メイキング

【製作エピソード】フォトフレームができるまで


先日、ついに販売開始の日を迎えることができたカメラグッズと暮らしのオンラインショップ【Rome .photograph web】のフォトフレーム。

今回はその制作の裏側を綴っていきたいと思います。

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『いつか絶対につくりたい』

とはじまる前から思っていたのがフォトフレームの製作でした。

なぜそう思っていたかというと理由は2つあります。

1)友人の新築祝いをとても悩んだ
友人がおうちを建てたとき、新築祝いに何を贈ろうかなと考えました。
おしゃれで、センスがよくて、でももちろん本人の趣味もあるのでその趣味を邪魔しなさそうなもので。
ありそうでなかなか見つからなくて結局、現金を包んだことがあるのですがそんなときにこのフォトフレームがあったら…私は絶対これにしてた(断言)

2)カメラマンとして写真を飾ることを提案したい
最近、写真は撮ってもプリントせずデータで保管しているというかたが増えています。もちろんそれはすごく便利なことだと思います。
私も音楽はCDではなくデータで持つようになったし、写真だって同じようにほとんどはデータで保管しています。
でもある日、お客様とお話をするなかでおうちに写真を飾っているかたがこのようなお話をしてくれました。

「写真を飾っていると時々なんでもないときに目に留まっておっきくなったな…って成長を感じて嬉しくなったり、さっきはちょっと怒りすぎちゃったかなって反省することがあるんですよね。」

って。素直にすごく素敵だなと思いました。

とはいえ、それまでは独身でひとり暮らしだったのでもはや何の写真を飾るんだ…と思っていたのですが結婚を機に私も写真を飾ることにもっと挑戦することに決めました。

そのときに「おうちのインテリアのセンスに自信がない私のような人でも、おしゃれに飾れるフォトフレームが欲しい」と感じたのがこのフォトフレームを製作したきっかけです。

そんな理由でフォトフレームをつくると心に決めた私ですが、同時に仕上がりまでかなり難航しそうだとも思っていました。

なぜなら額縁屋さんでオリジナルのフォトフレームを注文するときのロット数が最低500から…と"到底個人で注文できるような数ではなかった"し、私の頭のなかにはすでに『こんなものがつくりたい』というイメージがあったのですが、その製作に手間が多くただでさえ"原価が上がりやすい"という状況だったからです。

でも上記のような理由からクリーニングクロスの次に私がプロデュースをするのならばフォトフレーム以外は考えられませんでした。

そしてRomeがフォトフレームをプロデュースするならテーマは絶対これにしようと思っていました。

【はじめて写真をおうちに飾る】

日本のおうちで家族写真を飾る文化ってあんまりないと思っています。
もちろん素敵に飾っているおうちもあるけれど。

なんでなんだろうって考えたけど家族写真をバーン!!って大きく飾るのってなんかちょっと恥ずかしい気もするし、どう飾ったら素敵になるのかといういいお手本もなかなか知る機会がないからハードルだけがどんどん高くなっているというのが私の持論。

このフォトフレームがはじめて家に家族写真を飾ろうというきっかけになったら嬉しいし、私も結婚をきっかけに引っ越してまだおうちのインテリアもあり合わせのものしかないんだけど同じような境遇の人にお気に入りの空間をつくる第一歩になればいいなと思いました。

私はインテリアの専門家ではないけれどインテリア本を読むのが大好き♡
Roomclip(日本最大の部屋のインテリア実例共有サイト)を暇さえあればカタログみたいに眺めては素敵なおうちの写真を保存しまくっています♡

だからそんな世に出ているいろんなおうちからフォトフレームがおしゃれに飾られていると思うおうちを徹底調査!!

そのときにフォトフレームがおしゃれに飾られているおうちの共通点を探したところ、その共通点は【大きさ】であるということに気付きました!

よく販売されているフォトフレームはサービスサイズと呼ばれるL版や2L版が飾れるタイプが多め。
それだと複数飾るとかわいいんだけど、ひとつで決まる!という感じがしませんでした。

ものすごく存在感を主張したいわけでもないけど、ただそこに立て掛けるだけで「なんかいい感じ」に見えるサイズ感を出すため1cm広げたり削ったりしながらサイズも調整しました。

▼最初はダンボールで簡易フレームを作って1cm単位でサイズ調整

というわけで、ここからは実際にフォトフレームが完成するまでの話。

フォトフレームを作ると心に決めた私はまず額縁屋さんに相談に行きました。
額縁屋さんはどのようなつくりかたをすれば私の求めるフォトフレームがつくれるのかという構造の話や写真を飾るのであれば絵とは違いどのようなところに気を付けたらいいのかという具体的な話を教えてくれました。

とてもわかりやすく具体的な話をしてくれたこともあり理想形は早くも頭に浮かびました。

ただそのとき提示された原価は20,000円(白目)

