小説:将来の夢

 ーまえがきー
 中学授業で自分の夢を発表することになった。
 1人の男子中学生の夢はみんなの発表する夢と少し変わっていた。

 将来の夢

 皆さんは自分の夢を考えている時どんな気持ちになりますか?
 僕はとても楽しい気持ちになります。
 なりたい自分を想像するとワクワクします。
 夢を叶えるために頑張ろうという気持ちになります
 僕の将来の夢、それは「夢を見続けること」です。

 でもその夢の前には、必ず現実が立ちはだかります。
 親にも昨日「バカなことを考えてないで現実を見ろ。勉強しろ」と言われたばかりです。
 耳が痛い話です。でもその通りだなぁと思いました。

 僕の小さい頃の夢はヒーローになることでした。
 地球を侵略しようとするでっかい怪獣をやっつけて、世界中の困っている人を助けてあげる。そんなヒーローになることが夢でした。
 
 でも現実は怪獣なんていないし、僕は空を飛んで困っている人の元へ駆けつけてあげられないし、怪獣を倒せるようなパワーもありません。
 僕は自分の思い描いたヒーローになれないことを知りました。

 夢にとって、一番の天敵は現実です。見たくないものを無理やり見せつけて夢をぶち壊しに来ます。
 大人が口酸っぱく「現実を見ろ」と言うのは、その現実の厳しさを知っているからなんだと思います。

「現実を見ろ」この言葉は「夢を見るな」と言っているのでしょうか?
 …いや、そうじゃない。

「現実を見ろ」それは決して「夢を見るな」と言っているのではなく、夢を叶えるためにも「現実を見ろ」と言っているのではないでしょうか?
 なぜなら「現実」という言葉をひっくり返すと、それは「実現」という言葉に変わるからです。
 人は夢を抱き、行動をすると、必ず現実に直面します。その夢と現実の差に人は落胆します。
 でも逆に言えば、現実を知ることで今の自分を受け入れ、そこから見えてくる夢があるのだと思います
 僕らの前に立ちはだかる現実をひっくり返せば、夢は実現させることができるのだと僕は思います。

 ただその現実がひっくり返すことができない、夢を諦めなきゃいけない時が来るかもしれません。
 そんな時は、僕は言われた通りに現実を直視しようと思います。そしてまた新しい夢を見つけようと思います。
 

 だから僕は夢を見続けます。いくつもなっても。どれだけバカにされても。
 だって夢は僕にワクワクやドキドキ、そして現実に立ち向かうパワーをくれるから。
 
「プロのスポーツ選手になって、大活躍してみたい」
「世界中を旅してみたい。南極に行ってオーロラを見ていたい」
「宇宙飛行士になって宇宙に行くのもいいかもしれない」
「欲を言えば、大金持ちになって、大きなお屋敷に住んでみたい」
「結婚だってしてみたい。それも優しくてとびっきりの美人と」

 ボクにはやりたいことやなりたいものがたくさんあります。

 たくさんの夢があるので、僕はたくさんの現実に直面するでしょう。
 そして、その現実に夢をぶち壊されるのかもしれません。
 でもそしたら僕はまた次の夢を見つけます。
 いい加減にしろと怒られるかもしれません。
 それでも僕は夢を見続けます。
 
 そして僕の前に立ちはだかる現実に中指を立ててケンカを売ってやります。
 僕が僕の現実をぶち壊すために。
 そして「現実」を「実現」に変えてやります。
 そしたらいつか僕は小さい頃に描いたヒーローになれるのかもしれない。
 
「僕はいくつになっても夢を見続けられる大人でありたい」
 これが僕の夢です。
 以上で発表を終わります。ありがとうございました。


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