見出し画像

しまねヒト・モノ・コト体験ツアーレポート #岩見涼

学習院大学文学部の岩見涼です。
私は松江市出身で、松江北高校卒業後に東京の大学に進学しました。

まず初めに言えることは、今回のツアーを通して得られた学びは、私の想像をはるかに超えるものだったということです。

島根で活躍する人って?

昨年参加された先輩方の、熱のこもったお話を聞いて、参加することを決めました。ツアー前に乗る予定だった、東京に戻るためのバスを即キャンセルしたほど、魅力的なプレゼンだったのです。
私は単にいろんなヒトとお話することが大好きなので、特に同世代の学生たちとの出会いを楽しみにしていました。関東で日々を送る私にとって、「しまね」というテーマで友達と語り合えるのは、とてつもなく貴重なことです。
一方で、島根で活躍しておられるヒト、と聞いてもあまりピンとこず、社会人の方々に対する期待は小さかったというのが、正直なところです。しかし、この考えは3日間を通して、いい意味で裏切られ続けることになります。

誰に価値を与える仕事なのか

ツアー中にも多くの学生が挙げていましたが、やはりSUKIMONO株式会社の平下さんのお話には目から鱗でした。大手企業にありがちな、“誰にとって価値があるのか分からない仕事をこなす時間”は相当苦しいものなのだと思います。相手の顔が見えるからこそ、自分の創ったモノがヒトに変化を与える瞬間を目の当たりにできる、そこから生まれる大きなやりがいが、創り手のみなさんの限りないモチベーションに繋がっているのだと感じました。

私は「“好き”を仕事にすること」が、残酷な面ばかりを生み出すように捉えていましたが、SUKIMONO株式会社で働いておられるみなさんのお顔を見ていると、好きなコトをずっと好きなまま仕事として続けられる可能性も、少しずつ見えてきたように思います。

株式会社SUKIMONOのショーケース(江津市)

町全体で子育てをする町

もう1つ、印象に残っているのは、群言堂の三浦さんのお話です。「保育園留学」と聞いたとき、園児をいきなり別の環境に置くのは、負担が大きいのではないかと少し疑問に思いました。しかし、大森町全体で子育てを行っているからこそ、その不安はすぐに解消され、たった2週間であれだけ質のいい体験を提供できるのだということに気付きました。三浦さんも、“群言堂”としてではなく1人の“住民”として、普段から「大森町の今」を発信しているからこそ、地域に寄り添ったモノ・コトづくりができておられるのだと思います。

群言堂 三浦さんに街を歩きながら話を聞く様子(大田市大森町)

仕事を超えて応援しあえる島根

お二方をはじめ、ツアーで出会ったヒトに共通しているのは、一人一人に合った感動体験を提供しようとしておられるところです。みなさんの取り組みは必ずしも、島根でしかできないことではないのかもしれません。ただ、親身になって応援してくれるヒトがすぐそばにいて、ヒトのために仕事の枠を超えて何かをしてあげたいと思える環境って、そう当たり前ではないように思います。

島根に関わり続けたい理由は「ヒトが好き」

島根をこんなに愛しているはずなのに、島根のためを思って行動を起こせない自分がいることが、悔しくてたまりません。ルーツしまねのメンバーやツアー参加者のみなさんをはじめ、島根のヒトとお話することが私はとにかく大好きです。みんなと一緒にいられるのなら、その場所は島根じゃなくてもいいような気がします。でもいつか、集まろうと思ったときは、きっと島根になるんだろうなぁとも思います。

最終日に参加者のみんなと(松江市)

島根にルーツのある学生のみなさんへ

私は島根が好きだからみんなが好きなのか。みんなが好きだから島根が好きなのか。どちらにしろ、「しまねのヒトが好き」という想いに、私がしまねに関わり続けたいと願う理由が、1番現れているように感じます。島根に帰ればみんなに会えて、普段は心の奥に潜めた想いも打ち明けられる。その安心感が、私の原動力の大きな部分を占めているのだと、この3日間を通して実感できました。このレポートを書きながらも、涙が溢れて止まりません。またすぐに、みんなと会えますように。

私は島根という土地が好きかと聞かれれば、ぶっちゃけそれほどではありません。東京で送る毎日の方が、明らかに驚きで満ちていますし、充実しています。でも、乗客全員がスマホを眺める満員電車に揺られていたり、星の浮かばない狭い夜空を見上げていたりすると、「あ、島根に帰りたいな」と、ふと感じる瞬間があるんです。そんな取るに足らない寂しさをちょっと埋めてくれるのが、ルーツしまねだと思っています。

上京してきてから、ルーツしまねでの活動を友人に話すと、「真面目だね」「そこまで地元のことを想えるなんてすごいね」と敬遠されたような言葉をかけられます。どこかでは、見下されているのかもしれません。対照的に、このツアーで出会ったヒトは、私の話を目を見て真剣に聞いてくれて、自分の考えまで伝えてくれました。何気ないことかもしれないけれど、覚えた感動は大きかったのです。私はやっぱりしまねのヒトが好きなんだと、再確認できたことだけでも、充分すぎる学びだったと思います。

みんなとした線香花火(浜田市)

今後のしまねとの関わり方やら就活やら、悩まないといけないことはたくさんありますが、自分らしいルーツのあり方を、みんなにも社会人のみなさんにも、相談しながら見つけていければと思っています。そんな繋がりを広げてくださったこのツアーに、本当に感謝しています。
こんなコミュニティ、いかがでしょうか。ふざけたことから本気の悩みまで、いっしょにお話してくれる人、絶賛募集中です!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?