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連載・君をみつけるために あとがき

この投稿は今日まで投稿していた、「君を見つけるために」全14章の後書きになります。第0章プロローグはこちら

とりあえず、過去に投稿していた時のまとめとして、あらすじと目次を貼ります

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ちなみに合計文字数は44962文字。原稿用紙112枚分くらいですね。実際は、セリフなどのせいで大量の改行を含むので、もっとあると思われますが。

さて、振り返っていきたいと思います。とは言っても、過去の作品なので、思い出しながらという感じになります。

流れとしては、全体について書いて、その後3章ごとにちょっとずつ、もう一度全体をふり返って、って感じで行こうと思います。

最初に全体として書く次いでに、過去投稿では「あらすじを書いていました」それが下記↓です(上の乗せた画像にもありますが)

純愛を愛する青年が巻き込まれた不純な恋愛。三人の女性が主人公であり、その三人の恋愛模様を楠本澪(語り部)が語っていく。三人の恋愛への思いの変化やその裏にある心情を読めなく、戸惑うそんな楠本澪の姿に男子ならどこか憧れて、どこか共感すると思います。

主人公は男の子でしたが、話の中心は女性たちを想定して作りました。いろんな女性の恋愛模様を書いてみたかった。しかし、普通に書いても面白くないので、おんなじ男性に恋することになる3人を描いてみました。環境などは共感しかねる部分が多い気がしますが、彼女たちのキャラクターは魅力あるものになったじゃないかなって思います。

ちなみに、仲小夜・近衛綾子・遠藤歩美の3人は近・中・遠という距離の概念からつけたもので、暗に近場にいる魅力的な女性、遠い高嶺の花、近いしい友人であるがゆえに遠い存在、っていうイメージでした。(下の名前はランダム姓名生成で決めました)

では、各章ごとに振り返っていきたいと思います。

⓪プロローグは正直テキトーです。主人公である、楠本澪という男について書きたかった。あえて、書きたかったこととしては、この話は俗に言うハーレムもののような小説になるが、主人公を正統派の主人公にしたくなかったので、思いっきりひねくれている男性像を作りたかった。だいたいのハーレムものの主人公って2択で、「正義感が強くて活発だけど鈍感な人」または「無口で誤解されやすいけど心優しい人」みたいなとこがありますが(偏見)、今作の主人公は等身大を目指して、大学までに普通に恋愛して彼女もいて、でもちょっと心に残る恋愛をしててトラウマとまでは行かないけど抱えている。普通に下ネタも話すし、異性に対してはとりあえず優しくしようみたいなとこがある。自分で書いててこういう性格の奴いるよなって感じでした。

リンク⇒プロローグ

さて、長くなりましたが、次からは3章ごとにまとめていきます。

①1-3章はそれぞれの女性にスポットライトを当てています。彼女たちが今どんな恋愛をしているかを主人公に語らせることで、なんとなく人となりを描いています。まあ書いてる時のことを思い出すと、この時点では親友の女の子・アタックしてくる女の子・身分違いの好きな女の子っていうイメージをした上で、それぞれの女性ごとに3人くらいの自分のリアルの知り合いの印象を重ねていました。タイトルはそれぞれ、「僕を……人」「僕の……人」「僕が……人」になっていて、僕と人っていう形を一緒にしながら、接続の1文字を変えるみたいなことをしました。このタイトルの付け方は他の章にも引っ張られることになります。

リンク⇒第1章第2章第3章

②4-6章は主人公とそれぞれの女性をわかりやすく2人きりにして、関係性を進めてみたって感じですね。わかりやすく起承転結の承で、すべての女性がわかりやすく主人公に対して好意(なりかけも含めて)を示している。書いたころはいろいろあーだこーだ考えましたね。色んなシチュエーションで2人きりにしたいけど、どうやってそうするかが難しかった。まあ、部活が一緒の仲さんがサシ飲みなのは良いとして、近衛さんのスイートルームと遠藤さんの漫画喫茶はイメージと逆で、なんかいろいろ考えたんだろうなって思いますね。タイトルに関しては、「(時系列の表現)の(抽象物)」で揃えました。

