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伝えるもの、伝わるもの。

先日アップした追分日出子さんの本と連動しているのだろうと思いますが、小田さんの2022-2023のツアーに密着したライブドキュメンタリー「こんどこそ、君と!!」が放送されました。

この本についての感想はこちらに。

元旦に放送されるはずが、地震のために昨日に変更されたそうで、まさにこのツアーが直面したあれこれを引きずっているようなエピソードですね。放送されてよかった。

映像は雄弁です。僕がテキストベースのサイトスタートだから余計にそう思うのかもしれないし、いや、そもそもテキストベースが好みだからでしょうね。映像は、それだけで言葉を超えてしまう。言葉の何倍もの情報を持っているから、逆に言えば、力のない人間にはコントロールが難しい。誰でも簡単に撮れる今だからこそ余計にそう思います。

一方で。文字だからこそできることもあると思っています。文字はさらに難しいですね。昨今の炎上云々は、そのコミュニケーションの難しさを象徴していると思います。

今回それをとても感じたのはスタッフによる小田さんへの歌のプレゼントの一幕。

このエピソードは当然追分さんの本にも収録されていました。

小田さんは翌日のMCでこのことに触れ、言葉に詰まってしまいます。

テキストベースで読んでいることの良さ、それは時間の流れを受け手がコントロールできること。

簡単に言うと、僕が追分さんの本を読んだ時と、実際のステージ上の展開には時間差があったということです。「間」ですね。間の取り方。ステージ進行中のこと、小田さんの性格、感極まった時のリアクション、いろんな要素でしゃべるスピードや間の取り方は変わるけど、この時ははやかった^ ^僕は本読んでもっと間があったのかと思ってた。

何が言いたいかというと、それが本の良さだなって改めて思ったってことです。実際には小田さんならどうするかと思っている僕の間なんですよね。

それが一番印象的だったこと。

2番目。コロナ禍で始まった2022年のツアー。あれだけの人がいながら誰も喋らない異様な会場。テレビで見ていて思わず息を呑んだくらいだから、あの中で平気な顔して進めていくことにどれだけの強いメンタルが必要だったか。声のない世界は、エンターテインメントには合いませんね。

3番目。小田さんも年齢を意識しているということ。「長生きして」のカードに苦笑いする小田さん。亡くなった有賀さんへの気持ち。次のツアーができるかわからないと思うこと。コロナ禍が僕らから奪った3年間は本当にすべての人に影を落としていると思います。願わくばまだまだ続けて欲しいですね。

ギター的にはD-28にM-1actveを搭載していたのでびっくり。リハーサルの時点ではanthemだったのに、別個体なんでしょうか?

まるで追分さんの本がこの番組のガイドブックであったかのようで、とても見ていて感慨深い感じでした。ドキュメンタリーってas it isかどうかがポイントだと思っているけど、そうだとしても伝わるものはmore than itなことがあるなあと思った夜でした。

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