見出し画像

『酒井駒子展』と『「ぐりとぐら しあわせの本」展』を見てきたーブログっぽい何か⑦

先日、『みみをすますように 酒井駒子展』と『「ぐりとぐら しあわせの本」展』の同時展示を開催している東京・立川にあるPLAY! MUSEUMに行ってきたので、そのレビューを書いてみたいと思う。

※一応、ネタバレ注意です!

少し前の記事のバンクシー展のレビュー(リンク)でも書いたのですが、私は美術やら芸術にはからっきしのド素人ですから、そこを加味して読んでいただけたらと思います。

まずは概要からですが、『みみをすますように 酒井駒子展』と『「ぐりとぐら しあわせの本」展』は同時展示でした。会場はそんなに大きくなくて、入場料は大人で1500円でした。スペース配分的には3:1くらいで、酒井駒子展の方が大きかったですね。

私は実はぐりとぐら展を見当てに行ったので、スペース配分的にはちょっと微妙かなって思ったのですが、正直「酒井駒子展」がすっごく良かった。詳しくは後に書きます。

まず会場に入って一番最初に、カフェに向かいました。まあこの描写からも美術に明るくないミンハーさが出ていますね笑 カフェではぐりとぐらに出てくるフライパンいっぱいいっぱいのカステラパンケーキを再現したメニューがあり、飛びつくように注文しました。(↓画像引用元:リンク

画像1

まあ美味しかったです、うん。えーっとここでレビューを読んでる皆さんにいう残念な事実として、私は食事にもそこまで明るくないです笑 なので、感想のメインは「オイシカッタデス」で終わりなのです。
でも頑張ってレビューすると、ふわふわでイメージ言えばスフレパンケーキ(しあわせのパンケーキとか)に似た食感で、上に乗ったバターの塩味がパンケーキの甘さを引き立てます。単体で食べても美味しいのですが、付け合わせで出てくるメイプルとジャムと生クリームをつけて食べるのもおすすめです。意外にもジャムが最も甘くて甘党人には嬉しい感じですね。メイプルと生クリームは甘いのですが、結構控えめで甘すぎるのが苦手な人でも、違う甘さが加わる感じでとってもおすすめです。私はメイプルをかけるのが好きでした。意外と量はあるので、2人で行って分けるのがいいのかなって感じでした。

さて、苦手なカフェのレビューはこれくらいにして、展示の話をしましょう。


まずは「みみをすますように 酒井駒子展」から話しましょう。

私は酒井駒子さんは知らなかった人です。確かに幼少期に絵本コーナーに並ぶその絵本は眼にしたことがありましたが、手に取ったことは多分ありませんでした。逆に言えば、そんな私でも眼にするくらい有名な方なんだと思います。特によるくまというキャラクターが出てくる絵本は眼にしたことがあると思います。

さて、内容ですがとっても良かったです。展示の仕方は特徴的で、現代アートの展示形式を取っていて、ただ単に絵本の絵が壁に並べてあるのではなく、小さなテーブルのような展示台に絵本の絵散りばめられていたり、絵本の一節が天井から吊り下げられた幕に書かれていたり、とその展示は非常に立体的で、絵だけでなく展示も美しかったです。特に「森のノート」の挿絵の展示のブースでは聴覚的な情報(森の小鳥のさえずり)も加わって雰囲気が素敵でした。

また最も特徴的であったなと思うのは、会場に散りばめられた絵本の文章の一節が書かれた紙が置かれていたこと。全部で4種類あったのですが、紙の形・大きさ・色、更には文字の書き方も別で、それぞれの紙の文字が物語の世界観を崩すどころか書き立てるような構成でした。

肝心の絵ですが、すごく繊細なイメージを受けました。細かく描かれているのに、人間味を感じる絵のタッチがとても心に刺さりました。個人的には唯一見たことあるよるくまの絵のタッチが他とは異なるような印象を受けました。全体的に躍動感を感じる絵で、例として、木登りして梨の木で眠る少女の絵では、梨の木々は夜風に揺れるような様子を感じますし、耳をすませば少女の寝息が聞こえてきそうでした。また雪が燦燦と降る風景を描いた絵では、その緻密さと雪が実際に振っているような錯覚におちいるような雰囲気でした。

