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ストラテジック・クローズ-StrategicClose-とは

「ストラテジック・クローズ」開発の背景

外国為替市場(FX)はその魅力だけでなく、高度なスキルを要求する場としても知られています。多くのトレーダーが直面するのは、決済戦略における顕著なスキルの差です。初心者トレーダーは、決済指値や決済逆指値での全決済を主な手段として利用しています。単に10pipsで損切するというような安易な手法です。

経験豊富なトレーダーは、部分決済、追加エントリー、TP/SLラインの調整といった裁量トレードを行いリスクを管理し、利益を最大化しています。これらのテクニックは一朝一夕に習得できるものではなく、初心者がマネするにはリスクが伴います。

これらの課題に対処するためには、支援ツールの進化が必要と考え「ストラテジック・クローズ」を考案しました。

この新しいスタイルは、単なる全決済だけでなく、トレーダーが市場の動きに応じて柔軟に決済戦略を選択し、組み合わせることを可能にします。例えば、一定の利益で部分決済を行い、残ったポジションは追加利益を狙って、トレーリングストップを仕掛けます。

このような技術革新は、運転が簡単なオートマチック車の普及に似た社会的変化をFX市場にもたらすことを目指しています。かつては全てのドライバーがマニュアル操作を必要としましたが、現在は誰もが簡単に運転できるようになっています。

ストラテジック・クローズにより、初心者でも高度な決済技術を容易に活用できることで、FXトレードの敷居を大きく下げ、初心者だけでなく経験者にも新たな可能性を開くことを期待しています。

ストラテジック・クローズ手法の定義

「ストラテジック・クローズ」は、FXトレードの決済プロセスにおいて、複数の戦略的オプションを組み合わせることが可能な手法です。この手法では、トレーダーは市場の状況に応じて、複数の選択肢を単一または組み合わせて使うことで、価格変動のリスクを管理しつつ、利益機会を最大限に捉えることが可能となります。

ストラテジック・クローズの機能例

ストラテジック・クローズは以下のような機能を組み合わせて提供する機能と定義しています。これらは現在考えられる例であり、今後も多少な決済戦略の方法を追加していくことができます。

全決済:トレードポジション全体を即座に決済する。
部分決済:ポジションの一部を決済し、残りのポジションでさらなる市場の動きを捉える。
トレーリングストップ:トレーリングストップをオンにする
決済指値の再設定:利益確定点を市場状況に応じて再設定する。
決済逆指値の再設定:損切りラインを市場状況に応じて再設定する。
押し目買い:価格が下落した際に追加購入を行い、平均取得価格を下げる。
ナンピン:ポジションを増やし、潜在的なリバウンドからの利益を最大化する。
ドテン:現在のポジションを閉じ、同一ロットで逆のポジションを取り、新たな動きに対応する。
ヘッジ:現在のポジションと同一ロットで逆ポジションを取り、損益を一時的に凍結する。

これらの機能は単独でも、または複数組み合わせて使用することで、各トレーダーのリスク許容度や市場観測に基づいた柔軟な対応が可能となります。

ストラテジック・クローズの適用例

ストラテジック・クローズは、複数の決済戦略を組み合わせることによって、市場のさまざまな状況に適応し、トレーダーのリスクとリターンを最適化します。以下は、この手法の適用を示す具体的な戦略の組み合わせと実例です:

部分決済+トレーリングストップ+決済逆指値の再設定

この組み合わせは、ポジションの一部を利益確定し、残りの部分で更なる価格上昇を狙います。利確後、トレーリングストップを設定して利益を保護する一方で、決済逆指値を再設定して不利な価格変動に対する保護を強化します。この戦略は、市場のポジティブな動きを最大限利用しつつ、逆行した場合のリスクを管理するのに有効です。

決済逆指値の再設定+ナンピン+決済指値の再設定

価格が下落する中で損切りラインを再設定し、ナンピンを行い平均コストを下げます。その後、新たな利益確定点を設定して、市場が反転した際の利益を最大化します。この戦略は特にボラティリティが高く、価格の反転が予想される場合に適しており、損失リスクは考慮しつつ、リバウンドから利益を得ることを目指します。

押し目買い+決済逆指値の再設定

利益の上昇に追従して、押し目買いを行い、反転し逆指値まで戻った際には、全決済を行います。相場が利益方向のトレンドである場合、利益を繰り返し、トレンド変化で決済を行います。1度利益方向で決済が行われれば、マイナスになることはありません。

部分決済+決済指値の再設定+決済逆指値の再設定

利益が上昇する中で、部分決済を行い、TP/SLラインをリセットします。どちらに推移しても、利益も損失も大きくなることなく、リスクの小さい設定です。リスク%で再設定できる場合は、部分決済による保有ポジションサイズの縮小により、TP/SLラインの幅は大きくなります。

これらの設定は一例であり、ストラテジッククローズが組み込まれたツールにより、その特性は変化します。

ストラテジッククローズの今後

ストラテジック・クローズは現在も追加、改善を続けており、より多くの市場データとトレーダーからのフィードバックを取り入れることで、さらに洗練されたシステムへと成長していくでしょう。今後は、アルゴリズムの最適化、ユーザーインターフェースの改善、そして新しい戦略の開発に焦点を当てていきます。

また、ストラテジック・クローズを通じて、トレーダーは自身のスキルアップをより容易に行えるようになります。市場の動きに応じて柔軟に戦略を選択し、適用することで、経験を積む過程が加速され、トレードの知識と技術が向上することが考えられます。

FXが専門家だけの領域でなく、初心者トレーダーでも楽しく、かつ効果的にトレードを楽しめ、高度な戦略を簡単に実行できるようになることで、熟練トレーダーとのスキル差を縮め、より多くの人々がFXトレードを身近に感じられるようになること期待しています。

ストラテジック・クローズの導入状況

2024年5月8日現在、ストラテジック・クローズを搭載しているツールは、ワンクリックFXクローザーとなります。ワンクリックFXワンクリックFXトレーニングなど、その他のワンクリックFXシリーズなどへの導入は随時行っていきます。


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