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読書についての考え(2023/1/17執筆)


読書をすると、
自分の中の名もなき感情、表にだしてもいいのかいけないのか分からないまま置かれていた気持ち
それらの居場所を見つけることができるように感じる。

私は小説の題材に非日常的なものやSFファンタジーは求めていなくて、ただ繊細で鋭い感性(またはぼーっとしているかのように見える感性)で描かれているものが好きだ。

誰しも人と全く同じ考えをもっている人はいないけれど、
時々自分の考えと周りの人との考えの相違に、窮屈な思いをするときがある。

体裁を気にした言動、さまざまなエゴ、利益至上主義的なもの、…
世の中の当たり前に「正解」とされているものと、自分と間に生まれる乖離、そんなの日常的だ。
だけど安易に人には話せない。なぜなら分かり合えないことに絶望したくないから。完全に分かり合うことは無理だと知っているから。

そんな時、1人で味わう読書体験にはどれだけ救われるか。
本の中には、自分と全然違う考え方が広がっているではないか。
それでもいいんだ、色々な考えの人が生きているのは当たり前のことなんだと、改めて気づかされる。そして安心する。

自分が言葉にできなかった気持ちを時に健やかに、時に艶やかに、紡がれているのに出会った時、とても感動する。

この思いを、同じ思いを、感じている人がいて、それが丁寧に言語化されている。そう感じた時、その作品の中に自分の心を溶かすようにゆだねることことができる。

最近とても好きな作家さんは山田詠美さん。
自分の心の隙間にスッと染みこんできて、自分が肯定されていく気がする。
決してそんな慰めを目的とした小説ではないのだと思うけれど。

忙しい時こそ、自分時間を大切にしたい。
読書体験は、忙しい日常からふっと離れて自分を見つめ直すことができる時間。

これからもそんな体験に身をゆだねたい。

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