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「春の熊くらい好きだよ」って言われてみたい #1 告白のような

『ノルウェイの森』の中に、大好きな一節がある。


「もっと素敵なこと言って」
「君が大好きだよ、ミドリ」
「どれくらい好き?」
「春の熊くらい好きだよ」
「春の熊?」と緑がまた顔を上げた。「それ何よ、春の熊って?」
「春の野原を君が一人で歩いているとね、向こうからビロードみたいな毛なみの目のくりっとした可愛い子熊がやってくるんだ。そして君にこう言うんだよ。
『今日は、お嬢さん、僕と一緒に転がりっこしませんか』
そして君と子熊で抱き合ってクローバーの茂った丘の斜面をころころと転がって一日中遊ぶんだ。そういうのって素敵だろ?」
「すごく素敵」
「それくらい君のことが好きだ」
緑は僕の胸にしっかりと抱きついた。「最高」と彼女は言った。

タイトルはそこからいただきました。

私は、村上春樹の小説に繰り返し出てくる、作家の分身のようなひとのことが大好き。
負けを認めていて、無力感も知っていて、でも「俺はオレだし」と肩の力を抜いてやれてしまうところがかっこいい。
人生で、お金もうけがうまくいかなくても、このひとのそばにいられたら、たぶん幸福。
このひとに会いたくて、村上春樹作品を読んでいるような。

これから、このひとのことを思いながら、ときどき読書感想文を書いてみたいと思います。
よろしくお願いします。

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