わたしとは誰か─マンダラとは何か

こんにちは、RooKです。

台風が近づいている大阪にて、風雨の音を聞きながらマンダラ博佛館という本を読んでいました。

わたしの絵は、曼荼羅と乙女をモチーフにしたボールペン画です。
その、曼荼羅とは？ を、より深く考えるために図書館で借りた一冊。イラストを交えてのインドの神々の紹介と共にマンダラについて書かれていました。

わたしの中の曼荼羅とは、
宇宙の真理を表した多重の円からなる図。

マンダラ博佛館では、マンダラ(mandala)とは円形の、円いという形容詞であり、球形の物や円を指している。また、壇、界、場、地となる。

まずは言葉の意味の説明からはじまるものの、呪法や宗教などに利用されるようになったマンダラについてさらに踏み込んでいく内容でした。
インド神話、仏教、その他の宗教なども含めてマンダラとは何か、を突き詰めて行くのですが
読んでみて、わたしの中での定義は間違いではないなと感じました。

仏教でのマンダラは、仏さまが配置され、いくつもの円が仏さまのおられる世界を表し、宇宙を構成しています。
仏さまを描かなくてもマンダラなのかといえば、見えなくても存在する、その中に感じることができるならマンダラと呼べる。そう思いました。

一見すれば、わたしの絵の中にあるのは、ただの幾何学模様と見なすこともできますし、レースみたいな模様とも言えるでしょう。
でもわたしは、曼荼羅を描くとき、心を空にして、神経を研ぎ澄まして、持てるすべてのエネルギーを注ぎ込むようにしています。

ただの繰り返しの模様のなかに、神が宿るように。

そこを目指しているためただの模様として、飾りのために描いているわけではありません。
だからわたしの絵に描いているのは曼荼羅なのです。マンダラを吸収し、自分の中で分解、整理、理解をして再構成しているから。

宇宙を、世界を図式に表そうという試みが、曼荼羅であるという定義となります。

なにが正しくて、仏教伝来のマンダラとは違うと指摘されたらそうかもしれませんが
ではマンダラとは何か？ という問いになります。
わたしは、わたしの解釈をすでに書きました。

他の方には他の解釈があったとして、わたしはそれを否定する気はありません。
それもマンダラであり、これも曼荼羅だと。言葉の意味が時代により変化していくように、何かひとつを正しいとして狭く伝えようとすると衰退の恐れがあります。
だから新しい解釈をして、別な表現により幅を広げて伝えていくことも進化という意味で大切なのではと思います。

ただ、自分の解釈をがっちりと抱え込んで、ずっと離さず持っていようとは思いません。
また折を見て仏教のマンダラについてさらに学び、そこから感じとれたことを吸収していきたいとも思います。
そうしてわたしなりの曼荼羅を描いていきたい。

どうして、そう曼荼羅にこだわるのか？
…というと、わたしはかなりの強度近視なのですが、眼鏡やコンタクトレンズがない裸眼だと光がぼやけてただの玉のように見えるのですよね。
写真でいう、玉ボケという現象です。

風景のなかに浮かぶぼんやり光る玉が、わたしには世界を構成する【何か】に感じられ模様のように見えて、そこから、宇宙を表すマンダラへと繋がったのです。

初めから知っていたのではなく、外を見て、感じたことから色々と調べていくうちにマンダラへと繋がっていったのです。
最初は神聖幾何学から、感じたことを図形に落とし込んでいくという流れに入りました。
神聖幾何学とは、シードオブライフやフラワーオブライフのことです。

コンパスを使い、不思議で美しい図形を描くのが楽しくて夢中になっているうちに
曼荼羅、という定義がわたしの中でしっくりと落ち着いたのです。

曼荼羅とは何か。
万物のなかに宿る生命の真理。
それは宇宙を構成するもの。
ミクロからマクロへと繋がる壮大なロマン。

まだまだ、その神秘性を表しきれていないと！ その魅力を表現しきれていないと！ 思うので、精進していきます。
わたしは、曼荼羅を描く者。
曼荼羅を通して、世界の美しさに迫る探求者。

わたしとは誰か、と問いかけられれば、そんなことをお返ししたいと思います。

アーティストは自分の描く絵について何を描いたのか、何をテーマ、コンセプトとして世界を創っていこうとしているのかを明確に説明できないといけません。
海外ではそこに自分があるのかないのか、でアーティストを支援するかどうかを判断するとも聞きました。

これはアーティストとしての話だけではなく…自分が誰なのかを答えられるほうが変化を続ける世界では生きやすいかと思います。