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「牛乳は身体に悪い」はデマだった

分子栄養学などで、牛乳有害説を聞いたことがありませんか?
あれは、デマのようです。
一般社団法人Jミルクさんが、丁寧に説明してくださっています。

1.超高温殺菌により、タンパク質が変性してしまう

変性するが、その変性は僅かで、栄養価値が損なわれることはない。

【Jミルクの見解】
一般的に、タンパク質は加熱することによって「変性」しますが、牛乳を殺菌する程度の温度では、その変性は僅かなものです。その変性も、タンパク質全体の構造が変化するのであって、構成している各アミノ酸が壊れてしまうわけではありません。
必要なのは変性前のタンパク質そのものではなくて、個々のアミノ酸なのです。「変性」により消化できなくなるわけではありません。肉や卵に含まれるタンパク質も、焼いたり温めたりすることで「変性」しますが、それによって栄養的価値がなくなるわけではなく、むしろ「変性」によって消化酵素の作用を受けやすくなり、消化・吸収されやすくなります。牛乳中に含まれるタンパク質も同様で、加熱によってタンパク質源(アミノ酸源)としての栄養的価値が損なわれることはありません

2.牛乳に含まれるαカゼインは消化されにくい

ヒトのタンパク質分解酵素はα型、β型どちらのカゼインも消化することができるので、消化されにくいということはない。

【Jミルクの見解】
タンパク質はアミノ酸がたくさん繋がった構造の化合物です。タンパク質は三大栄養素の一つですが、人間が本当に必要としているのはそれを構成している個々のアミノ酸です。食物からタンパク質として摂取し、消化管で個々のアミノ酸に分解・吸収し、血流に載って隅々の細胞に運ばれ、DNAに記された設計図に基づいてアミノ酸をつなぎ合わせ、必要なタンパク質を再合成するのです。このために私たちは「タンパク分解酵素」を持っています。ヒトのタンパク質分解酵素はα型、β型どちらのカゼインも消化することができます。人間が牛乳を栄養源として利用する上で、牛乳中の酵素を利用する必要性はありません。体内にもつ酵素によって十分にアミノ酸にまで分解でき栄養として役立てることができます。

タンパク質にはいろいろなものがあり、その種類によって栄養的価値も異なります。それらの栄養的価値を評価する指標として、アミノ酸価と生物価がよく用いられています。前者は、タンパク質を構成しているアミノ酸のバランスがどれだけヒトが必要とするアミノ酸のバランスに近いか、の指標であり、後者は、食したタンパク質量のうち、どれだけが実際に消化・吸収されてヒトの体内で利用されるか、の指標です。乳タンパクは他の食用に供される一般的なタンパク質に比べて、両指標とも非常に高い価であることが示されています。

カゼインは水に溶けないタンパク質です。牛乳中に含まれるカゼインは溶けているのではなく、非常に細かい粒子が均等に分散し、安定してその状態が保たれています。カゼインはそうした性質を持つタンパク質です。

ところが、カゼインは酸性にすると凝固します。この状態のものをカードと呼びます。胃の中は酸性ですから、牛乳は胃の中に入ると凝固してカード状になります。カゼインはこのように胃の中で凝固しますが、それで消化が出来なくなるわけではなく、十二指腸や小腸へ進む中で、ゆっくりと確実に消化は進みます。

カゼインはカルシウムの吸収と非常に深いかかわりのあるタンパク質です。ゆっくり消化されていくことで、カルシウムの吸収効率を高めるうえで意味があると考えられています

3.牛乳はマグネシウム、カルシウムバランスが悪いので身体に悪い

牛乳のマグネシウムとカルシウムバランスは、1:11となっています。
マグネシウムとマグネシウムのバランスは1:2~3が良いと言われています。しかし、この比率に対するヒトでの確実な根拠は今のところないそうです。
また、私の見解ですが、牛乳だけで栄養を充足するわけではないので、マグネシウムは別途ナッツなどで補給すればよいと思います。

【栄養素の通になる第4版 女子栄養大学上西一弘著より】
カルシウムと拮抗してさまざまな働きをすることなどから、「カルシウムとのバランスが肝要で、マグネシウム1に対してカルシウム2~3がよい」といわれています。しかし、この比率に関するヒトでの確実な根拠はありません。


参考

上記に書かれていない疑問についても、以下で回答しています。牛乳は身体に悪いというウワサのほとんどについて回答しているので、是非ご覧ください。


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