ぐうぐう

冬の空気に響いたライトが
季節を知らせて去ってゆく
年末の特番もなんとなく見飽きて
夜の風
吸いにきたってベランダからあの子に電話
眠そうな声で今年も終わってしまうねって

こたつのなかで二人だけのぬくもり合戦
ぐうぐうぐうたらしてたらさ
窓の外からどんどんひゃららが聞こえるね
おなじ温度とおなじ音にうもれるの
ちょっと考えてみたらなんか可笑しくて
こんなしあわせがあるなんて

こたつでみかん
こたつでおなら
こたつでうたた寝
あしたは仕事？

腕まくりに絞られたセーターが
余ってなびくのなんか愛しくて
寒くなっても一緒なの嬉しくて
年末　年始　ちょっと緩んだ ボディライン
かわいくて
だらしないところひとりじめなんて特別で
ずっとこのままでおねがいします

"あったか〜い"で指先からあたたまってるね
その手で触ってよ
さむいの
もっと近くに、おねがいします

これから起きることを予期しようよ
絶対大丈夫！てあなたが言ってくれるなら
私が作るから
目尻の皺がきれいなあなたのやさしい瞳で
おねがいします

あしたの朝もそばに
ねぐせの爆発
パジャマでぬけがら
はじめてつくるレシピもおいしくて
あなたのせいで五感が馬鹿
ベッドのなかでは鋭く変態
外から射し込むライトにゆるく照らされて
あなたの寝息に私の眠りをゆだねるよ






寒いねと合図して
マフラーでぐるぐるミイラにしてあげるから
ミトンの手袋で器用にさぐるから
響くライトに照らされていよう
このままずっと
冬がすぎて春がおとずれ離れても
ぐうぐうぐうたらな日々を　ずっと
おねがいします
目尻でやさしく合図して
ぐうぐう　ずっと
おねがいします