見出し画像

いつも真逆を許容して

 ちょっとスピッツのことについて書いてみたなって思ったので、書くことにする。
 私はスピッツに、ミスチルと同じくらいに出会ってそれからずっと聴いている訳だけれど、すごく好きなのに、ファンクラブには1度も入ったことがない。本当は入りたい気持ちがあるけれど、なんとなく傍観していたい気持ちもあって、その距離を一定に保っているリスナーでいたいなどと、おこがましいことを思っているのである。

 いや、まぁ、単純にお金がないだけで、ライブに確実に行くならば、入ったにこしたことはないのだけれども。

画像1


 ミスチルと同じく、スピッツも何故か聴いてないアルバムがあって、それが、「三日月ロック」と「さざなみCD」に挟まれた「色色衣」と「スーベニア」なのである。この期間は、本当にライブに行き倒していたから、お金がなかったというのもあるとは思うけれど、理由はよくわからない。
 スピッツとは、『ロビンソン』が出会いのきっかけだったと思う。まぁ私と同世代(30代後半)の人はそういう人が多いのだろうとは思う。あのMVは、何故だかすごく記憶に残っていて、いつも頭の片隅にそのイメージがあるくらいだ。スピッツにどっぷりとハマったのは、レンタルで「CRISPY!」を聴いたのが先か、「ハチミツ」だったか、その辺は定かではない。
 実は、「ハチミツ」には、個人的なエピソードがあって、当時中学生だった私は、どうしても「ハチミツ」が欲しくて仕方なかった。だけど、お金がなくてどうにもならん!って感じだったのだが、自分が聞いてたMBSのラジオでCD券を毎日プレゼントしていたこともあって、番組に毎日リクエストの電話をして、CD券を応募した。そして見事当選し(ちなみにその時の当選発表をしてくれたのが、まだ入社間もない、今は看板とも言える西靖さんだったりする)、そのCD券で、「ハチミツ」を買った。なので、「ハチミツ」にはいろんな思い入れがありすぎるくらいに、ある。だけど、好きなアルバムは何かと聴かれたら、選べないけれど、真っ先に浮かぶのは「惑星のかけら」だったりする。


 そんな私だけれど、「ハチミツ」を買う前に、何故か私は「オーロラになれなかった人のために」を買っていたりする。王道から逸れてやろうっていうより、金銭的な問題もあった。これはミニアルバムで、安かったからなのだ。正直このミニアルバムを、そこまで聴き込んではないけれど、とても衝撃を受けたことだけは覚えてる。

画像3

 さてはて、ミスチル同様、スピッツについても書き始めると止まらないのであるが、スピッツについて書きたいなって思ったのは、何も今日に始まったことではない。本当は、横浜サンセット2013を半分まで見て、それについて2回に分けて書こうかなんて、2週間前からそんな気持ちになっていたのだ。それに引っ張られるように、ここ最近「小さな生き物」と「醒めない」を交互に聴いていることも大きいかもしれない。「醒めない」は、出た当初、それなりに聴いていたけれど、ドはまりしてはいなかったものの、『コメット』が好きすぎるのと、『グリーン』からの『SJ』がこれまた好きで、でもなんだか通しでは聴けなくて、といった感じだった。「小さな生き物」を通しでよく聴いていたので、それも影響しているのかもしれないけれど。
 改めて「小さな生き物」を聴いて、やっぱ、このアルバムはすごいなと感心したのだけれど、それは個人的にリンクする曲が多いからというのもあるけれど、『エンドロールには早すぎる』が好きすぎることもあるのかもしれない。


 なんでこんなに「小さな生き物」のことを書くのかというと、横浜サンセットが「小さな生き物」が出た直後に行われているからというのも大きい。横浜サンセットのセットリストが凄すぎて、私は前半を何回かに分けて見ているのだけれど、その見ている場所がジムだったりするから、涙を隠しつつサイクリングマシンを漕いでいた訳で・・。

 まぁなので、別でそれについては書くとして、この中で演奏される「小さな生き物」が心に残ってしまって、忘れられなくなってしまったのだ。

画像2

 スピッツの曲で、そういうのは、割とあるのだけれど、私の中で異彩を放っているのが『夏が終わる』で、必ず毎年8月も半分を過ぎる頃に何度も聴き始める。この曲の凄さは、どうしてなのか上手く説明できないし、何か思い出が強くあるのでもない。だけど、私の夏に持っているイメージというか、見たこともないけれど、そんな情景がありありと浮かんでくる。曲を聴くと、情景はふわっと浮かんではくるけれど、こんなにも明確に同じ画が何度も何度も蘇る曲も珍しいなと思う。
他にも、『サンシャイン』『歩き出せ、クローバー』『ハヤテ』『流れ星』『ハネモノ』『ルキンフォー』とか、挙げれば結構あるのだけれど、それぞれについて書いていたら、論文みたく長くなるから、今日はこのあたりでやめにしておく。

 スピッツの曲に、年々惹かれていくのは、その詞に書かれている世界を、自分なりに掴みたいと強く思うからかもしれない。ずっと変わらずそうだけど、マサムネさんの書く詞は、どこか抽象的というか、具体的に描かれているのにどこにもない架空で、直接的な言葉なのにぼやけていて何のことなのかわかりそうでわからないのに、そこにある感情がいつもダイレクトに届くから、それを体感したくて何度も聴いてしまう。
なんか、スピッツについて書いてみたものの、なんだか薄っぺらい感じがするな。簡単に、少ない言葉でその魅力を語れやしないし、もうその存在自体が、ある意味奇跡みたいな気さえするし、こんなにたくさんの曲を聴かせてくれて、本当にありがとうと思うし、ライブを1度しか見たことがないから、30周年のライブなんてものがもしもあるのならば、行きたいなと思う。何度も見れるなら見たいけれど、もう1度だけは、必ず見たいなと願うのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?