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ロコたろうと野球

「え~っ、またかえるの~? はんしんよわいな~!」
 これが、私の「野球」について初めての記憶です。

野球が好きじゃいけないの?

 みなさん、こんにちは。またまたお題に沿って何か書いてみようということで、今日は「野球」。
 冒頭は、ある夏の日。祖父母、両親、私たちきょうだい。それから、帰省していた伯父夫妻、いとこが集まって、夕飯をともにしていたときのこと。夜7時といえばニュース、終わればチャンネルが変わって野球というのが我が家の定番でした。チャンネル権は祖父。祖父が野球が好きだったかというと思い出せないのですが、テレビといえばニュースか野球、あるいは大相撲という思い出があります。
 その日は巨人対阪神の試合を放送していました。
 そのころの私は、何となく巨人ファン。当時は野球チームがない都市であれば、だいたいテレビ放映されているのは、巨人対どこか。巨人戦が多く放映されることと、そのころの巨人といえば中畑清さん、篠塚和典さん、岡崎郁さん、外国人だとクロマティといったスター選手ぞろい。今監督をされている原辰徳さんもいらっしゃったでしょうか。確か、監督は王貞治さん。さらに割と強かったというのもあって、あまり負け試合を見た覚えがなく(記憶に残っていないだけだと思います)、だからもう自然と、野球といえば自然と巨人ファンになるしかない! 環境がそろっていました。 
 
 冒頭の光景は、当時の阪神は村山実監督、ついさっきピッチャーを代えたばかりなのに、同じ回かな?のうちにまた交代、という場面。本当に失礼なのは承知で、ころころとピッチャーを交代させる様子を見て、あ~、阪神のピッチャーってばよく打たれるな~、阪神って弱いな~、さすが巨人、強いな~、と思ったようです。
 思ったままが口をついて出たのが、冒頭です。
 
 これに苦笑いする、私以外のみんな(私のきょうだい除く)。
 苦笑いしながら、自身の兄の顔を見る、父。
 そう、伯父は生粋の阪神ファンでした。「子どもの言うこと」としてお咎めなしでしたが、もう本当に、ごめんなさい!!
 
 このような感じで身近なところに野球があった私にとって、好きなテレビ番組といえば野球中継。でも周りの女の子は、誰も野球なんて興味なし。男の子も、どうだったかな・・・。それでもお構いなしに、プロ野球チップスを買ってもらってカードを集める私を見て、父がひとこと。
 
「もっと、女の子らしい趣味を持てないのか?」
 
 好きなことに男も女もあるのって、おかしい。だって、好きなものは好きなんだもん! 言い返しこそはしなかったけれど、ずっと私はこんな思いをもちながら育ちました。

ところ変われば

 父の転勤で名古屋に移り住み、その後関西にやってきました。名古屋といえば、中日ドラゴンズ。引っ越したばかりのころは、他の地域では別番組が放送されている時間でも、差し替えてドラゴンズの試合を放送するというのが信じられませんでした。どこまでドラゴンズ推しなんだ、と、まだ巨人ファンだった私は呆れたものです。ナゴヤ球場最終年、10.8決戦のときも、「え~っ、なんで中日が追いついてくるんだよぉ」と思ったほどです(笑)。
 
 しばらくはサッカー人気もあってちょっと浮気したりもしましたが、2000年代、落合博満監督のころ。リーグ優勝の期待がかかる!時期になると、スーパーなどどこへ行っても、店内BGMは「燃えよドラゴンズ」。大学の帰りに、通勤の途中に立ち寄った大型店、どこでも「燃えよドラゴンズ」。そしてテレビではドラゴンズ戦がたくさん。気がつけば、アライバ、特に井端弘和さんの大ファン。あんなに巨人が好きだった私はどこへやら、いつの間にか部屋にはシャオロンのぬいぐるみが。
 だから、2007年、クライマックスシリーズ(CS)なんて何の意味があるんだよ!と言いつつ、ドラゴンズがリーグ2位からCSを突破して日本一になったのは、逆境を跳ね返した!みたいな感じがあって、正直うれしかったです。日本一から最も遠ざかっていたチームが、2年連続日本シリーズに出て、ドラゴンズってめっちゃ強いやん! と。このころ初めて、ナゴヤドーム(当時)に、友人と観戦に行きました。今のところ、このときが最初で最後のナゴヤドームでの観戦です。
 記憶をもとに調べてみたら、この2年前、2005年でした。3回までで6点取られていたので、もう負けたな~と思っていたら、まさかの1イニング7得点でひっくり返して、結果勝利! 相手は日本ハムだったのですが、3回までの6得点は、スリーランホームラン2本。SHINJO(当時)とセギノールが1本ずつ、だったそうです。いろいろと派手な試合だったんだな・・・。

野球が好きだったから

 2006年夏。場所は、お仕事の関係で行った長野。ホテル一棟借りきってのもので、夜は同業の人たちと懇親会。私はお酒が飲めないので(味は好きなんですけどね。耐性がないようです)、他の人がいい具合に壊れていくのを眺めながら、同世代の人たちと話していました。
 色黒で、プライベートでも野球をやっていて、阪神ファン。2004年にも会ったこの人が、今は旦那となっている人です。このときの集まりは本当に楽しくて、私が参加しはじめて3年ぐらいだったでしょうか。日本全国に知人ができてきたなぁと思い始めたころでした。だから、一緒にその場にいた同世代は、
 
