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ハンバーグのおもひで
これは、1号ちゃんと2号くんが小学生の頃の話である。
私の地元には、知らない人はいないんじゃないか?と思うほど有名なハンバーグレストランがある。まぁ全国チェーン店なので、たぶん国民のほとんどが知っているあそこである。
そこのハンバーグはみんな大好きである。(個人的な見解ではあるが)
10年以上前に、『び〇くりド〇キー風ハンバーグの作り方』というレシピを見付けて心が躍った。
あの有名店のハンバーグが家庭で食べれるなんて、素敵なことじゃないか!
私の料理の腕前はそれほどじゃないが、レシピがあれば何でもできる。
今も昔もレシピがなくては何の役にもたたないシェフろく。
小学生はハンバーグが大好物という勝手な思い込みで、『これが出来れば子どもたちにも一目置かれるぞ』と、鼻息を荒くした。
レシピの中では、ハンバーグだけではなく、ソースにも拘っていた。
私の目を引いた材料に、赤ワインとネクターピーチがあった。
赤ワインは何となくわかる気がするが、ジュースを入れるなんて思いつきもしなかった。
料理は着々と進んだ。
レシピ通りにやってるんだから当たり前である。書いてあることを忠実に再現すればいい。
味見なんて必要ない。レシピ通りなのだから。
そして、完成した。
私にもあの味が再現できているはずである。
自信満々に食卓にハンバーグを並べる。
1号ちゃんも2号くんも大喜びで席に着く。
いただきま~す♪
まずは子どもたちの反応を楽しもうと、私は箸を付けずにその姿を見ていた。そして、『おいしい!』の一言を待っていた。が.....
ん・・・・・
何とも言えない言葉(?)を発して眉間に皺を寄せる2人。
どうしたというのだ?完全にレシピ通りのはず。
このレシピ、もしかしたら騙されたか?
おとうさん、お酒臭い!
えっ?なんで?
確かに赤ワインが入っているが、分量を間違えたわけはないから、アルコールは飛んでいるだろうと思っていた。
そこで初めて私もハンバーグを口にする。
うん...確かに、ワインが主張しまくってる!
こ、これはどういうことだ?
そんなはずはない。だってレシピ通りに作ったのだから。
慌ててレシピを見直す。
そこでとんでもないミスに気付く。
私が使った赤ワイン、ハンバーグのタネの材料。
分量通りのワインを入れてコネコネした。
だがしかし!赤ワインを入れるのはソースのほうだった!
フライパンに幾つかのソースの材料と一緒に入れて火を通し、アルコールを飛ばすのである。
それをタネに混ぜて焼いてるのだから、アルコールはそのままの風味を残している。
ご、ごめん!間違った!
それ、食べなくていいぞ。
いや、食べるな。
私に気を遣ったのか、頑張って半分くらい食べてしまった2人。
酒飲みの私なら食べれるが、子どもたちには食べさせちゃいかんおかずだ。
次の日の朝、
なんか、頭痛い・・・
1号ちゃんが苦痛の表情で起きてきた。
そう、小学生にして二日酔いを知った瞬間である。
本当に申し訳ない。
今となっては笑い話だが、間違ったとはいえ、小学生に酒を勧めるとんでもない親である。
「あの時は酷い目に合ったよ」と、未だに1号ちゃんには言われる。
2号くんは意外と平気で、「不味かったけど食べれたよ」と平気な顔をしていた。酒飲みの私の血筋か?
後日、慎重にリベンジして、喜んでもらえた。
一歩間違えれば大事件だった出来事である。
反省を込めて、今では3号ちゃんに出す料理には、料理酒すらほとんど使っていない。(ちょっと深みが足りないときもあるが)
完成品の味を想像できない料理下手の典型なのだろうか.....
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