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G-1

お疲れ様です。

私の仕事に関わる8割はおじさんと呼ばれる人たち。
会社のフロアも、取引先の営業も。
中におじいちゃんもたくさんいる。

気難しいひと握りを除けば大体会話を合わせておしゃべりができる。
まぁ、ほとんどの人たちがうまく対処できると思っているけれど。

ちなみに。
私はこのおじさんに対して結構図々しい。

まずひとり、結構偉い人。
会社では取締役と呼ばれる経営陣のおじさん。
冒頭の気難しい一握りに私はカテゴライズしている。
還暦まで数年、老眼がひどく、四苦八苦をしているところを見つけると。

日頃の恨みと言わんばかりにいじりたくなる。

現場でメンテナンスをする際に、老眼鏡がなくて細かな作業ができなかったこのおじさん。
手伝いますと申し出たが、もっとずっと若い次期社長が、スマートにサポートしたので、ニヤッとすると。
言い訳を始めたので、思う存分笑ってやった。

ジジイですね。なんて出そうになったけれど。

自重して笑いに変えた。

普段なら。
このジジイ取締役は私にとって非常に面倒くさい人だ。
通常は私のデスクの上手に鎮座しているのだが、パーテーションで仕切りたいと常に思っている。
デスクトップ型PCの大きなモニターを老眼鏡をかけても、見えない、と

さまざまなひとり言が。
ブツブツ。

かまちょオーラ満載。


直属の上司(ジジイはこのさらに上になる)に仕事の相談をすると、隣の席に座っているものだから、割って入ってくるので非常に面倒くさい。(同じ事を被せて言うこと自体がジジイ!一回聞けばわかるっての。)
だから離席したところがチャンス。
いつもその感じで関わりあわないように努めている。

理由は、先の通りと、聞いてもいない情報をくれるから。

お酒をたくさん飲むとか、ついに炭酸メーカーをネットで買ったとか、
いらない情報で私の脳内ギガを奪わないでほしい。

そんなジジイがこの日は機嫌がよかったのか。
照れながら言い訳をしていたので。
なんだこのジジイめ。
と。

どうでも良いが。
かまってやんないよ?

ちなみにジジイと大きな声で発音すると。
私が悪者のように扱われるので。
G
と陰で呼ぶことにした。

なぜこのGをこんなにディスるかというと。

それは異動で配属された現在の担当部所が、経験のないものを取り扱うところだった。
(流通業界なので、現場から、商品を管轄する裏方へ回った。)
ほぼ転職といってよい状態で。
現場が長かったキャリアのワタクシを放り込んで放置(私はそう思っている)したから。
質問には的確に答えてもらえず。(Gは経営者なので私の担当の詳細は分からないからだと、おととしやっと気付いた)
右も左もわからない状態だった私は頼る人がいなかった。
誰を頼れというアドバイスもなかったので、非常につらかった。

ほぼ恨みに近い状態で日々を過ごしたから、このGを敵とみなしている。

今、丸4年経ってやっと自分色が出てきた。
3年目に入ると、取引先の担当がベテランおじさんたちに変更となり、私は質問に答えてくれる人材を確保できたことが大きい。

だからか、最近うまく立ち回れるようになってきた私。


それでも会社のトップからのダメ出しは多いし、はっきりと方向性出さないし、責任の在りかを不透明にする。

ちょっとカチンと来るような言い方をGにされれば、しれっとした返事をし、その場を
去るし、嫌な顔をあからさまにし、相当腹が立てばジッと見る。
基本無言なので、文句あるかなんて言わせない。
(※お仕事なのでやるべきことはちゃんとやってますよ。現場にいたときは、嫌な顔は基本出さないようにしていました。)

意外とこれは効く。
そして、しゃべってやんない。

仕事の話はするんだけど、基本雑談はしない。
だって話すと楽しい人たちは他にいっぱいいるから。

ちなみに。
図々しい私は。
このGに自分が使った湯呑を洗わせたことがある。
給湯室のシンクをGがお使いになられていたので、洗っとくよ、との事だけど。
その後、
ある部品を持っていないかと聞かれ、離れた別の場所に停めてある社用車に取りに行かせたりとか。
この日は商談中で、そして寒いから外へ出たくなかった。

割と雑に扱った。
可愛そうなG。
しかも最近、寂しかったのね。
以前より当たりが柔らかくなった気がするけど。
私にはカンケーないからどうでもいいや。

まあ、Gくらいになると、いじられて喜ぶお年頃。

いつもぴしりとスーツを着て。
カッコつけてる。
白髪交じりのミディアムカットをかきあげて。
ICOSをくわえる。

たまたま休日に現場へ出ていた時に見かけた私服はダサくて。
老眼鏡のGだけど。

年に一度のバイイングに行く姿は。
ほんの少しだけ。
あこがれる。
私の知らない世界で闘うG。
階段で転ばないように出張へ行ってね。

同じく、Gも現場上がりの私の仕事を知らないのだけど。
そんな私は慣れない出張先の地下鉄にドギマギする。

今日の分はこれくらいにしておいて。

本日もたくさん働きましたね。
あなたも私も。
お疲れさまでした。
おやすみなさい。




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