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保育園看護師の基礎知識       ベストバイ・看護、医学書関連本


「健康な子ども」を対象としている保育園で看護師が呼ばれる時といえば
『転倒して擦過傷、手足、頭の打撲、噛みつき、引っかき傷、爪の割れ、
歯痛、口腔内のケガ、目や鼻・耳に異物入った』などのケガに関すること、『発熱、嘔吐、下痢、発疹、蕁麻疹、目の充血、水疱、アトピー性皮膚炎の痒み』などの病気に関することの対応や今後の見通し、原因、対処法などについて聞かれたり、お迎えが来るまで様子をみることだと思います。

このように幅広い分野の知識、経験、処置、手当や対応が必要になりますが、ほとんどは「緊急に受診が必要」ではありません。
なので、あまりくわしい医学書や看護専門書は必要無いといえます。
そんな「保育園看護師」をするのに知っておくと役に立つ、参考になる本などをご紹介したいと思います。

1.頭の切替からはじめてみよう!

園長の「保育園は元気な子どもの来るところだから!」と言う話から、
とりあえず買ってみたのは
・PriPriブックス
 最新版子どもの病気・けが 救急&ケアBOOK
・ナツメ社保育シリーズ
 0~5歳児ケガと病気の予防・救急まるわかり安心BOOK


保育士さん御用達の出版社が出している『よくあるケガの手当と病気』に
ついてまとめられた簡単な本です。(最近も改訂版が出たと思います)
まずは
・ここは病院じゃない、機材も薬も無くたって手当は出来る!
・衛生・不衛生は(あまり)考えなくていい!と、看護学校や病院でたたき込まれた常識や考えを切り替えていきましょう!
しかし、毎日の現場ではそれだけだとちょっと心許ないなぁ・・(;゚д゚)(v_v)
次に選んだのは

2、《学校保健の先駆者》養護教諭を見習え!

養護教諭と仕事内容が似ている事に気が付いてからは
『健康教室』『健』などの養護教諭専門誌の他に

・すぐに使えてよくわかる養護教諭のフィジカルアセスメント1,2
・新版ここがポイント!学校救急処置 基本・実例、子どものなぜに答える
・学校の応急処置がよくわかる 緊急度の判断とその対応
・学校の感染症対策 改訂増補版


これら『養護教諭の本』を読み出しました。
保育園と同じように医者不在、医療機器なし、薬使えない、医療関係者は
自分ひとりしかいない。
そんな学校で養護教諭は「何をどのように観察、アセスメントしているのか?」、「子ども達のケガや体調不良を訴えてきた時に診るべきポイントや気をつけること」、「保護者対応は、どのようにすべきなのか?」を学ぶのに役立ちました。

3,保育士も保育園看護師も知るべき救命救急

看護師に限らず、【保育園の業務】にあたるなら、これくらいは理解できて無いとダメでしょう!!っていうのは

ひろばブックス
☆0、1、2歳児を守る 実践保健マニュアル
☆保育+救命 保育者のための安心安全ガイド
 著者 遠藤登


園に保育雑誌をもってくる業者さんが新刊見本として持ってきたので知り、園の図書費で購入してもらい職員用本棚にも置いてあります。
(自分専用にも購入済み)

4,専門職として知っておきたいこと

感染症予防のための「ワクチン」についての勉強におすすめ!
もしも反ワクチン派がグダグダ言ってきても的確に反論できるように

☆小児科ママとパパのやさしい予防接種BOOK
  著者 森戸やすみ 宮原篤


・ねころんで読めるシリーズより
「ワクチン」知ってるつもりがくつがえる医療者のためのワクチン学入門書
 著者 笠井正志
(ねころんで読めるシリーズより
 「CDCガイドライン」1~4巻 著者 矢野邦夫 も面白いですよ)

※ワクチンのサイト(VPDを知って子どもを守ろう等)をときどき見て、
スケジュールに変更がないか?追加されたものがないかを確認するのも大切です!

