


自身の弱み


私が意識する自身の弱みは「堅実性に欠ける」ということでしょうか。メンバーからも「チャレンジングすぎる」と言われることもしばしばです。最終的にはメンバーとの対話を通じてバランスの取れた意思決定ができるように心掛けていきたいと思っています。


工夫している点


心掛けている点として、無駄な定例MTGを設けない、という点です。OODA(ウーダ)の思想に基づいて、状況にあわせ必要な時にMTGを開催するようにしています。

また、月1回の全体MTG「All Hands」を開催しており、このプロダクトをよりよいものにしていくためのブレストを実施し、組織の活性化を図っています。


技術選択

jinjerの技術選択で最も重要視しているのが「セキュリティ・スケーラビリティ、拡張性、エンジニアリソースの確保」この3点です。

jinjerは「人事」という個人情報にまつわるものを扱うという点でセキュリテ時は最重要視しています。適切な個人情報の扱いができるという点にあわせてセキュリティホールが発見されてからの対応についても視野に入れて選定をしています。

スケーラビリティと拡張性については、常にアップデートされていくサービスのため、それらに対応し拡張性に優れているかという点も重視しています。

また、jinderの技術スタックに関しては一般的なものを採用しているのですが、その理由としては現在エンジニア不足に陥っている状況の中で、特別な技術を採用するのではなくリソース調整のしやすさや学習コスト、バランスを考慮して選定しています。

採用について


リファラル促進を行い、人事部に任せっきりにしない採用というものを大切にしています。入社してからのミスマッチをなくすために、求職者の方に関しては「成長性」といった面で合っているかを重視しています。

評価についてですが、その人が「何ができるか」ということではなく「何が成長したか」という点を重視するようにしています。
両方にとって、Win-Winな関係となれる組織であれるよう、意識していきたいと考えています。


LT5: 渡邊 直登 株式会社マイベスト 取締役CTO プロダクト開発部長





mybestの渡邉と申します。本日は会社のフェーズに合わせたCTOの役割について考えてみましたので発表をしていきたいと思います。


まずは弊社の紹介です。弊社は「最高の選択体験を実現する」というミッションをもとに、mybestというサービスを開発・運営しております。
見たことのある方もいらっしゃるかと思いますが、自社で商品を購入し、検証した上で商品の比較検討ができるサービスとなっています。

特徴としては、毎月1,000万円以上購入費だけで掛けているほど、ありとあらゆるものを自社で検証しています。
一つのコンテンツを作るにあたって、数ヶ月の月日を掛けて検証と情報収集を行っています。


会社のフェーズについて


今、mybestがどのようなフェーズにあるかについてお話をしたいと思います。検証を行うためのデータの収集については、長い時間をかけて行ってきました。徐々にそのデータをどう活用していくかという部分に差し掛かっていて、今まではどこにもない情報にたどり着く、という部分を独自の価値としていましたが、これからはそれを扱って最適な情報を提供できるようにしようというのが現在の状況になっています。


ほとんどのユーザーが検索からの流入でしたが、現在はアプリの開発も行っています。今後はよりパーソナライズされた情報の提供や、生成AIを使った模索をしています。


CTOの役割(創業期)


今回はCTOに求められることとはというテーマということで、それぞれのフェーズでやってきた役割についてお話をしたいと思います。
創業期はまだ数名しかいないような状態でしたが、当時はCTOではなく開発リーダーというポジションについていました。

初期のスタートアップと異なる点としては、すでにサービスが存在していて、自社に社員はおらず、副業の方を頼りに作られていたサービスであったというところです。実際は最初から負債と向き合うことになり、アクセスに耐えきれずサーバーが落ちたり、ステージング環境というものも用意がされていなかったのでリリース後に問題に気づくというような事が多かったです。


当時はこれらの負債と向き合うことにリソースを使っていたので、実際のサービスをグロースさせるような部分にはほとんどできなかったと思っています。


現在は「Spark Joy Day」というものを設けており、その日はコワーキングスペースに行き一日負債と向き合う日としています。


採用・広報


どのフェーズにも共通していますが、採用に関してはリファラルに力を入れていました。とはいっても、全てを賄えるというわけではないのでその場合はエージェントを活用することもありました。エンジニアがわずかしかいない企業に入社を決めるということは非常に不安になることだと思いますので、創業期の時はその不安を少しでも解消できるように動いていました。


組織について


当時は全てSlackで完結してしまうような状態だったので、まずは可視化をしていこうということで取り組みを始めました。


CTOの役割(成長期)