また絵本の展示と言うことで、展示中では全部ではなくとも絵本の一節を先ほどにも書いたように色んな形で展示しています。展示中では一節しかないこともあって理解できない物語も多かったですが、展示の最後に展示で取り扱った絵本が実際に置かれてて、実際に手に取って読むことが出来ました。
正直な感想を言えば、絵本とはどこか教訓めいたものがあってそれを子供に伝えるのが中心にあるのではないかと思っていましたが、その文章を読んでも受け取れたメッセージは本当にごく一部という感じがしました。
心のどこかで、私がもっといい意味で幼かったのなら、もっともっと色んなことをその豊かな感受性で受け取れるのかなという感じでした。大人になる寂しさを感じた瞬間でした。


さて、次にぐりとぐら展ですが、こちらは酒井駒子展とはちょっと対照的でした。

先ほど書いたようにこちらはある意味で対照的でした。どういうことかと言えば、先ほどの展示は楽しみ方を模索する必要性がありました。そこも醍醐味だとは思うですが、対してこちらは非常に直感的に楽しめる展示でした。

体感型美術館と言っていいのでしょうか? どちらかと言えば、レジャー施設に近い印象受けます。ぐりとぐらの世界観を忠実に出来ない部分は芸術的に表現した展示で、ぐりとぐらシリーズを読んだことがある人にとっては嬉しい一コマが再現されている感じでした。

インスタ映えと言えばいいのでしょうか? そんなスポットもいくつか用意されており、ぐりとぐらの世界観に入った自分を楽しむことで、より深く楽しむことが出来る展示でした。

正直言えば、そういう感じなので、あんまり感想がないのが現実です。子供のころに読んだ。ぐりとぐらの世界観に入って、そこで終わりなのが私個人の感想でした。別に原画が展示されているというわけでもなかった感じです。他のもので例えるのはあんまり良くないのですが、イメージ言うならコンセプト遊園地(USJやTDR)のような印象です。

もう少し書けば、今回訪問したPLAY!という施設の上階が子供向けの屋内レジャー施設になっており、大人は酒井駒子展・子供はぐりとぐら展&屋内レジャー施設ということなのかもしれないです。ちなみに、屋内レジャー施設の方もぐりとぐら使用になっているので、おそらくぐりとぐらを知っている子供だったら大興奮だと思うので、お子さんがいる方はそちらもおすすめします!


まとめですが、とてもいい展示の2つでしたが、不思議な気分になりました。多少、具体的に言うと、大人になった自分への後悔と喜びを感じる展示でしたね。まあ後悔と喜びの比率は8:2くらいですが笑

「ぐりとぐら展」は、それに付随する屋内レジャー施設を含めても、子供だったらもっともっと楽しめたと思います。直感的に楽しむ良さと体を動かす楽しみを忘れている自分にちょっと思うことがありましたね。まあ、ただ子供ならもっと楽しめるというだけで、絵本の中に入っているという感じはすっごく楽しかったです! 童心に帰るとはこのことなんでしょうか?

次に、「酒井駒子展」ですが、個人的にはベリベリグッドっていう感じでした。すごく好みの絵で、そこにストーリー性があるのはどんなストーリーかは問わず、感動するモノがたくさんありました。また美術館の仕掛けにより、それを増長しているのがさらに良かった。前回書かせていただいたバンクシーもそうですが、こういう体感型の展示は素晴らしいですね。
しかし、絵本の内容は幼児向けというのもあって、大人の自分では感動が薄い一面もあって、そこは自分の童心の消失を憂う部分もありましたね。メッセージを受け取っても子供よりも深く感受できない、そもそもメッセージを受信できない。それはちょっと寂しい部分を感じて仕方がないのですかね……。

最後にですが、とってもいい展示でした。どちらの展示もとっても楽しめるものでしたので、近所の方は是非足を運ぶことをオヌヌメします!
特に絵本という芸術の素晴らしさ、それを教えてくれた「みみをすますように 酒井駒子展」は予想外の大ヒットでした!

写真:イルミネーション

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?