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「器用貧乏」こそ、走りつづけろ! 人気ライター・ゆぴさんが語る「器用富豪」への道

何でも卒なくこなすことができるけれど、何をやっても中途半端。
これといった自分の強みが特にない…。

私ってもしかして器用貧乏かも…と一度は悩んだことがある人も多いのでは?

今回お話を伺ったのは、現在、ライターだけでなく作家、声優とマルチに活躍されているいしかわゆき(ゆぴ)さん。一時期は「器用貧乏は何者にもなれない」と悩んでいた時期があったそう。

でも、さまざまなことをやめずに取り組んでいった先に「すべてが形になった」と語ってくださいました。

ゆぴさんが「器用貧乏」を続けた先に見つけた、新しい境地とは?

いしかわ ゆき(ゆぴ)さん
早稲田大学文化構想学部 文芸・ジャーナリズム論系卒。Webメディア「新R25」編集部を経て2019年にライターとして独立。取材やコラムを中心に執筆するかたわら、声優やグラフィックレコーダーとしても活動中。ADHDとHSPを抱えながら、生きづらい世界をいい感じに泳ぐために発信している。著書『書く習慣~自分と人生が変わるいちばん大切な文章力~』は3万部超でベストセラーに。その他著書に『ポンコツなわたしで、生きていく。』『聞く習慣』など。「書く+a」のスキルを学ぶスクール「Marble」運営。(Twitter:@milkprincess17

いしかわゆき(ゆぴ)のプロフィールから引用)

何でも屋さんは何者にもなれない。でも、環境が変われば強みに

ーー今、マルチに活躍されているゆぴさんですが、以前は器用貧乏で悩まれていた時期があったと伺いました。当時の心境について教えて下さい。

ゆぴさん:
正直、学生時代はそれほど悩んでいませんでした。むしろ、いいことだと思っていたくらいです。

昔から、何かをやればある程度のところまでは出来たので、学校のテストでも平均点以上は取れていたし、趣味も多かったので、特に困ることもありませんでした。

だけど、社会人になってからは、それが何も極められていないことのように感じるようになりました。

まわりを見ていると、「マーケティング」「デザイン」「広報」など、その領域1本で突き抜けるために時間やリソースを割いて、努力している人が多くて…。

以前働いていた広告代理店でも、「Twitter運用担当者」「ゲーム領域のデザイナー」など、業務がきっちりと分業されていて、それぞれが何かに特化して仕事をしている印象でした。

ーーたしかに、大きな企業だと細かく分業されている印象がありますね。

ゆぴさん:
一方で、私は別にやりたいこともないし、飽きっぽかったんですよね。

ディレクターを極めたいわけでもなかったので、広告代理店も1年半で辞めてしまったし、その後メディアに移ってからも、本業のほかにグラフィックレコーディング(以下、グラレコ)をしたり、声優をやったり、noteを書いたりと、いろんなことに手を出していました。

でも、まわりにはそんな人は少ないし、誰に話を聞いても「まずは1つのことを極めよう」と言う。「何でも屋さんは何も極められない」というイメージがありました。

何か1つ突き抜けるには、何かを捨てて1本を尖らせないといけない。

頭ではわかっているけれど、ようやく形になってきたものを捨てるのはもったいないし、この先どうしようかな、ってまわりと比べて悩んでましたね。

ーーそんな時期があったんですね。それが解消されたきっかけは何だったんでしょうか。

ゆぴさん:
自分が好きでやっていたことが、人の役に立ったときですね。

私が会社員として働いていた、Webメディア「新R25」では、本当にいろんなことをやらせてもらいました。

メインであるライターの仕事のほかに、写真を撮る、 挿絵用のイラストを描く、アイキャッチを作る、自分も記事出演する…など、私の「器用貧乏」が少数精鋭の会社のなかで、すごく重宝されたんですよね。

環境が変わって初めて、「何でも屋さんは、ピンチの時にすごい役立つんだ!」と思いましたね。

やめなければ何とかなる。続けることが何よりも大事!

ーー環境を変えるほかに、「器用貧乏」を強みにする方法はありますか?

ゆぴさん:
まず、ちゃんと人に見せること。

自分ひとりでやっていると、過小評価してしまいがちですが、第三者に見てもらうことで、実はそれが「特別なこと」だと気付くことができます。

私は会社員の傍ら、コミュニティに所属していたのですが、そこで定期的に本の著者を招いてお話を聞く会があったので、見様見真似でグラレコを始めてみたんです。

半分遊びみたいな気持ちでやっていたんですが、それをコミュニティの人に見せたら、「これは誰でもできることじゃない」と言われて。

ーーそれが、特別なことだと気付いたんですね。

ゆぴさん:
そうなんです。私は「誰でもできること」だと思っていたので衝撃でした。

それからもうひとつは、長く続けること。

私は遊び感覚でグラレコやnoteを始めましたが、細々と長く続けていたら、副業として成立するようになりました。

どれも中途半端だと思っていたけれど、薄くても長く続けていたことがちゃんと形になって仕事にもなった。器用貧乏も続けていれば、「器用器用」…いや、「器用富豪」になれるんだと思いました!

ーー器用富豪!! 長く継続させるためのコツなどはあるのでしょうか。

ゆぴさん:
絶対にやめないことですね!

