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RONI
2022年8月27日 19:01
彼女と初めて会ったのは、10月12日。もうすっかり秋は深まっていたのに、彼女の柔らかな亜麻色の髪が、春の西日を思い出させた。そう、このがんセンターの庭で、あの日一人包まれていた黄金色の、でも眩しすぎない暖かな光。ここは室内なのに、彼女の揺れる綺麗な毛先に、あの日と同じ西日が照り映えている気がした。私はコミュ障である。私の愛読書は匿名掲示板のまとめサイトなのだが(そしてこの時点で色々とお察し
2022年8月11日 19:01
29歳、春。その視線は、蛇の舌のようにほんの一瞬…しかし確かな湿度と鋭さを持って飛んできた。目立つことは嫌いではない。というより、幼少期から目立つことに慣れざるを得なかった。幼い頃から1人だけ、細かい縦ロールになってしまう天然パーマのせいで、見られるに限らず笑われる、触られる、指を指される、国籍を間違われるのは日常茶飯事だった。私は真面目しか取り柄のない子供だったので中学3年まではストパー禁