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亡き両親の思い出

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今は亡き両親の思い出を綴ります
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#父の思い出

亡き父の思い出〜不味いカレーの巻〜

亡き父の思い出〜不味いカレーの巻〜

私の母親は、父よりも数年先にあっちの世界に旅立った。
それからの父は、私の『二世帯住宅に建て替えて一緒に住もうか』との提案を完全拒否して、独り暮らしを謳歌していた。
とは言っても、身の回りのことはほとんど何も出来ない父だったので、苦労したようだ。

そんなある日、私が小学生の2号くんを連れて様子を見に行った。

おー、よく来たな!
ちょうど良かった。
カレー作ったんだ。
食ってけ。

正直、驚いた

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亡き父の思い出~父にとっての宝物の巻~

亡き父の思い出~父にとっての宝物の巻~

父は私が社会人になって約20年ほど経ったころ他界した。
亡くなった父の身の回りを整理していたときに、時計が出てきた。
というか、病院から出るときに荷物の中にあったもの。
その時計には見覚えがあった。

私が社会人になって初めて給料をもらったときに職場の先輩にこう言われた

ろく、初給料をもらって嬉しいと思うが、まずはご両親への感謝を形にしなさい。立派に社会人になりましたよ、ありがとうってな。

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亡き父の思い出~これはキャッチボール?の巻~

亡き父の思い出~これはキャッチボール?の巻~

母が他界して十数年して、父も母のもとへ旅立った。
最後の数年は思うように体の自由がきかず、ヘルパーさんにお世話になっていた。
同居も考えたが、2世帯が暮らすには不便すぎる実家。その当時アパートで暮らしていた私たち夫婦が二世帯住宅への改築を提案したが、『おれの目の黒いうちはこの家は壊させん!』と頑なに言うので、止む無く父は一人暮らしをすることに。父は止む無くとは思っていなかったかもしれないが。

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