60作目:恐怖

 不思議なお店だった。個室なのに、四方はガラス張り。……かと一瞬思ったそれは、どうやら鏡だった。ガラスにしては、あまりにくっきりと自分の姿が映っていたのだ。

「いや、あの店、普通にガラス張りだよ?」

 後から友人に聞いてぞっとした。言われてみれば確かに、私があんなに不細工なはずはない。


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