はじめてのnote。
◆ご挨拶がてら, 今のぼくの目標をご紹介します.
きっかけは, ぼくが「中の人」を務めているbot:可換環論bot @Commalg_bot だった.
最初は, さほど大した考えで始めたわけでもなかった. 実際, 大したアイデアもなかった. 備忘録的な感じで, 可換環論に出てくる基本的な概念、定理や命題なんかを淡々と定期的にポストするだけの, 文字通りのbotだった.
開始から1年とちょっとが過ぎた, 去年の晩秋の頃だった. ぼくは秋口から冬にかけてモチベーションが上がる体質 (つまりは寒さに強く暑さに弱い) で, 自分の運営するbotのことをどうも寂しく感じるようになった. 定義や定理の羅列というのは実に数学系botの正しい在り方だと思うけれど, それだけではどうも面白くないよな……と考えるようになっていた.
この心境の変化には,「ぶな」「ポン酢が合う」「グレ妹」などなど独自のユーモアを交えてグレブナー基底の凄さを語り尽くそうとするグレブナー基底大好きbot @groebner_basis さんや, 洒脱なやり取りで数学研究の最先端の激しさをチラ見せるp進大好きbot @non_archimedean さんの影響がある. 特にグレブナー基底大好きbotさんの登場は衝撃的だった. ぼくもグレブナー基底については多少腕に覚えがある (グレブナー基底が主題の一つである研究論文もある) のだけれど、あの軽妙な文章であれだけの内容をまとめていく咀嚼力とセンスに全く脱帽したのだ.
とはいえ, ぼくも既に, 誰の許可も取らず「可換環論bot」なんて大それた名前を勝手に名乗ってしまっていた. 内輪の事情なんて見ている側には関係ないわけで, 大っぴらに名乗ったからには, ぼくが (またはぼくのbotが) つまらないと思われれば, かなりの蓋然性で「可換環論ってつまらないや」と思われることになる. ぼく個人がつまらないと思われるのは自己責任だから仕方ないとして (実際さほどおもしろくないことは承知している), そのおもしろさに魅かれてのめり込んだ身としては「可換環論ってつまらない」と思われるのは残念至極だし, それを自分が引き起こしたとあっては申し開きが立たないのだ. botを運営する目的がやっと定まった.
「可換環論はおもしろい!」
「詳しいことはわからないけど, 可換環論っておもしろそう!」
一人でも多くの人に, そう思ってもらいたい. それがぼくの目標です.
Twitter数学系bot「可換環論bot」中の人。こちらでは数学テキスト集『数学日誌in note』と雑記帳『畏れながら申し上げます』の2本立てです。