見出し画像

鬼滅の刃の大ヒット理由を考える

たまに3人で考えながら書くのもいいのではないかと思う話。

今回は鬼滅の刃の大ヒットについて、しがない物書きの「狐面の猫」と自称人生哲学者の「希哲学者」とそれらの中の人である「Root Rat」の3つの視点で考察していこうと思う。(一応、ガンガンにネタバレを含む可能性があるのであしからず)

では早速、先行は「狐面の猫」から

物書きらしく、物語について語っていきたいと思う。とてもシンプルで明解だと思う。主人公:炭治郎の目的は一貫としていて、「敵の大ボスである鬼舞辻無惨を倒すこと」と「妹を鬼から人間に戻すこと」である。今の時代の漫画でここまで単純なのは珍しくないだろうか? 

今の時代の少年漫画と言えば、倒してももっとヤバイ奴が出てくるとか、実はいい奴で後々仲間になるとか、そもそも主人公の目的がはっきりしていないとかだ。対して、鬼滅の刃はシンプルでイメージでいえば、戦隊シリーズに近い。戦隊シリーズは最後の敵は最出る。これはかなり鬼滅の刃と構成が近いのでは? つまり、小さな子供でも分かる設定なのだ。

更にストーリーの単純化のいい所はもう一つあって、設定が凝りすぎると読者ついて行けない。特に年を取れば取る程に難しくなるが、これも回避できる。鬼滅の刃はシンプルな作品にしたことでとても万人受けしやすい作品だったのだと思う。

さて、次は「希哲学者」のターンだ

鬼滅の刃の言葉について考えていこうと思う。鬼滅の刃のセリフはとても心に残る、音楽で言えばキラーチューンズのような感じだ。そこには作者の独自の哲学が隠れていると思う。作者の頭の中にはおそらく独特な世界観があり、長男とはどうあるべきか・野生児がいるとしたらそれはどんな存在か・耳が良すぎたら(シナスタジアを持っていたら)どんな人格になるのか・感情を持たない人間が形成されるにはどんな環境が必要なのか、突飛な発想をしてそれに独自の考えを展開させる。そして、それぞれの自分の結論をキャラクターに宿らせる。

主人公たちや敵役である鬼も含め、彼らの性格が人間臭く共感をしやすいのは作者が自身の考えを切り取ってそれぞれのキャラクターに付与したもので、単純な道(ストーリー)を作ってその道をそのキャラクターに歩かせる。ストーリーとキャラクターどちらが先ではなく、できたものを当てはめるという感じだと思います。だからこそ、キャラクターは好き勝手に発言をして、独自の言葉をしゃべる。しかし、それでは物語として成立しないため、たまにご都合主義な漫画っぽいキャラクターも出てくる。ただそういうキャラはほとんど描かれず瞬殺される、そんな傾向があると思います。(上弦の五とか)

あと、言葉を語る上で一番重要のが、技名ですね。これがいい。基本的な名称のつけ方があって、技名もカッコイイ。キャラクター毎に独自性がある場合もある。この辺りはどこか同じジャンプ作品の「NARUTO」を彷彿させるとこがありますね。これは若年層の読者を一気にひきつけた要因だと思う。(あと、型の種類に上限があって、NARUTOみたいに新技が大量に出まくってついて行けないみたいな状況にならないのも個人的には老若男女受けした理由だと思う)

最後にRoot Ratとして

うーん、本当はもっといろんなことを書きたいのですが、今回は「鬼」について考えていこうかなと思います。鬼滅の刃の鬼は主人公たち以上に人間臭いキャラクターが多いと思います。その理由はなんだろうかと思うと、主人公たちが作者が独自に発展させた発想を宿らせたとするなら、鬼は人間の欲望・弱さを増長させてから宿らせた。鬼舞辻無惨は生存欲求、上弦の壱は弟への劣等感、上弦の参は強さへの渇望、上弦の肆は良い訳したい気持ち、上弦の伍は自身の創作物への承認欲求、上弦の陸は奪われたくない気持ち。誰も持つ可能性のある人間の欲や弱さ、それらを象徴している気がします。

彼らが人間らしく、憎むことが出来ない。憎めば、自身の欲望や弱さを否定することになるし、自分もここまでしなくとも邪な思いを持つ可能性がある。だからこそ、鬼たちのキャラクターも人気に寄与した大きな部分なのではないでしょうか?

ちなみに上弦の弐を飛ばしたのですが、彼だけは正直、人間味がしないのが逆に人間味を生み出してるのかなと思います。無感情であることって人間らしくないはずなのに、時に人間は異常に無感情いや無関心なのかもしれないです、なんか不思議な矛盾ですね。人間でないことを追求することで人間味を持つ、これは哲学の方でいつか掘り下げたいですね。

さて、今回は3人の共同作として作ってみました。取っ散らかった感は否めませんが、色んな視点があるのは良いことだと思うので、またいつかできたらなと思います。では、一応、希哲学者もいるので、結びの文章はいつもので失礼します。

はい、今日の希哲学者「たち」でした。また不定期になんか意味の分からんことを書きます。

写真:金閣寺よりも好きな銀閣寺

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?