リンク⇒第4章第5章第6章

③7-9章は、主人公が勝ち確定演出みたいなことをされることを書きたかった。この章で意識したことは主人公をどこまで困らせられるかでした。親友からの明確な愛情表現・そばにいる女性の親からのプッシュ・高嶺の花の女性との性行為。とりあえず、主人公を幸せの谷に突き落としてみたかった。主人公はここまでに彼女たちの好意を感じながらも、「自分がなんかは……」みたいな懐疑的だった印象を作りたかったですが、ここで明確にしめされたらどうなるのだろうかって思いました笑 ちなみに性描写に関してはまあ苦労しました。当時の私は恋愛の描写って難しいなって思ってて、その中で性描写を描けるようになったら表現の幅が広がりそうって考えて挑戦しました。メインの行為に関しては、やっぱり敷居が高くて官能小説って凄いなって思いましたね……。いろいろ聞いた男友達に感謝を……笑 タイトルは「君」に接続の1文字に「1単語」にしました。

リンク⇒第7章第8章第9章

④10-12章は意気地なしの主人公に変わって女性陣に告白させるシーンになりましたが、ここでこの小説で一番やりたかったことをやりました。視点の変更ですね。ここまで、1・4・7が仲さんを語る主人公、2・5・8が近衛さんを語る主人公、3・6・9が遠藤さんを語る主人公でしたが、それをそれぞれの女性に視点を変えることで、何を思っていたのか? 何を思っているのか? を描いたつもりです。ちなみに私はこういう視点変更が大好きです笑 あと、章の初めにその視点の「独白、モノローグ」が入るのが大好きなのでやりました。まあ視点を切り替えた理由はもう一つあって、女性視点に切り替えることで主人公の思いを書かなくていい、つまりは主人公が告白されたときに何を思ったのかを書かなくていい。そうすることで、読者に最後まで誰と付き合ったのか、を考えされる文章になるじゃないかなっていう思惑がありました。タイトルについては、「あなた」+異なる接続1文字で統一しました。

リンク⇒第10章第11章第12章

⑤最後にエピローグですが、これは当初はまったく作る気はなかったのですが、プロローグからの主人公の心情の変化と恋人となった彼女に対しての大きな愛を語らせたくなったので作りました。ネタバレというわけではないですが、誰と付き合ったかは私でも覚えていません。しかし、誰とくっついたとしてもおかしくないような文章にしたはずですね。

リンク⇒エピローグ

さて、最後にまとめですが、前に投稿した前書きのようなもの(リンク)でも、書いた通り今回の小説は当時の私にとって色んな挑戦をしました。具体的にはサブタイトルを3つ毎に分けて深く考えてみたり、主人公を話の主体にしなかったり、性描写を書いたり、最後だけ視点変更してみたり、本当にいろんな挑戦をしました。そういえば、先ほど起承転結の話をしましたが、この小説をそれに例えるなら、プロローグ・起・承・転1・転2・エピローグって感じですかね、結がないのはなんか個人的には好きです。

また前にも書かせていただいたんですが、兄弟作、イメージ的には双子で兄妹作(「君をみつけるために」が妹)が存在してて、兄作は全く同じ世界観での全く違う話でした。主人公を普遍的なよくいる受け身な男の子を想定したこちらとは異なり、陰キャラで異性経験が非常に乏しいがゆえに恋愛で大きな失敗をしてそれを一生背負っていく、そんな作品でした。希望の押し付けが心配事になるこちらとは異なり、絶望の積み重ねに一縷の希望を求めるそんな小説でした。この作品を書き始めたのはそんな小説を描く自分の心の均衡を保つためだったのかもしれません。

ちなみにタイトルは「君の中にいない僕」でした。タイトル名も地味に意識してました。

さて、下手したら本文より全然長い後書きでしたが、ここで終わります。noteを再開したことで、また自分の小説を読むことになったのは不思議な因果を感じます。このように、当時を想起しながら後書きを書くのは楽しいですね。

写真:イルミネーションとミズクラゲ

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