Rosalind L.

日々、小さな薔薇の花弁を拾い、押し花にする、ジャムにする、蒸留して香水にする、そんなふ…

Rosalind L.

日々、小さな薔薇の花弁を拾い、押し花にする、ジャムにする、蒸留して香水にする、そんなふうに言葉を紡いでいきます。

最近の記事

薔薇の花弁とジャムとマドレーヌ、詩人たちと儚さについて

にんべんに夢と書いて、儚い(はかない)、と読む。 このような字と響きを知るとき、ああ、とその言葉を知った悦びが胸の中にじんわり広がるなら、あなたは日本人である。 国籍や人種のことを言っているのではなく、日本の魂を持っているという意味で。 日本語には漢字、ひらがな、カタカナがあり、日本人はその三種類の書き方によって、同じ言葉を綴っても微妙なニュアンスの違いを感じ取る。そこに英語などほかの言語の文字を混ぜることもできる。 しかし、そのような発見と学びの悦び、驚き、感覚を子供の頃、

    • 桜の花片を拾うが如く

      なぜ日本人に生まれたのだろう。 なぜ人生の大半を日本で生きてきたのか。 なぜ今もここに留まっているのだろう。 ある時一つの答えが出て、それから長い時がたった。 日本語。 日本語を使って書かねばならないことがある。 自分の言葉をこの世界に放り投げなければならない。 自分の心の眼がとらえた、小さな貴きものを。 舞い散る雪のようにあとからあとから降ってくる桜の花片。風にのって驚くほどの距離を飛び、どんな小さなところにも入り込む。 一つの花が咲き、散るまでにどれほどの力が必

    薔薇の花弁とジャムとマドレーヌ、詩人たちと儚さについて