見出し画像

大袈裟かな?

めでたくリターンライダーになって
色々と知ったこと学んだことは数々ある
そして
『覚悟はあるか?』
と聞かれたら
『ある』
と答える自分がいることも知った
覚悟がなければもう一度バイクに乗ろうなどと思っていなかった
それをリターンして改めて自覚した

先日、別居している86才の母親の様子を見に行った
その時にバイクの話をすると
それまでニコニコと話していた母は急に顔つきが変わり
「バイクは危ないんだからやめなさい」
と、真顔で僕に言った
なんとかやめさせたいみたいだった

一方の僕はと言えば
若い時にオートバイの事だけを考えて
稼いだ金はオートバイにつぎ込んでプロを目指した
プロになって負けてオートバイを降りるしかなくなった
30才までに費やした12年間は綺麗に消えてなくなったという過去がある
負けは負けだからそれはそれでいいし
それを後悔しているとか悲しむとかそんな気はさらさらない
ただ、男としてバイク乗りとして
負けたままで一生を終わる事になったら
これほど後悔することはないと
還暦までの30年間ずっと思っていたことだった
だからやっと今になって好きなバイクに乗って好きな所へ行く
好きなバイクを自分でいじり自分で面倒をみる
せめてそれくらいのことをせずに生涯を終えるわけにはいかないと
そういう思いでリターンした
少なくとも、バイクは楽しいから とか、若い時に乗っていたから とか、
そういうことではない
それを「やめろ」と言われるのは
お前は人間をやめろと言われているに等しいとさえ思えるくらい
きつい言葉だ
もちろん、心配してくれる母親にそんなことは言えない
だから「大丈夫だよ」 と言って話を終わらせてきた

過去の経験からも実体験からも
バイクに乗る以上「絶対に安全」「事故は起きない」
そんな約束がどこにもないことは誰よりも知っている
今日元気でも明日は道路の上で死体になっているかもしれないのだ
それでもバイクに乗る事をやめることはできない
覚悟があるからだ

勘違いしてもらっちゃ困る
「バイクで死ねるなら本望だ」 とか
そんなバカげた考えはさらさらない
バイクで死ぬのだけは絶対に嫌だ
だから全力で
「死なないための走り、怪我をしないための走り」をする
それでも万一のことがあったとしても
それでもバイクに乗らないままよりは納得ができる
そういう覚悟だ

たかがバイクなのに
こんなことを考えているのは少し大袈裟なのかな?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?