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今夜の『カンブリア宮殿』をご覧になった方に伝えたい、たったひとつの話

2021年4月15日放送の『カンブリア宮殿』で、当社を取り上げていただきました。広報担当として、多くの方にロート製薬を知っていただく機会に恵まれ、うれしく思います。

どの企業もそうだと思いますが、私たちがお客様と接する場面では商品が主役であり、ある意味では、社員は黒子のような存在。

ですから、『デオコ』の商品企画担当が想いを語ったり、社内起業家支援プロジェクト『明日ニハ』をはじめとして、社員の姿にフォーカスいただけたことを嬉しく思っています。

今夜の放送に向け、放送直前まで、制作チームとたくさんのやり取りを重ねました。 その際、取材を通じてロート製薬の働き方改革や、商品開発について、驚きをもってとらえていただく機会が多かったことが、とても印象的でした。

創業から122年かけて育んできた「ロートらしさ」を、私たちはまだまだ伝えきれていない。そう、気持ちを新たにする機会でもありました。

「カンブリア宮殿」で伝えきれなかったこと

さて、このnoteでは、番組でふれていただいたことのほかに、広報担当として、ひとつだけ、どうしても伝えたいエピソードを紹介させてください。

ロート製薬は、1995年の阪神淡路大震災では物資の支援を行いました。大阪に本社を置く企業として、微力ながら、できる限りのことをさせていただいたと考えています。

ですが、時が流れ、復興したまちに戻ってこなかった、戻ってこれなかった子どもたちが多いことを、会長の山田は悔いていました。

そして、2011年の東日本大震災では、甚大な被災の状況を受け、山田が「これからの未来を一から考えることが必要。民間企業として、何をしていくべきなのか?」と全社員に投げかけたところ、すぐに60名ほどのメンバーが配属を希望し、その中から選ばれた6名で、3月末には震災復興支援室が立ち上がりました。

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メンバーが現地に入り、ボランティア活動などを通じ、たくさんの方にお話を伺うなかで子ども達の高校卒業後のサポートが十分でないことを知りました。

その後の、ある会合で、もともと繋がりのあったトップ同士が顔を合わせ、復興支援室の活動に共感いただけたことをきっかけに、カルビーさん、カゴメさんと3社で「みちのく未来基金」を設立しました。(その後、趣旨に賛同いただきエバラ食品工業さんが加わりました)

設立以降、ありがたいことに全国から多くの寄付をいただき、とうとう先日、当初に想定していた25年間の給付目処がたち、目標の支援額を達成することができました。活動に共感いただいた皆様には、感謝しかありません。

基金では、震災当時、お腹の中にいた子が進学先を卒業するまで継続することをお約束し、全国の皆さんからの寄附をいただきながら、900人以上の子ども達にサポートを継続しています。

震災から10年が経ち、社会人として巣立った奨学生も増えてきています。基金が主催するイベントのサポートを奨学生たちが自主的に担ったり、基金の後輩へ恩返しならぬ「恩送り」として、寄付を行っているケースもあります。

当初は、返済義務のない奨学金制度として、金銭的な援助を目的にスタートした活動ですが、人のつながりをつくり続けることも、今となっては大きな役割のひとつになりました。現在も、仙台を拠点に活動を続けています。

会社は何のためにあるのか?

かくいう私自身もチームの一員として2015年から2年間、東北に赴任していましたが、この復興支援の取り組みは、今夜のカンブリア宮殿で私たちがお伝えできなかった「ロートらしさ」を象徴する活動のひとつだと感じています。

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これは、2000年に刊行された、社内向けの冊子『ロート製薬100年史』です。

この本の中に、次のような一文があります。

「人間は、本来、弱くて、怠惰な存在。その弱さに目を向け、いかに克服し、より高次元まで自己を高めていくか」

私は、折に触れてこの言葉を思い出します。現会長の山田邦雄の言葉です。

会社は何のためにあるのか?という問いに、創業から122年、向き合い続けてきたロート製薬。商品をお客様に届けることだけでなく、社会貢献を目的としたさまざまな活動を行ってきました。

その中でもとくに、二度の震災を通じ、「どんな未来を描きたいのか」「そのために私たちは何をしていけばいいのか」ということを社員一人ひとりが考えるようになりました。

弱くて怠惰なものである、という自覚を持ちながら、その時代ごとに社会に向き合い、考え抜いてきた経験が、今のロートの姿勢を形づくっていると、私は考えています。

こうした取り組みが新たな世代にも波及し、会社の外での活動がたくさん生まれ、ロートと社会の接点が増えてきています。『カンブリア宮殿』でとりあげていただいた「複業解禁」もその一つです。

これからもお伝えしていきたいこと

広報活動をしていると、社外の方から、「ロートさんは、社員の皆さん一人ひとりがいきいきしていますね」とおっしゃっていただくことが多く、私はそのことを誇りに思っています。

一方で、そう感じていただく理由をつきとめ、説明する機会を、なかなか持てないままでいました。これからも、このnoteを通じて、じつは自由で、チャレンジングな、122年の老舗らしからぬロート製薬の姿をお伝えしていきたいです。

今夜の『カンブリア宮殿』が、ロートの働き方をはじめとした、会社の雰囲気やカルチャーを、知っていただける契機になればうれしいです。番組の感想なども、ぜひSNSなどでお寄せください。拝見させていただきます。

放送をまだご覧になっていない方は、テレビ東京公式サイトから、ぜひ、ご視聴ください。番組制作に関わってくださったみなさま、本当にありがとうございました。