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【9月度】建築の見方を広げるnote8選

9月に投稿された建築系noteのおすすめ8選をまとめました!
新たに参入される方も増え、建築系コンテンツがますます盛り上がりを見せていますね。
「たくさんありすぎてどれを読んでいいかわからないよー」という人のために、ロンロ的におすすめなnoteを選んで紹介していきます!

* * * * * *

こんにちは、ロンロ・ボナペティです。
早速9月分のまとめを紹介していきます!
7月・8月に続き以下のような基準で選びました。

推薦文とともにご紹介していくので、気になったものからぜひ読んでみてください。
※掲載順は投稿順にしています。


①屋根のはなし/kengoさん

kengoさんは工務店で設計の仕事をしたいと日々励む建築学生。アトリエ系の建築事務所ではなく工務店を選ぶのは、
「そこまで建築に興味がなかった人たちが建築に少しでも興味をもつきっかけに自分自身がなるため」
という想いから。建築の面白さをたくさんの人に広めたいと願うロンロさんとしては、kengoさんの想いにはとても共感します。そんなkengoさんの書くnoteは、どれも建築のあれこれをとてもわかりやすく紹介してくれています。

皆さん、ご自身の家の屋根ってどんなものだったか覚えてますか?

そんな問いかけではじまるこちらのnote。マンションやアパートであればフラットルーフという方が多いでしょうか、戸建ての方は「そう言われると思い出せない」という人も多そうです。普段生活している家ですら、そこまで注目して見ていないということですね。
たくさんの要素から成り立っていて難しそうに思える建築も、屋根に注目してみることで少し身近に感じられるのではないでしょうか?
サクッと読めてハッとする、美しい文章です。


②ヨーロッパでみつけた街灯/杏さん

杏さんはイタリアで生活するプロダクトデザイナー。
このnoteでは、そんな杏さんがヨーロッパの街を旅して見つけたお気に入りの街灯を紹介してくれています。
街灯は町並みを構成する重要な要素のひとつですが、普段ほとんど気にすることはないですよね。同じものを大量に並べるうえに凝ったデザインにしたところであまりメリットもなさそうなので、経済合理性が最重要という気がします。勝手なイメージですが、日本では無味乾燥な面白みのないものが並んでいるところが多いのではと思ってしまいます。
けれどもここで紹介されている街灯はどれもかわいらしくデザイン性の高いものばかり。杏さんが「ミラノで最もお気に入り」という街灯は、歴史的建造物の存在感にも負けない、けれど決して邪魔もしない佇まいが美しいです。
なぜヨーロッパではそんなことが可能なのか、考えてみるのも楽しいかもしれません。
「日本でもかわいらしい街灯を見つけたよ!」という人がいたら、ぜひ教えてください!


③『Marvel's Spider-Man』で巡るNY建築探訪/FUKUKOZYさん

FUKUKOZYさんは建築系の出版物を手がける編集者です。以前「建築好きならフォローしておきたいアカウント12選」の記事でもご紹介しました。
本記事はPlay Station 4用ソフトとして発売された『Marvel's Spider-Man』のプレイレビュー記事。といっても「Marvel's Spider-Manはこんなゲームです!」と紹介するチュートリアル的なものでも、攻略法を紹介するものでもありません。
このゲームは公式サイトによれば、「超人気スーパーヒーロー、スパイダーマンとなり、広大な都市を縦横無尽に駆け巡りながら犯罪と戦う」戦闘アクションゲームだそう。そしてその舞台として、かなりのハイクオリティで再現されたニューヨークが設定されています。
ニューヨークは名建築の宝庫ですね。となれば建築好きのわれわれとしては名建築散歩を楽しむほかありません! 悪者の退治はそっちのけでニューヨークの空中散歩を謳歌するヒーローの雄姿をぜひご堪能ください!


④旅する都市計画/ブラウンスイスさん

ブラウンスイスさんは、都市計画についてのnoteを書かれています。建築のことを発信されているnoteユーザーはどんどん増えてきましたね。しかし都市をテーマにしている方はなかなか見かけないので、ブラウンスイスさんは注目ですよ。
複雑な制度や法律から成り立っていて難しい、わかりにくいと思われがちな都市計画のお話しを、概要を大づかみに理解できるようにかいつまんで説明してくれています。都市あっての建築ですから、僕も勉強させていただきます。
本記事はドイツにある都市、フライブルクを都市計画の視点で書かれたバーチャル旅行記。
...え、バーチャル?
そう、ブラウンスイスさんはフライブルクに訪れたことはないそうです。いまはネットで世界中の都市の情報が得られますし、グーグルストリートビューなどで行ったことのない街を散策するのも楽しいですよね。たださすが都市計画の専門家だけあって、写真から見て取れるフライブルクの街並みの特徴について、なぜそのような景観になっているのかを読み解いて紹介してくれています。
ぜひシリーズ化してほしい企画ですね!