オーダーなのでどうしてもそのものの値段が高くなるのは予想済みでしたがその時点で20,000円だとそもそも販売まで辿り着けない。
最初から難航しそうだと思っていたけれど、改めてこの道のりは長いかもしれないと思いました。
それと同時に思ったことがあります。

『今日は無理だったけど、どこかに方法はある気がする』

なぜか気持ちはとても前向きでした。

そんなときふと思い出したのがある木工の先生。
愛媛県を中心に活動をしていたとき、カメラ講座をするためにお借りしていた場所が木工の先生のアトリエでした。

フォトフレームとなると木の加工+ガラス(またはアクリル等)の加工が必要になるので、そもそも木工職人さんに可能なことなのかもわからず一旦相談をしてみることに。

その相談のなかで先生が紹介してくださったのが今回のフォトフレームを製作してくれた職人さんでした。

何度も電話やメールでやり取りをしてサンプルを送ってもらって、またやり取りをして。

サイズはもちろんですが素材や色や角の取り具合など細部にもこだわりました。
すべてを叶えてくれた職人さんには感謝しかありません。

ちなみに素材でいうとガラスにしようと思っていたフレームのなかの素材はアクリルに変更しました。
なぜかというとフォトフレームを壁に掛けるときの安全性が気になっていたからです。

世界的に見ても日本は地震の多い国。
もしも何かあったときに家族写真の入ったフォトフレームが割れて大切な家族を傷つけるなんていうことは絶対に避けたいと思っていました。

もちろん外れないということがそもそも大事だけど、もし万が一のことを想定して落ちても割れにくい素材を選びました。

そしてフォトフレームはおうちにずっと飾り続けていくもの。
飾り続けるなかで少しの経年変化はもちろんあります(大幅に色が変わるわけではないのでご安心ください)

日当たり・湿度・木材の個体差などの環境の違いですべてが全く同じ色味に経年変化するということはなくそのおうちに馴染んだ色に変わっていくはず。
そのご家庭の色に染まっていくような、家族とともに成長するような、そんなフォトフレームになったら嬉しいなと思っています。

そうして職人さんとつくっていたフォトフレームでしたが、フォトフレームをつくるきっかけになった理由というところでも書いた『友人の新築祝いにとても悩んだ』ということもあり、フォトフレームを入れるパッケージもおしゃれでかわいいものにしたいと考えていました。

イメージはズバリ、撮影データをお渡しするときのCDケース(絵描きさんに毎年Romeだけのオリジナルデザインを描き下ろしてもらっています)と同じ柄を総柄でパッケージ全体に印刷したい!!というもの。

その理想があったゆえに、ここからフォトフレームはめちゃくちゃ難航することになります。

印刷会社に見積もりをお願いしてみるも見積もり以前にパッケージのサイズが大きいのでそもそも総柄での印刷が難しかったのです。
いろんな印刷会社さんにお断りのメールをいただきました。

そんななか、ある貼箱屋さんがこのツイッターでの投稿を見て連絡をくれました。

パッケージに直接印刷は難しいかもしれないけれど、パッケージに印刷した総柄の紙を貼るという手法であればできるかもしれないということでした。

フォトフレームの重さを考慮したうえで耐久性のあるパッケージを選んだり、総柄を印刷する紙を選んだりというところまで一緒に考えてくれてやっとやっと思い描いていたパッケージにたどり着くことができました。

フォトフレーム本体もパッケージも職人さんの素晴らしい技術があってこその仕上がりです。全部手作業。プロの技。

きっと気付いていないところでたくさんの無茶をお願いしたことと思いますが本当にありがとうございます!!感謝してもしきれません!!

というわけで最後になりましたが素敵な手仕事でこのフォトフレームの完成までを導いてくれた素晴らしい職人さんたちの紹介と私のおすすめのフォトフレームに入れる写真の選びかたを提案して締めさせていただこうと思います。

フォトフレーム製作:木工作家【dee】さん
貼箱パッケージ:六間舎さん
パッケージイラスト:KushaMiさん

【プロカメラマンが提案するフォトフレームに入れる写真の選びかた】
あまり顔が全面にわかる写真よりは雰囲気が伝わるイメージ写真や全身が写っているような写真を入れていただくとおしゃれにハマります。

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写真のサイズですが、このサンプル写真では【六切】で印刷しています(W六切というサイズもありますがW六切ではなく六切のほう)
六切をそのまま入れてもらってもいいし、六切をカットして正方形にしてもおしゃれです!

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またフォトフレームの中の素材がアクリルのため、写真をそのまま中に挟むと滑って写真がズレてきてしまう可能性があります。マスキングテープや薄めのゴム(商品写真参照)を写真の裏に入れてあげることでズレずに止まります(こちらは付属していませんのでご自身でご用意ください)

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