24作目:思わずギョッとした

「うろこ雲だな」
 散歩道の空、小さい息子を連れて。
「僕、あれ知ってる」
 自慢げに息子が語る。
「おっきな魚さんが近くを通るときに見える、雲ウロコだよ」
 見つめた息子の顔は楽しげ。子どもの想像力は豊かだ。
 ふと、ぎょろりとした巨大な目に見つめられるような視線を感じ、まさか、と、空を見やると。

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