上から
どうも、今日も暇つぶしご苦労様。
こんなどこの誰だかも分からないようなやつの文章を読みに来るなんて、君は本当に暇なんだね。
こんな駄文を読みに来るくらいなら、もっと面白い文章を読めばいいのに。もっとさあ、有名な作家さんの小説とかさあ。
ああ、そういうのを買うお金もないから、こうやって無料で読める文章で暇を満たそうっていう魂胆だね?さすが貧乏人。貧乏くささが液晶越しに時空を超えてこっちまで臭って来るよ。そんなんだからいつまでも貧乏人なんだろうね?これからは余暇の時間に副業する時代だよ。
ごめんごめん。本当は君みたいな人には、きっと僕はお礼を言わないといけないね。
「将来の有名作家を応援してくれてありがとう、暇人さん」ってね。
でも、言うのは今じゃないよ?僕が有名になってからかな。その時には僕のサインをプレゼントするから。ちなみにタダでは渡さないよ?サイン1回で5000円は貰うからね。それがお礼の代わりかな。
それはプレゼントとは言わない、だって?ふふふ。貧乏人が貧乏人足りえる理由を垣間見た気がする。そうやって、無料でもらえるのが当然だなんて思っているから、いろいろなもののありがたみが分からないのさ。
君はお金を払ってでも自分のファンでいたいと言ってくれる人と、お金を取ると言ったとたんに離れて行くファン、どっちと付き合っていたい?そして、どっちと付き合いたくない?答えは明確なはずだろう?
まあ、雑談はともかく。
君は僕に聞きたいこととかあるはずだよ。こんなに魅力的な文章を書けるようになるにはどうすればいいんですか?とか。なんでも質問していいよ。
え?「なんでそんなに上から目線なんですか」って?
そんなの僕が君より上にいるんだから仕方ないじゃないか。そんな分かり切ったことを聞いてくるなんて、君、お笑いのセンスすごいね。尊敬するよ。笑いすぎてお腹が痛いよ、僕は。
ついでに僕の言葉が上から聞こえてくるとか言っている時点で、君は君自身が下であることを自覚しているよね?うん、言い返せないでしょ?正論でしょ?あ、今、「こいつうざいな」って思ったでしょ?ふふ、それも自分が弱者であると認められないからこそ湧いて出る怒りだよね?でしょ?でしょ?
まあまあ、いいじゃないか。そう怒るなよ。「ページを閉じる」ボタンをクリックすのはもう少し待ってくれよ。あと少しだからさあ。神の恵みとも言えるような僕の話を最後まで読んでいってよ。
ここまで読んでくれた君に、とっておきの作家さんについて教えてあげたいんだ。きっと誰も知らない作家さんさ。彼の作品はとっても面白いよ?でもきっと、誰も知らない。
その作家さんの名前を特別に教えてあげよう。「東野圭吾」先生って言うんだ。君みたいな凡人はきっと知るよしもないさ。もし知っている人がいたら、僕はその人の爪の垢を煎じて毎日飲むよ。
――えっ、みんな知ってる、だって?
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