合同会社ポルト3周年を迎えて ~これまでとこれから~
今日は七夕。まちのあちこちに願い事が飾っています。
土地柄なのか絶対誰かが「世界征服」って書いてあったけど、今はさすがに書いている人少ない気がします。笑
つい先日、7月2日に合同会社は3周年を迎えて4期目に突入しました。
「ポルトの株主総会」と題して、僕らのこれまでの歩みとこれからやりたいことを簡単に話をしてみました。
その様子は動画にまとめますが、プレゼンでは伝えられていない想いや裏側で考えていることをこのブログで綴ります。
まず本当によくこの会社が潰れてないなと自分でも不思議に思っています。笑
いつも経営危機ですが、昨年春にコロナウイルスが感染拡大した瞬間、正直もう会社はもうダメだと思いました。
2020年が勝負の年だと意気込んで、店舗やいろんなプロジェクトに投資をして、その上で映画「門司港ららばい」の制作もして、とにかく資金を突っ込んでいた状況でコロナ禍になりました。
資金が底をついていた状況で店舗は休業を余儀なくされ、売上の大半は吹っ飛びました。
先行きは見えないどころか、これは長期的に厳しい状況が続くことはその時理解できていました。
こんなことを言うとよくないのはわかっていますが、この時僕は身辺整理をしようと思って、追加融資を借り入れの際に団体信用生命保険に入って、自分が死ねば保険がおりて借金が全部清算できるようにしたりしました。
当時やりのこしがないように映画は完成させて、海峡レモンを植えようと思いました。
それは自分がいなくなっても後世にのこるもので、地域の人達を明るくできるものだから、それだけはやりたいなと思っていました。
いろんなものを生み出し、地域の資産、世の中に少しでも希望が作れたら僕の役目としてはいいのかなと思っていた時期でした。
そして5月に海峡レモンを植えて、8月に映画の試写会を実施しました。
そうすると自分自身の心境も少しずつ変化してきました。
いろんな方から「菊池君頑張ってね。」、「応援しているよ。」って声をかけていただいた上、会社の状況も心配してくれて支援してくださる方も出てきました。
また仕事でも各所から声をかけていただいて、人から必要とされ何かと役目をいただくことになりました。
気が付くと少しずつ前向きな気持ちになり、これだけ多くの人達から応援してもらっているなら、どんなにきつく苦しくても会社は存続させて、スタッフの生活も守ると強い決意が固まってきました。
そうして、スタッフを誰も解雇することもなく、むしろコロナで雇用を失ったスタッフを受け入れたりして3周年を迎えることができました。
ベンチャー企業のため、昨年対比で作られた要件のコロナ関連の助成金の多くは適用にならず、純粋に売上を増やすことで維持をしているので、正直厳しい状況に変わりはありません。
3周年を迎えた日に確実に入ってくると思っていた大きな仕事もなくなったりと相変わらず波乱万丈です。
また今月、来月は融資含めて資金調達や売上を確保するために仕事をつくらないといけない状況になっているので、禿げないか心配です...
うちも大変ですが、門司港という地域全体の状況、各地でコロナ禍の影響を強く受けていて、ポルトよりも厳しい状況にいる企業はたくさんあります。
また熱海の土砂災害のように毎年豪雨によって被災される地域が出ていて、何もできていない自分自身の無力さを感じます。
「こういった状況の中で僕らにできることは何があるのか?」
と日々考えているところですが、今僕らポルトで取り組もうと思っていることは門司港に人が来れない状況でも販売ができる地域資源を活かしたコンテンツ(商品・サービス)を生み出すことです。
開発を検討しているコンテンツ(商品・サービス)は大きく2つです。
1.地域資源を活かしたお土産・ギフト(ふぐ、バナナ、海峡レモン)
ふぐやバナナは特産品ですが、自分が人に渡したい商品が正直ないので、ポルトらしくストーリー性やエンタメ要素があって、渡す人、もらう人も楽しめる商品を開発したいなと思っています。
2.R70(働くこと、人生を楽しむことを提案する高齢者向けのメディア) ※新R25のパロディです。
70歳以上になっても働いて、人生を楽しんでほしい。門司港はそういった高齢者の方々が多く、生涯現役でバリバリ働いている人がたくさんいます。最近てるちゃんが取材をたくさん受けていますが、70歳からでも新しいことを初めたり、人生を楽しむ文化を発信できたら、高齢化が問題だという考え方や歳を重ねることをポジティブに感じられるようになるのではないかと思っています。
これらはどっちも門司港だからこそできるコンテンツです。
また新たに立ち上げる必要があるため、資金余力もない中で会社経営を考えると今やるべきことではないとは頭では理解できています。
それでも、コロナ禍で厳しい状況が続いて、時折絶望感に押しつぶされそうになる今だからこそ、この門司港から社会を明るくするようなものをつくりたいと僕の心は叫んでいます。
どうせ去年一度は諦めて、いろんな人に救ってもらった命です。
だからこそ僕らポルトは命の続く限り、自らの創造性(クリエイティブ)でこの地域から少しでも社会を明るくできるようなコンテンツを生み続けます。
スタジオジブリの想いや哲学に憧れていますが、実際やってみると沈みそうな泥船を必死で漕ぎながら大陸を目指すのは本当にしんどいなと痛感しています。
それでも、スタジオジブリのように門司港という地域から未来に希望をもてるようなものを1つでも多く生み出して、新しい価値観や文化をつくっていきます。
今にも沈没しそうな小さい泥船での航海は続きますし、まだまだ荒波に立ち向かっている最中ですが、これからも僕らポルトの航海を温かく見守ってください。
そして、こんな僕らの挑戦がどこかで絶望感に押しつぶされそうになっている去年の僕のような人に少しでも希望を与えられると嬉しいです。
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