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スキルアップへの一歩 01「資料大事!!」

 noteを使い始めたので、学校などであまり教えない「制作スキル以前」の、クリエイターとしての意識、考え方などを書いていこうと思います。3DCGに限らず、絵描きさんを目指す方にも参考になるかもしれません。

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 私は20年ほど3DCGをメインにアニメ・ゲームなどの映像制作に関わり、いろいろなクリエイターさんを見てきたのですが、スキルが低いクリエイターさん、伸び悩んでいるクリエイターさんにほぼ共通している特徴があります。それは

資料を見ない!!

 いやーもーほんとにびっくりするくらい資料を見ません。例えばCGアニメーションで手の表情をつける際、まず自分の手を使ってやってみて、それと同じ形にすればいいものができるのに、それすらもやらず想像だけでつけてしまう。出来上がった手は人類には再現不可能な形。オゥフ・・・。もちろんリテイクです。

 このリテイクは、自分の手を参考にしていれば防げたリテイクです。彼らはなぜ資料を見ようとしないのか。指摘してもあまり直そうともしません。愛犬を人質にでも取られているのでしょうか・・・。

 今回はスキルアップのための、資料の重要性を解説したいと思います。

 さて、まずは2人のクリエイターの写真を見てください。一人目はTVアニメのプリキュアシリーズなど数々の作品の原画を手がけ、時には1話30分の原画をたった一人で手がけてしまう(一人原画)、職歴40年の凄腕原画マン・青山充氏の作画机です。(twitter画像をお借りしています)

 いかがでしょうか。机の前に貼られている作画設定資料。40年選手でも資料を前に置いて確認しないとちゃんと描けないんです。そして。この鏡はとても重要なのですが、何に使われるのかおわかりでしょうか。

 続いて、これまたデビュー30年超の超絶クリエイター、「MONSTER」「20世紀少年」などの漫画家、浦沢直樹氏の机です。

『Crossroad』-vol.1 手塚るみ子×浦沢直樹-

[画像]

 noteでは画像リンクできないようですので、上のリンクをクリックしてみてください。仕事場の壁一面にやはり膨大な資料、そして浦沢直樹氏の机の上(手塚るみ子女史の下辺り)に、黒い丸い鏡があります。またもや鏡です。

 
先日放送されたテレ東の番組「Crossroad」の浦沢直樹特集回にて、この鏡の使い方が解説されていました。

 この鏡に、自分の手を映して手の形を確認したり、自分の顔を映して表情を確認している。

 超絶うまい青山充氏も浦沢直樹氏も、自分の身体を参考にしないと描けないんですね。まとめると

 超絶うまいクリエイターが今でも資料を見て作っているのに、君らが何も見ずに想像だけで作れると思うなー!!(#^ω^)


 資料を見ずに制作するクリエイターさんは「何も見ないで作れるのが上手いプロのクリエイター」と思われているのかもしれません。でもそれは間違いです。上手い人ほど資料を参考にしています。

 また学校のテストでは、試験中に資料を見ることは「カンニング」とされ、「評価(点数)を得るためには、資料を見ず憶えたことだけを使わなければいけない」という思い込みがあるのかもしれません。しかし社会に出ると、仕事では資料を参考にしたり、他人から助言を得てもOKなのです。

 Google画像検索で「漫画家 机」で検索してみてください。本棚に入った資料が必ず写っています。うまい漫画家さんは資料も多いのです。私も、20年溜めた資料が本棚9竿分くらいあります(TOP画像)。

 現在はネットの普及でまぁまぁの資料がタダで手にはいります。お金を払って資料を買うのはバカらしいと思われるかもしれません。しかし、「お金を払わないと得られない資料・情報」というのも確実にあります。資本主義社会ですからね。

 また、ネットでタダで手に入る資料は誰にでも手に入るので、クリエイターの個性にはほとんど繋がりません。しかし、自分でお金を出した資料は他人が持っている可能性は下がるので、個性に繋がります。「自分のスキルへの投資」という見方で、有料の資料を選んでみるのもよいと思いますよ。ウェイッ!

向上せよ!!資料を見よう!!

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