どんなロープを買えばいいいの?ポリエステル(テトロン)ロープ・組紐編🪢
はじめに
どうもロープ屋です!
このブログでは、ポリエステルの繊維で作ったロープの特徴を記載していきます。
実際にロープ・組紐を選ぶにあたり参考にしてもらいたいと思い作成しています!
分からないことがあればお気軽にお声掛けください!
まず、ポリエステル(テトロン)の特徴を表にしています。
さらに、表下に補足をしています。主にポリエステルにフォーカスしています。
そして、次にポリエステルやナイロンは繊維の構造を変えることによって、見た目や風合いなどを変えることができるということについて記載しておきます。
ポリエステルロープについて
ポリエステルとテトロン
ポリエステルは別名テトロンともいいます。これはポリエステル繊維を販売している東レの商品名になっており、ロープ業界では一般的にテトロンという場合が多いかと思われます。また、ユニチカでは、エステルという場合もあります。今回はポリエステルとして記載を統一はしますが、テトロンという用語も覚えておくとロープの注文の際や製品の擦り合わせ際にスムーズに咀嚼できるかと思います。
もちろんですが、基本的にロープ屋ではお客様に合わせて言葉を変換いたしますのでご安心ください!
ポリエステルの特徴
ポリエステルロープは、耐久性、耐摩耗性、そして紫外線や湿気に対する強い耐性が特徴です。特に屋外での使用に適しており、日光にさらされても劣化が少ないため、アウトドアや海洋関連、公園の遊具にも最適です。また、吸水性がほぼなく、水中でもその性能を維持します。加えて、耐熱性が高く、化学薬品にも強いことから、産業用途でも広く使われています。
例えば、鉛筆ほどの太さのポリエステルロープでも約600kgもの強度が出ることから、その強力さが伺えます。
使用用途
ポリエステルロープはナイロン同様、その高い強度と耐久性により、多くの用途で利用されています。特に、アウトドア活動やマリンスポーツ、工業用などで重宝されています。また、多彩な色のラインナップがあり公園等の遊具(ネット・登り綱・ターザンロープ等)に使用されることが多く人気があります。
さらにテニスやバレーのネットを張るロープも、スーパー繊維と組み合わせて使用されていまし、パーカーの紐や靴紐、紙袋などに使用されることもある非常に身近なロープでもあります。
屋外での長期間の使用にも適していますので安心してご使用いただけます。
繊維の種類、マルチとスパンについて
ナイロンやポリエステルの繊維にはマルチとスパンなど、ポリエステル繊維の構造の違いがあります。
マルチ糸(フィラメント糸)とスパン糸を使ったロープには、いくつかの重要な違いがあります。
実はニューテトロンというものも、、、
実はマルチ糸やスパン糸という選択肢から、ニューテトロンという選択肢もあります。このニューテトロンはスパン糸と似た性質の糸になりますが、毛羽が少し少なく、ちょうどマルチとスパン糸の間のような糸の性質を持ち合わせた糸もあります。風合いもよく柔らかい繊維になります。
1) 構造の違い
マルチ糸(フィラメント糸):一本一本の糸が長い繊維(フィラメント)から構成されています。これにより、繊維の断裂が少なく、強度が高いです。
スパン糸:短い繊維をより合わせて糸にしたもので、よりによって糸が形成されているため、少し毛羽立ったような質感があります。
2) 強度と耐久性
マルチ糸(フィラメント糸):通常、ナイロンのマルチフィラメント糸を使用したロープは非常に強靭で、引っ張り強度や耐摩耗性が優れています。また、弾力性も高く、負荷がかかっても元に戻る能力(伸縮性)が強いのが特徴になります。
スパン糸:スパン糸のロープは、フィラメント糸に比べてやや強度が劣る傾向があります。また、スパン糸は摩擦による摩耗が起こりやすく、長期間の使用にはあまり向いていない傾向にあります。
3) 質感と柔軟性
マルチ糸(フィラメント糸):表面は滑らかで、毛羽立ちがなく、手触りがツルツルしています。このため、摩擦の少ない条件で使用したい場合には適していますが、滑りやすいというデメリットもあります。
スパン糸:スパン糸は表面がややザラついており、手触りが柔らかいです。滑りにくく、作業しやすいです。マルチ糸と比較すると、使っているうちに毛羽立ちが増えることがあります。
4) 耐摩耗性
マルチ糸(フィラメント糸):耐摩耗性が非常に高く、長期間の使用でも性能を保ちやすいです。特にアウトドアや工業用途での高負荷環境に適しています。
スパン糸:摩耗しやすく、毛羽立ちやほつれが生じることがあるため、摩擦の多い用途にはあまり向いていません。
5) 耐候性
マルチ糸(フィラメント糸):ナイロンのフィラメント糸は、紫外線や湿気に対する耐性が高く、屋外使用でも長持ちします。
スパン糸:フィラメント糸に比べると、紫外線や湿気に対してやや弱く、屋外使用では劣化が早い場合があります。
6) 用途
マルチ糸(フィラメント糸):引っ張り強度や耐摩耗性が重視される用途、例えば登山やクライミング、船舶やアウトドアでの使用に向いています。
スパン糸:手作業や工業用途など、手触りが重要で、滑りにくさが求められる場面に適しています。たとえば、作業用のロープや手芸用途で使用されることがあります。
このようのにマルチとスパン、その間のニューテトロンのどれらを選ぶかは、用途や求められる特性に応じて決まってきます。
さいごに
ここまでナイロンロープと、繊維の構造の違いを見てきました。
この記事が、ロープの選択に、また何かのアイディアになれば幸いです!
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