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血液型は性格と関係がある?ない?【おもし論文】

「私何型に見える?」「んーしっかりしてるからA型!」
なんていうような会話、一度はしたことがあるのではないでしょうか。
みなさんそれぞれの血液型になんとなくこんな性格かなあといったイメージがあると思います。

しかし一方で、「人間すべてが4種類の性格に分けられるはずがない!」「血液型と性格は関係ないらしいよ」といった噂も…

そこで今回ご紹介する論文はこちら。
「血液型と性格の無関連性ー日本と米国の大規模社会調査を用いた実証的論拠ー」
(著:縄田健悟)
です。


結論!血液型と性格は無関連である!

結論から申し上げます。無関連です。
そもそもこの研究は、血液型と性格が無関連であることの根拠を示すことを目的として行われたものでした。

国内外ともに、心理学の研究によって無関連であることは指摘されていましたが、2008年に「血液型自分の説明書シリーズ」が年間売り上げTOP10に入るなど、流行が去っては再燃するといったことを繰り返してきました。

筆者も、A型説明書を「わかるわかる!」とわくわくして見ていました。
しかし、無関連なのです。


研究の概要

この研究では日本とアメリカでそれぞれデータ収集を行いました。
2004年度では日本で約3000人、アメリカで約5000人からデータを収集。
2005年度では日本で約3800人からデータを収集できたようです。

2004年の日本データでは、21項目中20項目で血液型間の有意差は見られなかったようです。
唯一有意差がみられた「子供の将来が気にかかる」に関しても、ほぼ無視できるほどの差しか生まれませんでした。

次に2004年のアメリカのデータ。
21項目に対し、19項目は有意差なし。「ほかの人の生活水準を意識している」「子供の将来がきにかかる」の2項目も、日本と同じくほぼ無視できる差であったようです。

最後に2005年の日本のデータです。
26項目に増やしたアンケートでしたが、すべてにおいて有意差はみられませんでした。


ほぼ無視できるといっても…

一応血液型間での差はあるじゃんって思った方、いらっしゃいますか?

上に述べたアンケートの項目、合計68項目において検定を行えば、無関連であっても66.7%の確率で3項目以上が有意となるそうです。
よってこの論文ではごくわずかな有意差が生まれたのは偶然だと解釈しています。


ここまでくれば、A型説明書を信じて疑わなかった筆者でも、「無関係なんだなあ」と実感します…。


ただ、やっぱりどうしてもちょっとは関連があるのではないかと思ってしまいますよね。
もしかしたら、潜在的に性格を自らの血液型のイメージに寄せていっている可能性もあるかもしれないなあと思いました。

最後までお読みいただきありがとうございました。


参考文献

「血液型と性格の無関連性ー日本と米国の大規模社会調査を用いた実証的論拠ー」
(著:縄田健悟)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy/advpub/0/advpub_85.13016/_pdf


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