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【美術の味わいって?】センス・オブ・ワンダー 感覚で味わう美術/新所蔵品展 静岡県立美術館
収蔵品による企画展と新所蔵品展。
23年5月3日。
はるばる東海道線の在来線に乗ってドコドコ揺られて静岡まで行ってきた。
前日には茨城にいた。茨城水戸と静岡その間約300km。
この2日間移動したなー!
東海道線の草薙駅を降り、静岡大学方面へ歩いて移動。
山の上にあるのでほぼ上り坂である。
5月の晴天の静岡。暑い。
美術館の敷地内の散歩道に差し掛かると木陰もあり、野外彫刻がちらほら。
それぞれの地域の美術館の野外彫刻をみるのもちょっとした楽しみである。
清水久兵衛に柳原義達などなど。
柳原さん推しとしては鳩シリーズが、鳩が集うように設置されていたのが印象深い。うむ、鳩は、集うよね。
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今回はセンス・オブ・ワンダーと銘打ち、静岡県立美術館の所蔵品を見せるコレクション企画展。
ただの企画展だと意外と巡回している展示に遭遇するので、ここでしか見れないコレクション企画展は熱い。(もちろんどこかの美術館への貸出し先で遭遇できる場合もあるのだが)
五感に沿ったテーマで所蔵品を見せていく展示。展示室内はだいぶ薄暗く、美術館というより科学館や博物館的な雰囲気だった。
印象派から古典、近代日本美術、現代美術まで幅ひろくコレクションを持っている。
【ピックアップ】
草間彌生 水上の蛍
これは、強い。強いな。きれいだとわかっているし、想像もつく。仕組みだってわかっているのに体験すると感動があるのだ。
チームラボや、インスタレーションという言葉よりずっと先にこの手法で作品を作ってきた草間彌生さん。
感じること見ることの本質がわかっていたのだろうなぁ。
この体験をするために静岡に行ってよかったと思えるくらいだ。
大庭大介 LOG (Icefall)
このセルの概念は昨今の現代美術の手法によくあるが(小さいものの集合体で大きな作品を作る手法)伊藤若冲の升目描き「樹花鳥獣図屏風」を彷彿とさせる。
あ、なるほど若冲の「樹花鳥獣図屏風」を所蔵しているここ静岡県立美術館に、大庭さんの升目の作品が収蔵されているのはなんとなくリンクしているのだろうか。
そしてこの部屋は比較的照明が明るかった。もう少し照明を落としてくれると画中の滝の全体像がわかるのかな、とも思った。
縦長に区切った展示室の壁に設置されたおかげで、作品に近づき離れてと繰り返し見ることができてよかった。ちなみにこの作品の反対側に展示してあったのが田中敦子氏の作品。カラフルな画面と無彩色の画面の対比も面白い。
【新所蔵品展】
そもそも美術手帖に載っていた記事が非常に興味深く、これを見に行くために静岡までやってきた。
昨年の作品購入予算は0円で、今年は100万円のみだという。
こんな状況で、良質な現代美術を70点近く収蔵できたことは奇跡に近い。
ルートヴィヒ美術館もそうだが、個人、市民のコレクションが最終的に公共に還元されるという流れ。これに近いことが静岡県立美術館でも行われた、ということだ。記事によるとコレクター太田氏は生前、県立美術館側とコンタクトを取りながらコレクションを進めていたとある。言うなれば外部学芸員的立場、といっても良かったのだろう。アドバイザーかな。
李禹煥氏の線より、点よりシリーズ。これを同時に並べてくれるありがたさ。しかも両方ブルー。私このシリーズ大っすきでしてね。
なんでだろう。
筆跡のわかるものって惹かれる。
線、点そのものを見る絵画に惹かれる。
宮島達男氏の発光ダイオードデジタル数字。
ジュリアン・オピーの画面をあんな至近距離で見たのは初。独特な質感。素材が「ビニール」だからだろうか。ビニールってあまり絵画素材でみたことがないな、と感じた。ビニール…
ロダン館
ロダン体操って…なんだ
天井が高い空間はロダンの隆々とした彫刻を置くのに適していた。
空間全体で捉えることのできる場所なのはおもしろい。
やっぱり、彫刻の付け根の部分のペタペタ感はあって。
彫刻は型さえあれば鋳造できるので、日本でも複数展示され、どこかで見ているというものも多いが、改めて一つひとつばらしてみるとカレーの市民などはちょっと吹き出しをつけたくなってしまう。それぐらいの人間味。
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【日帰りだが旅。ここからは珍しく美術館以外のことも】
静岡県立美術館の最寄り駅は草薙という静かなローカル駅にある。
駅前に飲食店が少し、コンビニが少し。
美術館まで行ってしまうと、館内のカフェしか飲食店はなかった。
それでも調べてみると地域のローカル飲食店など個性があるのがおもしろい。
今回は駅前にある「レストラン栄屋」でハンバーグを食べた。
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こういう店に入るのも旅っぽいなー。孤独のグルメごっこだ。
美味しくてしっかり完食。人の作ってくれるご飯はうまい。
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お会計の時、店主のおじちゃんから小声で「おいしかった??」と聞かれた。美味しかったですよー!ごちそうさまでした!と伝えたらにっこり「そりゃぁよかった」と。チャーミングな人だな。
ふと目にふれたレジスター。液晶画面もなく相当古そうな代物。
昔のタイプライターみたいな。「これ古いですねー、すごいな」と伝えたら「開店当時から使っててね!古いのよ」と。
入れ替わり立ち替わり様々な世代の方が出入りする素敵な洋食屋さんでした。
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東海道線が遅れながらも、無事日帰りの旅を終えたのでした。
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