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貴州・凱里1

中国貴州省の凱里という町は、黔东南苗(ミャオ)族侗(トン)族自治州に属している。最近、貴陽から高速鉄道で40分ほどで行けるようになった。

駅の外に出るとカルストな山がぽこぽこしている。
なんだか貴陽より寒い。
駅前からは有名な「西江苗寨」に行けるバスなんかが出ているが、観光地化してしまっているのでパス。

(市場でニワトリを売るミャオ族のおばあさん)

駅は市街地からだいぶ離れている。路線バスに乗って50分ほどの「大十字」という場所をめざす。最近ではスマホがあるから、ホテルのありそうな場所のアタリを付けるのが本当に楽になった。

車窓からの景色はいつも通りの、なにもない中国の田舎だが、やはり他の地方と雰囲気が違うのは植生のせいか。中国はどこへ行っても面白いけど、個人的には西南の空気が大好きだ。ちなみに貴州で電車に乗ってると、周りが山がちでしかも棚田なぞも造ってあるもんで、日本の新幹線に乗ってるような錯覚を覚えたりするのが面白い。

(中心地の一角)

バスで俺の立ってる眼の前に座ってたおじいさんは、印象に残るほど目が特徴的だった。別に目が大きいわけでもなく、表情はむしろ硬いほうだのに、目がえらくキラキラしているのだ。漫画的表現で言えば目のハイライトが一つ二つ多い感じ。
人の顔をそうしげしげと見てはいけない、のは解っているが、つい吸い込まれてしまいそうな目だった。凱里滞在中にもう一人、同じ目の人を見た。

俺がおじいさんを見ている間、周りの人は俺を見ていた。それはそうだ。立ち居振る舞いが地元民でないのと、体がだいぶでかく見えたからだろう。俺は日本では全くもって高くない身長だが、ここいらの人は男でも160あるかないかくらいだから、やはり目立ってしまう。外国ではあまり必要以上に目立ちたくない……。

(市場の犬。野良犬だけど肉屋のおじさんに肉のくずを貰えている。)

もう一人、目の前でスマホゲー(王者农药)をしてるお兄さんは、昔上海で会った湖南ミャオ族のお兄さんに激似だった。だから多分ミャオ族だろう。遺伝子ってすごい。指が12本あってかっこよかった。

中心地に到着。大十字とよばれる大きな交差点の地下に比較的新しそうな地下街がある。テナントはほとんど服屋で、正月のセールで賑わっている。外があまりに寒かったので59元のコートを急遽買う。

旅館(宾馆)にチェックイン。
俺「外国人泊まれる?」
阿姨「泊まれるよー、でも本人連れてきて。」
俺「いや俺が外国人なんです。泊めて。」
阿姨「へえー、あんたそうなんだ!中国語うまいねー」
何度でも言うけど俺の訛った中国語でも褒めてくれる貴州の人やさしい。

(中庭チックなところに面していた旅館。
下にはスナックの店がたくさん有り、若者がオヤツを食べに来る。)

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