情緒のある日記を書きたい①
2021/6/10 午後8時
駅を出るとやっと日が落ちて、暗くなっていた。私はやっとついた街灯を見て言い表せない安心感を得る。
人間は昼行性の生物で、夜は活動しないものだったが、その昔は発明された火によって、更には電球によって、今はLEDによってその活動時間を伸ばしてきた。
夜型の私にとって、夜は落ち着く。太陽が嫌いなわけじゃないけど、どこかにぎやかで明るい存在であるソレは私は少し苦手だ。
駅から家に向かって歩いてみる。最近はずっと18時帰りだったため、日は沈まず更には夏らしく随分と暑かった。でも今日はどうだろうか? 気温は確かに少し高い気がするが、夜風が吹けば涼しささえも感じる。
ただ口や鼻の周りの暑さだけは変わらない。マスクをつけるのが日常になってからどれくらいたつのだろうか? 一生このままは嫌だなと思いつつも、マスクをしている私はしていない私よりもよく見えるので、すごく嫌なわけではない。
久しぶりに見上げる夜空。ここ最近は曇りばかりで、淀んだ空ばかりだった。今日の空は澄んでいて、星を見つけられる。久方ぶりのその姿は相も変わらず綺麗だが、やっぱりなんで光っているかは知っていてもなんとなく理解できない。
駅の近くの飲み屋街は夜の帳とともに鳴りを潜めていく。少し前まではその逆であり、夜が賑やかさを連れてきてくれたのに、今は賑やかさを奪っていく。
最近の夜は嫌いだ。
夜は暗くて時に怖いが、だが言い知れぬ温かさがあった。きっと自分のような日陰者の存在を肯定してくれるような錯覚を起こすから夜が嫌いじゃなかった。
最近の夜はそうじゃない。夜は街から人を消し去る、それはかつて私たちが猿だった時のように。
私はこの時代だから生きて行ける。それを自覚しながら、久しぶりの夜に思いをはせる。
写真:お台場の夜景?
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