少しずつプレイヤーからプレイングマネージャーの役割を求められるようになり、それに伴い、技術戦略の言語化や組織づくりに携わるようになってきました。

創業期であった負債にあっては徐々に解消され、サービスとして成長を遂げるとうな開発や方向性の整理、技術面の選定が必要になってきたように感じました。この時も、サービスをグロースさせることは積極的にやっていなかったように感じます。

技術選択においても、将来的な目線で考えて行うようになり、to Cサービスとして魅力的なものにしたいという思いがありましたので、今後の採用面も考慮しRailsやAWSなど、凡庸性の高いものを採用し、導入していました。


採用・広報


自社の魅力が伝わる求人となっているかという点を意識し、利用できる求人媒体は全て網羅できたのではというほど、利用していました。会社紹介スライドも当時の社内には全く事例がなかったので、参考になる企業様を取り入れていくというところから始めました。

さまざまな媒体を利用していくと、採用の勝ちパターンというのが見えてくるようになりました。弊社の場合は副業から正社員というダイレクトリクルーティングがマッチしており、費用面でも納得のいく結果となりました。


組織体制


エンジニアに限らず、開発に関わるメンバーを自分一人で管理するのが難しくなってきました。役割を分割するようになってきたものの、この段階ではメンバーに求められるものが非常に抽象的でした。自律的に動けるチーム設計と役割分担を意識していました。
当時はある程度トップダウンでの意思決定が進んでいたこともありましたので、それを解消するために中長期での課題設定を行いました。

また、業務委託の方の関わり方を整理して、現場と候補者の方の期待値を揃え、アジリティが下がらないようなケアも同時にやっていました。
同じくらいの時期に、エンジニアのスキル評価というものを始め、エンジニアは専門性を活用して課題を解決する人という定義をもとに、その人がどのような課題をどのように解決したかというものに変更する試みを行いました。

このシートは全社に公開をし、誰がどの課題をどのように解決したのかを他の人も参照できるようにすることで「✗✗さんのようになりたい」というニーズに対してフィードバックすることができるようになったのもこの時期かなと思っています。


現時点ではアプリ開発のプレイヤーの役割はほぼなくなり、マネージャーとしての専門課題を解決するための立ち上げがメインになり、チームとしての健全性が求められるようになりました。それによって施策としてもそのようなものが増えてきたように感じます。成長期に自律性の高いチームのコンセプトを踏襲しつつ、横軸でレバレッジがいくようなアクションを中心に色々とやるようになりました。


採用・広報


ここからの採用、広報に関しては、ブース出展や広報など、色々な取り組みを通してやり始めており、認知を取っていくということをやり始めています。


CTOの役割について


これまでの行ってきたことについてお話をしてきましたが、同じ会社で同じCTOという役割でも創業期から拡大期に向けて求められることは大きく異なるように感じました。

その中でも共通点があったものもあり、実際に挙げさせていただくと現状の理解とひとつ先のアクションという点はいつも求められていたと思っています。自律性を求める施策というものは導入するのが難しいという感覚があったので、ここに関してはうまくやれていたのではないかなと思っています。

ひとつひとつのアクションが全てこうありたい、という方向ではないと思っていて、振り返るのではなく向き直すということはいろんなフェーズをまたいだ上で経験として必要なことだったなと思っています。

人はやっぱり人に依存する仕組みですし、それでは長続きしないという点も今までで感じたことのひとつです。課題に合わせて人ではなく、組織を変えることを多くやっていければと考えています。


すべての企業様のLTが終了し、交流会へ移りました。
当日は遅い時間にも関わらず、多くの方にご参加いただきました。



参加してくださった方に感想をお伺いしたところ、多かった意見は「一度にたくさんの企業のCTO / VPoEの話を聞くことができてとても貴重な体験になった!」というものでした。

今回の登壇企業様は業界の異なる5社様ということもあり、それぞれの組織づくりや技術選択などを知ることができ、Xのイベントハッシュタグも非常に盛り上がりました。

今回のCTO / VPoEイベントは、定期的に開催予定ですので、今回残念ながら参加ができなかった方も、ぜひ次回は足を運んでいただけたらたいへんうれしいです!


いかがでしたでしょうか?



ROSCAでは、エンジニアに最適なキャリアを選択してほしいという思いから知識を持ったキャリアアドバイザーが毎日厳選したクライアントのみに絞ってお仕事のご支援をさせていただいております。
少しでも関心をお持ちいただけましたら、ぜひお問合せください。


今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
また次回の記事でお会いしましょう!
ROSCAの話を詳しく聞きたい!興味があるという方はこちらの募集からどうぞ!


この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?