第19話 母:サウンド・オブ・ミュージック
父と母はよく映画を見に行く。
年間50本近く見るのではなかろうか?
ほぼ毎週映画を観に行っている。
まぁ今のコロナのご時世で少し足が遠のいているようだが、落ち着いたらまた観に行きたいとよく口にしている。
皆さんは
「今まで観た映画の中で一番好きなものは?」
と問われたら、どんな作品を思い浮かべるだろうか?
一番と問われてもなかなか選ぶのが難しいのではないだろうか?
でも母は即答する。
「サウンド・オフ・ミュージック!!」
皆さんはお若いのでご存じないかもしれないが、これは1965年に公開されたミュージカル映画だ。
かなり昔の映画だ。
皆さんのご両親はもしかしたらご存じかもしれない。
母には兄妹がいる。
3人兄妹で母は末っ子だった。
ある日、まだ小学生だった母は、家でごろんと寝転んでいたそうだ。
そんな時に母の兄が、
「面白い映画やっているから観に行くぞ」
と母を起こしたそうだ。
しかし、母は、
「嫌だ!!家でゴロゴロしてる」
と拒んだそうだ。
母の兄は怒って、半ば無理やり映画館に連れて行ったそうな。
そうして母はしぶしぶ、母の姉と兄の3人で映画を観に行った。
その時観に行った映画が「サウンド・オブ・ミュージック」だった。
「家でゴロゴロしたかったのに…」
ぶつぶつ文句を言いながら映画を観始める母だったが、次第に前のめりになり、最後の方は立ち上がってしまうほど映画に魅入ってしまったそうだ。
映画が終わった瞬間に
「もう1回観る!!」
と言ってしまうほど面白かったそうだ。
母の中であのときの興奮が忘れられないらしい。
「サウンド・オブ・ミュージック」とそれに出演している「ジュリー・アンドリュース」は大大大大大好きで、今までもそしてこれからもずっと一番らしい。
後にこの映画をビデオで強制的に観させられたのはいい思い出である。
ちなみにボクは「ドレミの歌」のどんどん盛り上がっていくシーンが一番好きだ。
素晴らしい映画である。
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