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自由詩「生きる」

    こんにちは。ローランです。

    活魚料理店の前の水槽や生け簀で、よくそこに入れられた魚や貝を見ます。

    そこにいる以上、我々ニンゲンの食材となる運命の彼らですが、人が寄ってくるとガラス越しにこちらを観察している風な魚もいます。
    その姿は、囚われた水槽の中でも懸命にその命を生きているように見え、感動すら覚えます。そんな風景を詠みました。

    因みに、私は魚料理を食べるのが好きで、水族館で飼育されている魚を見ても、新鮮でおいしそうと思わず呟き、友人たちにドン引きされることがありますw

    では、今日もお楽しみ頂けたら、幸いです。


これはアマゴの塩焼き


「生きる」


ショッピングモールにある
活魚料理店
店の前には大きな水槽
鯛、平目
伊勢海老、サザエ、大あさり
おいしそうな魚貝類たち
きょうは魚をたべようかな
水槽の前に立つ
そのときギロッと鯛が睨んだような気がする
良くみるとその鯛は傷だらけだ
網にかかったときについたのか
水槽の中でついたのか
ニンゲンの胃におさまる運命だけど
傷ついた姿は気の毒に思う
じっと見つめる僕を
ガラス越しに見つめる鯛
視線をこちらに向けたまま
通りすぎてはターンして
また横目で睨みながら
僕の前を泳いで行く
威嚇をしているのか
それとも攻撃をしようとしているのか
何度も同じ行動を繰り返す
まるで囚われた仲間たちを守ろうとする勇者のようだ
生きている限り諦めない
生きている限り闘う
ニンゲンに囚われてしまったその命は風前の灯火だが
それでも闘志を燃やし
敵に挑もうとするその姿に感動する
シンプルに今を生き抜こうとする鯛の姿に
生き物の生命への執着と強さを知る
他人の価値観や評価に翻弄されるニンゲンのなんと弱いことか
僕も君を見習わないとね
できる限り頑張ってみるよ
ありがとう
生きるため
命をありがたくいただきます
僕は鯛に挨拶をしてから
暖簾をくぐった

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