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40代でのスタートアップへの転職は失敗に終わりました

はじめに

2020年の2月、様々な想いを経て今の会社に転職した。日系の中堅企業(大手グループ会社)から外資系スタートアップ(日本数名)への転職であり、当時、新しい環境でチャレンジできることにワクワクして、以下のようなnoteを書いている。

結論、タイトルに書いたように絵に描いたような転職の失敗例となってしまった。ちなみに2月で退職であり、在職期間はちょうど1年だ。いや、本音を言えば失敗も成功も本人のとらえ方一つであり、失敗という書き方は語弊があるだろう。本人が良い経験を積めたと思えばそれは失敗ではないかもしれない。ここでは、あくまでも客観的には失敗に見える、という意味で失敗という言葉をつかっている。

しかし、あれだけ慎重に転職先を検討し、職種、商材、人間関係、ワークスタイル全てにおいて、これだけ自分に適した職場はないだろう、と確信した上での転職で失敗したのだから転職は本当に難しい。

なぜ今回、自分の転職が結果としてうまくいかなかったのか、一つ一つ原因分析していきたい。

誤算1 上司がいきなり退職した

転職の時に私が重視したのは人間関係であり、面接の時にこの上司とはうまくやっていけそうだ、と直感したのを覚えている。面接の時に是非入社して欲しいと言われ、トントン拍子で入社が決定した。ところが、その上司が転職3ヶ月目でいきなり退職した。

その上司の退職後、バーチャル組織で海外のマネージャーが直接の自分の上司になったが、かなりコミュニケーションで苦労した。日本のマーケットの状況を説明しても、うまく説明できないことが続いた。また、補充の人員も入ってこなかったため、単純に仕事の負荷も倍増することとなった。

教訓:人で会社を選んでもその人がいなくなることはある。

誤算2 スキルセットのミスマッチ。新規営業もいけると思っていた

もともと前職ではルート営業が主だったのだが、上司の退職に伴い新規営業にも取り組むこととなった。そもそも外資系スタートアップのため、既存顧客は片手で足りるほどしかなく、必然的に新規顧客開拓の比重が多くなった。

以前記事にも書いたのだが、新規開拓営業で求められるスキルを学ぶのに時間がかかってしまい、かなり苦労することとなった。私は下記のような基本的なことも押さえていなかった。

●新規顧客は会う前に事前調査を徹底的に行う(ルート営業では、事前によく知っている会社を相手にすることが多かった)
●信頼感の構築されていない相手に対してのプッシュ営業の方法

結論、なんだかんだで営業として結果が出せなかったというのが、転職失敗に終わった最も根本的な原因である。活躍できず、結果が出なければどうしようもない。

ただ、ここに関して言えば、まだ成熟していない領域であったのでもう少し長期的な視野で取り組めれば、あと2、3年でもう少し良い結果が出せたのではないかという思いもある。

誤算3 外資はもっと淡々とプロセスベースだと思っていた

自分の中で外資は「結果重視」「人間関係はドライ」のイメージがあった。アマゾンやセールスフォース関連の本でも紹介されているが、洗練された社内プロセスにのっとって仕事をするイメージがあった。

しかし、天才エンジニアの創業した会社なのでプロダクトのコンセプトやアーキテクチャはしっかりしていたが、セールスプロセスやビジネスロードマップなどは何もなかった。これは、スタートアップではありがちなのだが(というか普通)、自分の中ではなぜか外資ではプロセス重視だろうと思い込んでいた。少なくとも日本に進出している時点で、ある程度のプロセスは出来上がっているだろうと思っていた。

何もないところからセールスプロセスやロードマップをチームメンバーとディスカッションしながら作っていくのは、スタートアップの大きな醍醐味ではある。ただ、それを「リモート100%」「英語100%」「日本の文化を知らない人」と実施していくのはあまりにもハードルが高かった。

教訓:外資でもスタートアップはスタートアップ

誤算4 英語はなんとかなると思っていた。

そもそも海外本社への報告は退職した上司が主に担当だったので、英語はなんとかなるだろうと思っていたが、上司の退職後に、私が本社に報告する仕事を引き継ぐこととなった。だが、全く成果の出ていない状況で、営業報告をするのは本当に苦痛だった。報告の度に英語で質問攻めにあい、英語でしどろもどろに説明する日が続いた。状況をうまく説明できず、適切な技術的な支援を求められない状況にストレスを感じる日々がつづいた(いわゆる激詰め)

これは一つ脱線になるのだが、1つ思うことはビジネスモデルが成熟していない段階で社員70名というのは組織としては大きすぎたのだと思う(初期で大規模調達に成功したため大量に社員を雇用していた)。自分に限らず組織間コミュニケーションの問題は絶えない会社だった。技術部署と営業部署の対立という構図は、日本の会社ではよく見る光景だが、外資でも普通に存在していた。

もちろん私の英語の拙さも大きいのだが、リモートの壁や政治的な壁が重なり、完全にうまくコミュニケーションが取れなくなっていた。一時期は全く英語を耳にするのも嫌になってしまった。

結論

結局、社内でうまくコミュニケーションが取れなくなったことが最後には退職の決め手となった。個人として成果が出せない → 社内での立場悪化 → コミュニケーション破綻、という転職失敗の黄金パターンと言えるだろう。

だが、今回の転職は自分で選んだ道であり、妥協せずに選んだ会社なので全く後悔はしていない。本当はもっといいチャレンジが出来たのではないか、と鬱々と思いながら前の会社に残り続けることを思えば、この結果の方がずっと良い。今ではすがすがしい気持ちさえ感じる。

一時期はかなり精神的にやられていたが、もう気持ちも持ち直してきた。次こそはもっとうまくやれる。

(2021/7/17追記)

この記事がインフルエンサーの方に紹介され、多くの人に見ていただいたようだ。後日談もあるので、興味を持たれた方はぜひ次の記事も読んでほしい。


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