私は毎日コツコツ何かを続けることが得意ではないんです。「継続」ってスポーツ選手みたいに毎日筋トレをやり続けているようなイメージですが、私は毎日はやりたくない。

でも、やめなければ、とりあえずは継続されていることになる。やめなければ、少しずつ上達するし、スキルをキープできると思うんです。

ーーなるほど。実際に上達を感じたものはありますか?

ゆぴさん:
特に実感したのはグラレコですね。

最初に描いていたやつとかすごい下手!(笑)グラレコと言う割にグラフィックが全然なくて、文字文字していますよね。

でも、約2年でここまで上達しました。

ーー私からすると初期も素晴らしいと思うのですが、時系列で見てみると、たしかにグラレコ度が増している気がしますね。

左:初期のグラレコ   右:2年後のグラレコ
ゆぴさんのその他のグラレコはこちら

ゆぴさん:
ですよね。ただ、私は別に何かトレーニングをしたり練習したりしていたわけではないんですよ。ゆるく、確実に続けていただけ。

もし、スキルがすべて中途半端な状態だと、ただの器用貧乏になってしまうと思うんです。

「写真が撮れる」と自称しているけど、何枚かボケている写真が混ざっているようなイメージ。

そんな中途半端なスキルは器用貧乏かもしれないけど、誰かが求める水準でできるんだったら、それは別に貧乏なことじゃないなって思いました。

なので、器用貧乏に戻らないために、すべてを強化していくことを忘れないようにしています。

今の自分を嫌いにならないために、「環境」を変えていく

ーーちなみに、器用貧乏が活かせないと思う環境は、すぐにでも変えた方がいいでしょうか。

ゆぴさん:
器用貧乏に限らずですが、自分らしくいられない環境なら、変えたほうがいいと思います。

自分の強みがまったく活きていなかったり、不得意なことを頑張りすぎてしまう状況って、つらいじゃないですか。

「環境」というのは、場所だけの話じゃなくて、人間関係や時間配分も含まれると思います。
人付き合いを見直したり、自分の好きなことに時間を使ったり。

「自分が1番無理していない状態」のための条件を洗い出していくといいですね。

ーーなるほど。基準を作るのも大事ですね。ちなみにゆぴさんが大切にしていることは何ですか?

ゆぴさん:
「この状態の自分は嫌だ!」と思ってしまうような状況を減らすようにしています。

たとえば、私はだらだらと何にもしなかった日には、「(自分に対して)せめて、本くらいは読んでいてほしかったな…」って思ったりするんですよ。

ーーそういう日、ありますよね。

ゆぴさん:
「自分大好き!」である必要はないけど、「今の自分が大嫌い」は嫌だから、最低限、自分を嫌いにならないために1ミリでも努力をする。

「自分らしく」と考えると難しいけど、「今の自分が好きじゃないかも」って思ったら、そこから抜け出す方法を考えて、ちょっとずつ好きな自分に近づけたらいいんじゃないかな。

仕事に活かせなくても、1人のために力を使えたらいい

ーー今の職場で器用貧乏を活かせずに落ち込むことがあったので、まずは私も自分らしくいられる条件を洗い出してみます!

ゆぴさん:
そうですね。ただ…別に無理して仕事で活かさなくてもいいと思うんです。

ーー仕事で活かさなくてもいい?

ゆぴさん:
たとえ仕事にできなくても、本当に小さいことでも、何かで実現できれば割と満足できると思うんですよね。

実際に、私が会社員のときは、趣味としてブログを書いたり、グラレコをやることで満足していました。それが、たまたまライター職にプラスとして掛け合わさっただけなんです。

最初は、「ブログを友だちが読んでくれた!」とか、「グラレコを描いたら著者の方に喜んでもらえた!」とか、それだけで充分でした。

ーー小さなことが、気持ちを満たしてくれたんですね。

ゆぴさん:
だから、今の仕事で「器用貧乏」が活かされていなくても、趣味や副業としてうまく気持ちを分散できるといいですよね。

意外と人間って単純なので(笑)、SNSで発信したことに1コメントでもあると嬉しいし、誰かから少し褒められるだけでも、「よし、もうちょっとやろうかな」ってなる。

器用貧乏のすべてが、仕事に活きたり、いろんな人のためにならなくても、たった1人でもハッピーにできたらいいじゃないかな、と思います。

ーーゆぴさん、貴重なお話ありがとうございました!


「器用貧乏を前向きに捉えて働く」をテーマに、飽き性でも、特化した強みがなくても大丈夫だと教えてくれたゆぴさん。

わたしも今やっていることをやめずに、のんびりと続けてみようと思いました。

みなさんもゆぴさんのお話を参考に、器用貧乏な自分を肯定してみてはいかがでしょうか?

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器用貧乏なあなたにおすすめの書籍

今回お話を伺った
いしかわゆきさんの著書
ポンコツなわたしで、生きていく。〜ゆるふわ思考で、ほどよく働きほどよく暮らす〜』には、自分らしく生きるためのヒントが詰まっています。

キャリアに悩んだときや、生きづらさを感じてしまうときに読むと、ちょっぴり心が軽くなるかもしれません。

ゆぴさんの最新情報はこちらから。
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〈取材・文=Roko(@rokko_arki)/撮影=さどまち(@sdmc0129)/編集=いしかわゆき(@milkprincess17)〉

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