5,看護師ならではの視点で診るために

やはり保育園看護師として求められることのひとつに
症状から「緊急性があるのか?」(受診が必要なのか)や、
「感染を広げる可能性があるものなのか?」を見分けたり、アセスメントしてゆく力が求められていると思います。
経験も大切ですがまずは知識をつけるとこからはじめましょう!

・クリニックナースがナビゲート 子ども外来ケア
 著者 伊藤舞美 
・これからの小児救急電話相談ガイドブック
 著者 福井聖子 白石裕子
・ナースが知っておきたい小児科でよくみる症状・症例ハンドブック第2版
 編著 横田俊一郎 山本淳 
・小児のギモンとエビデンス
 著 堀向健太 作画 ぼく

また、病院受診するほどではないけれどホームケアでできることを保護者や
保育士にわかりやすく伝えるには以下の本も読んでおくといいですよ
・ママ&パパにつたえたい子どもの病気ホームケアガイド
 (日本外来小児科学会編著)
・ママとパパの赤ちゃんと子どもの病気ホームケア事典
・マンガでわかる!子どもの病気・おうちケア

6,保育でもなく、医療専門誌でもないけど

また、保育や医療系雑誌のどちらとも違う「一般の子ども」を対象にしてる
子どもの保育と育児を支援する雑誌
 ☆チャイルドヘルス <診断と治療社>

独自の視点で毎号興味深い特集があります。
感染症対策、ワクチン、けいれん等の気になるテーマが特集されているとき手にしてました。

7,ちょっと難しい?!お医者さんの書いた専門書

風邪などでしょっちゅうお休みしてしまい、なかなか継続安定して保育園に通えない子どもがいるのに気がついて『免疫力』ってどうしたらつくの?
どういう仕組み?という疑問から読み始めて面白かったのが

・1テーマ10分 休み時間の免疫学 第3版
 著者 齋藤紀先
・好きになるシリーズ「好きになる免疫学 第2版」
 著者 萩原清文  監修 山本一彦
・絵でわかる感染症withもやしもん
 著者 岩田健太郎

これらは保育園看護師の仕事内容には直接関係無い本で、
医学生向けに専門の医師が書いたものなので、そんなに簡単な内容ではないのですが(私にとっては(;^_^A)
人体(免疫機能)ってスゴイ!と改めて思いました。

8,言葉よりイラストだから伝わる事もある

新しい本ではありませんが、『けいれん』の種類について、
わかりやすく特徴を表したイラストがあるので

・健康ライブラリー イラスト版 子どもの危ないひきつけ・けいれん
 監修 金澤治

園でけいれん発作を起こした子どもが出た後の職員会議で説明するのに使いました。(言葉での説明下手、絵も描けない私にとっては救世主でした)

<おまけ>予算があれば・・

病気がみえるシリーズより
 ☆『小児』「運動器、整形外科」「血液」


これはベストバイに入れるか?迷いました。
だって、
転んで擦りむいただけなのに昔のツテでD-MAT呼んで来ちゃった。みたいな  感じだから・・。(伝われ~)
つまり、「健康な子ども」が集まる園に「ガチの医療レベルの解説」は不要なんですよね。
でも、稀に大病や、大怪我をして入院加療が必要になる場合もあるので、
その際の理解のためにぱっ!と調べるのに役立ちます。
ちょっとお高いので余裕ができてから購入でもいいと思います。

<まとめ>

以上、これまでに私が読んできた本の中から
特に印象的な本、役に立った本、直接関係ないけど興味をもった本や、
おすすめ出来る本(☆付けたもの)をまとめて紹介してみました。

保育園看護師をはじめて3年くらいは手取りの2~3割を
毎月「本や雑誌代、保健指導用の絵本、紙芝居購入」につぎ込んでました。
もちろんすべて新品では購入しきれないので、ネットフリマや古本屋には 本当にお世話になりました。(今もかかせない)
そこまで入れ込まなくても十分勤まる方も多いと思いますが、
嫌々やらされた勉強と違ってイザッというとき「子どもたちを守る武器」になる知識を広げることはとても楽しいものです。

他にもいい本はあると思いますが、とりあえずはここまで

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