⑤お金がなくなる恐怖心/高橋寿太郎 | 創造系不動産さん

高橋寿太郎さんは、建築と不動産のあいだをつなぐ創造系不動産の代表をされています。
建築家の建てる建築も不動産の一部ですが、建築的価値の高い建物が不動産的価値も高いかというと、必ずしもそうとはいえない状況にあります。
これは建築と不動産がそれぞれ別々の進化を遂げてきたため。過去にも建築界では高い評価を得た作品が数年で所有者の意思や再開発の波に飲まれて取り壊されてしまうなどといったことが起こっています。反対に不動産としては大成功を収めた物件も建築界では見向きもされないということもありますね。
その両方を理解して相乗効果で価値を高めていけたら、建築家にとっても投資する側にとってもたくさんメリットがありそうですね。
そんな取り組みをしているのが創造系不動産。こうした新しい取り組みを広く知ってもらうため、代表の高橋さんがnoteを書かれているのはとても意義のあることだと思います。
今回の記事は、建築や不動産を考えるときに必ずついて回るお金の話。
とても重要なことですが、なかなか気軽に人に話せることではない、けれど不動産に関わる高橋さんからするとクライアントと一緒に考えていかなければならない問題だったりします。
そのあたりの葛藤と試行錯誤が書かれていて、不動産のことを少し身近に感じるnoteでした。


⑥建築学生が3Dプリンタを買ってみた/赤川ひでさん

赤川ひでさんは建築を学ぶ学生さん。
大学で建築を学んでいると、設計課題に取り組むなかでさまざまなことについて調べたりいろんな人に話を聞いたり、建築以外のことについてたくさんの知識を身につける機会に恵まれます。と同時に、自分の考えた建築をプレゼンテーションするためにIllustrator やPhotoshop をはじめ、他分野にも応用できるツールを使いこなさなくてはいけません。
僕は常々、建築に真剣に取り組んだ人はどんな分野でも活躍できる人材になれると思っていて、実際僕の周りでも大学を出た後建築以外の分野に飛び込んでいった人がたくさんいました。
このnoteは赤川さんが大学で身につけた3Dモデリングソフトと3Dプリンタの技術を使って、建築以外のものをつくってみることに取り組んでみた記録。
一度作って失敗してしまったものを、対策を練って改善していく過程はこれからやってみようという人にも参考になりそうです。
今後の制作も楽しみですね!


⑦ならいごとの旅 in 台湾(5)台湾茶を学べる素敵な農家たち/里山文庫 まえだちさとさん

まえだちさとさん、プロフィールがちょっとすごいので貼り付けておきます。

オランダとインドで有機農業を学び、ブータン国土100%オーガニック計画に携わる。帰国後、全国の山村を訪ね歩き、古老から伝統農法や発酵食を学ぶ。薬草文化発祥の地、宇陀へ移住。食と農の通訳案内士・翻訳家。

noteでは各地の食や農事情を取材したレポートなどを書かれています。いずれも都市部や観光地ではなく、昔ながらの暮らしが営まれている地方が取り上げられています。
現地の農家の方々と密なコミュニケーションができるのは、専門知識があってこそですね。だれにも真似できない、まえださんにしか書けないものだと思います。
文化の根底ともいえる食文化が昔ながらのかたちを止めているところでは、都市や建築もまた昔ながらの様子がうかがえるという点も見逃せませんね。
さて今回の記事は台湾のお茶農家のレポート。日本からの旅行先として人気が高い台湾は、アクセスが良いこともありリピーターも多いのではないでしょうか。
行きたいところは行ってしまった、みんなとは違う旅をしてみたい、そんな方はぜひこちらをご参考に。
雄大な自然のなかにある美しい茶畑や、工場併設のところなどさまざまな茶畑が紹介されています。民宿として泊まれるところもあるそうですよ。


⑧4章 未来の建築家へ愛をこめて、SYSN(主らのタイプ、研究するとえーで)/ペリカン建築家さん

ペリカン建築家さんはさまざまな建築家の取り組みを分析しその価値を伝える活動をされています。ペリカンさんについても「建築好きならフォローしておきたいアカウント12選」の記事で紹介しました。
建築家への対価としての設計料値上げをスローガンに、twitter、noteでの発信やLINEスタンプの制作、最近ではVR建築へも参入するなど意欲的に活動されています。
建築家愛あふれるペリカンさんの言葉に、励まされている方も多いのではないでしょうか。
今回のnoteは「建築家の未来は明るいSYSN(そろそろ、やらまいか、設計料、値上げや)」をテーマに、これから建築家を目指す若い人たちに向けて書かれた全5章のうちの第4章。
既存の建築家を5つのタイプに分け、それぞれの特徴を漫画キングダムの登場人物に例えて解説しています。
そしてこれから建築家を目指すならどのタイプになりたいのか、そのためにはどんなことに取り組んでいくと良いのか、意識する必要性が語られています。
「あの建築家はどのタイプかなぁ」と想像してみるのも楽しそうですね!


おまけ
先日、9月よりサービスが開始した建築系ソーシャルメディアBAUESの管理人である掛本啓太さんに、創業の想いをインタビューしてきました!
BAUESを使ってどんなことができるのか、建築の未来をどのように変えていきたいのか、面白いお話がたくさん聞けたので、そちらもぜひご期待ください!!

来月も建築の面白さをひろげてくれるnoteを紹介します。
お楽しみに!

最後まで読んでいただきありがとうございます。サポートは取材費用に使わせていただきます。