 兵庫県住まいのオリックスファン
 福岡県住まいのホークスファン
 千葉県住まいのロッテファン
 そして、名古屋住まいの中日ファン。私。

 野球談義で盛り上がりました。この中で、女子は私だけ。
 数ヵ月後、今の旦那とお付き合いを始めるのですが、そのきっかけのひとつが、
「女子であれだけ野球について話ができる子って、そういない」
だったそうです。
 一応、阪神のJFKといえば何かわかるし(当時は阪神ファンではなかったけど、藤川球児が大好きでした)、各ポジションを数字に直したときにどこがどの数字になるかもわかるし、テレビを見ていて「え~、今のあれは、もうひとつ先まで行けたよぉ」と言う姿・・・。私にとっては当たり前でした。そして、かつて「もっと女の子らしい趣味はないのか」と父に言われた私。野球好きな女子はダメなのか。そう思って大きな声で言えなかった私が、「野球」という共通の話題を持てるということで、旦那にめぐりあえた。
 野球が好きで、本当によかった!! と思えた瞬間のひとつです。

7回裏のジェット風船。飛ばす前(2011年撮影)

野球好きの両親だから当然?

 旦那とはシーズン2、3試合程度ですが甲子園に試合観戦に行っているし、京セラドームでのオープン戦も行っています。やはりというか、今は主に阪神戦を見ています。好きといえば好きですが、同じ関西のオリックスも、気になるチームです。もっと関西でオリックスで盛りあがってもいいのにな、と思うぐらいにはなりました。
 時代もうつって、今はオンデマンドサービスだったり、テレビもBSやCSが充実していて、パリーグの試合も簡単に見られるようになりました。「観客よりも空席のほうが多い」時代を知ってる身としては・・・、本当に変わったな、と。
 

 保育園に子どもを迎えに行くと、帰ったら早くテレビを見たいんだ! という上の子。
「やきゅう!」
 とにかく野球が好きで、旦那の草野球チームの試合にもよくついていくぐらい。いつの間にか、ポジションを数字に直して言うのは朝飯前、選手のお名前から学んで簡単な漢字であれば読めるようになっています。当初は広島カープファンでしたが、今はご当地、阪神タイガースファン。もちろん、甲子園にも観戦に行ったことがあります。
 テレビも阪神戦がメインですが、試合中止などで中継がない場合は、「じゃ、他の試合」と、BSやCSへとチャンネルを変えて、セリーグ、パリーグ問わずで、とにかく何かしらの試合を見ています。その意味では、本当に野球が好きなんだろうな。野球が好きだと言う私が、その圧に負けて、「頼むから、何か野球以外のお話とか、ない?」と、ちょっと野球から離れたい!と思ってしまうほどです。

空に舞ったジェット風船(2011年撮影)

「こんな学び」

 その上の子。漢字もそうですが、野球チームが阪神を含め12あると知り、それが日本の各地に散らばっているとわかると、そのチームが日本のどこを拠点にしているのかが知りたくなったようで、ちょうどそのころは、電車も好きだったので、「はやぶさは○○まで、のぞみは・・・」と、新幹線と地名とが結びつき始めたころ。そこで旦那が日本地図をプリントし、そこに「このあたりを新幹線が通っている」という線と、さらに各球団のマークを添えて、上の子に渡しました。
 もうひとつ別の方法も相まってですが、いつの間にか、仙台がどこで、博多がどこで、と覚えたようです。
 また、先述のように、選手のお名前から漢字も覚えました。でも・・・
 
「おかーさーん! きょうのかいせつ、しものせきだって~!」
 下柳剛さんのことを、下関と聞きまちがえたようです。 

「これ、よめるで! くれちゃ!」
 「紅茶」、こうちゃです。オリックスに紅林(くればやし)選手がいらっしゃるので、「紅」の字を「くれ」と読んだようです。
 
「『木』は、『きの』ともよむんやで!」
 自分で、「あっ、木浪の『き』か!」と言ったあとの発言。そんな読み方しないよ、と言ったら、
「だって、木下の『きの』だもん」

という、なかなか私が思いつかなかったりするまちがいも、結構あり。
 こういったまちがいも、野球から入ったからこそだよな? と思っています。もちろん、ちゃんと修正もします。
 
 2022年、これからは日本シリーズ。昨年と同様ヤクルトとオリックスの対戦になりましたね。昨年の日本シリーズが、久しぶりに「楽しかった!」と思えたのと、第6戦が神戸ほっともっとフィールドで、皆さん寒そう! ケガには気をつけて! とハラハラしたことを思い出しました。今年はどんなドラマが待っているのでしょうか。

 最近では、野球に興味がないかな? と思っていた下の子も、上の子が個人応援歌を歌っているのに合わせて歌っていたり、選手のお名前を口にすることもあったり。私は私で、現役時代を知る選手がコーチや監督として名を連ねているとワクワクするし、上の子や相方に負けない程度には野球の知識をアップデートしていかなきゃ! と思っています。
 野球のみに限ったことではないとは思いますが、好きなものをきっかけに人とのつながりが生まれたり、学びにつながったり。
 
 そんな、様々な方向への広がりを見せてくれる野球。大好きだ~!!
 
 長い文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
 来年は家族全員で野球観戦に行けるといいな・・・。

試合後(2011年撮影)

#野球が好き


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